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お尻の穴が2つになった話

皆さん、「痔瘻」という病気をご存知でしょうか。
私は半年ほど前、突然その病を発症しました。

痔の一種だそうですが、いぼ痔と切れ痔しか知らなかったので、
まさか直腸とつながるお尻の穴が増えるとは夢にも思いませんでした。

幸いなことに、現在は処置を終え、穴は1つになりました。
気持ちの整理ができたので、闘病の様子を振り返りたいと思います。

ある日、肛門の周辺のところがぼこっとわずかに膨らんできて、ぐっと押すと痛い状況になりました。
最初はいぼ痔かなーと思っていたのですが、全く赤みなどなく正常な皮膚が膨らんでいるような状況です。

日を追うごとにだんだんと膨らみが大きくなってきたため、病院で直してもらおうと近所の肛門専門のクリニックに行きました。

先生の触診がかなり乱雑で痛かったのですが、
診断の結果「肛門周囲膿瘍」と言われ、今すぐ排膿切開の手術が必要と切り出されました。
この症状は、肛門の少し入ったところにある小さな穴から細菌が入ってしまい、肛門の内部が化膿して膿が溜まった状態です。
そのため、切開して体外に膿を出してあげる必要があります。
「え、こわい。」と思ったので、心の準備をするためと、子供の送迎があったため、明朝に手術することで話をつけました。

最近は、虫歯の治療などで麻酔注射をすることになれていたので、
「虫歯の麻酔より、少し痛いくらいだろう」と肛門の局所麻酔を甘く見ていました。

が、人生で受けた麻酔の中で一番痛かったです。
肛門ってこんなに神経が密集した場所なんですね、、
考えたこともなかったので想像が及ばなかったです。
小さいクリニックでしたので、患者もいない静かな平日の朝イチの病院内で私の絶叫が響き渡りました。
看護師さんに思いっきり聞かれただろうなあ。

その手術を受けた後、医師から以下4点を説明されました。
・切開して穴を開けたから圧迫はなくなって痛みは改善したはず
・現在は直腸とつながったトンネルが出来た状態
・完治するには、くりぬくかトンネルの壁を切って直腸の穴と一体化させるかいずれかの手術が必要
・完治するまでは、穴から膿や血が出続ける

最悪です。
なんとなく、中二の時いんきんたむしになった時のことを思い出しました。その時は、患部の金玉にキンカン塗って直そうとしたものの、激痛のあまり失神しかけたのですが、あれより最悪です。
目の前が真っ暗になりました。

とりあえず手術の翌日に経過観察のため来院したのですが、手術よりも痛い乱雑な触診をされ、再び、静観な朝の病院に私の悲鳴が響き渡りました。
切ったばっかでむちゃくちゃ痛いのに、容赦ない。
60近い先生だったので、学生時代殴り合いの喧嘩を経験しているだろうことを想像すると、痛みに対する耐性が私と違い過ぎているのだと考えさせられます。

そこから翌日以降の通院はキャンセルし、「痛くない」を売りにしている少し大きな肛門科を受診することにしました。

そこではまず、本当に瘻管(新しく出来たトンネルのこと)が存在するか確認するため、超音波検査をしました。
確かに存在するようで、追加手術確定です。
が、非常に浅い位置にあるため、壁を切って直腸と一体化させるオペが可能だということでした。

実は痔瘻になって、色々調べたのですが、
手術は先の2通りあり、深い所にあった場合、トンネルくりぬき法しか選択できないのですが、こちらは再発率が20%前後と高いのが難点です。
後者の手術であれば、再発率2%未満と非常に低いので、可能ならこっちの施術にしたい。
が、深い所の患部に直腸一体化手術(私が勝手に命名)を行うと、括約筋が傷つき、便が漏れるリスクがあるため、非常に危険なため、くりぬき法を選択する場合がある、といった構造になります。

また、痔瘻を長い間放っておいた場合どうなるかという記事を発見したのですが、
「トンネルが1本だけでなく、肛門の周囲に無数に広がって肛門が機能しなくなり、人工肛門が必要になります。患者様のQOLが下がってしまうのでこうなる前に早めに受診しましょう。」
のような記載がありました。

さすがに、医療で使われる「QOLが下がる」という言葉は重みがあります。もう気軽に「QOLが下がる」だのという言葉は使わないようにしようと思いました。

そして、手術を受けることになったのですが、
鎮静剤を点滴投与したため、眠っており全く覚えておりません。
人生初の鎮静剤で、こんなに苦痛を受けずに済むのか、と感動しました。
※脳の酸素欠乏の後遺症リスクもあるので乱用はおすすめしません

ですが、肛門の局所麻酔を受ける予定のある方はぜひ鎮静剤の使用を検討することをおすすめします。
乱発できない鎮静剤使用機会のここぞという場面は、肛門の局所麻酔です。

手術後ですが、痛みもさほどなく、肛門が1つに戻った安心感・幸福感を強く感じました。(患部が浅く手術が簡単だったからかもしれませんが)
ただし、切った場所は縫わないので、血液と組織液がずっと出てきます。
そのため、妻の出産で余った産褥パットを使用してました。
女性の気持ちが少しだけ分かりました。
下半身から出血はけっこう面倒くさいし、においもあるし嫌になります。

しばらく経つと出血も収まり、ようやく日常に戻ります。
思いのほか長くなってしまいましたが、皆さんもお気を付けください。

ちなみに、これといった原因は不明なことが多いらしいです。
激しい下痢だと痔瘻になる可能性があるとか。
火鍋とかキムチとかココイチの10辛とかあんまり食べない方がいいかもです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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