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【013FP-8】Pelikan 400NN(original) 茶縞 ソケットペン芯改修

こんにちは、漂流です。今回は前回に引き続きペリカンの万年筆の紹介と行きたいのですが少し毛色の違う記事です。
Pelikan 400NN、1960年代にペリカンが販売していた万年筆です。元々400があり、それが改良されて400Nになりそしてさらに改良され400NNとして販売されました。当時日本での販売に力を入れていたらしく、中古品が同時期に販売されていた140などと共に大量にフリマに出ています。ペリカンの日本への注力は70年代も続き、モンブランの3桁シリーズへの対抗に据えたであろうM4xxシリーズは日本向けを前提にされていたようです。
400NNの中では比較的人気でかつ入手難易度もそこまで高くない茶縞を持っているのですが、ペン芯の劣化が激しく欠けている所もあったので、ありあまる夏休みを使いソケットと共に交換することにしました。

まずは基本的な材料から。400NNの胴軸とキャップとペン先、さらに現行クラシックシリーズのソケットとペン芯を用意します。

上:クラシックのペン先/下:今回嵌める400NNのペン先

ただ、現行クラシックのペン先と400NNのペン先はアールこそ同じもののサイズが違うので、ソケットの内壁を削る必要があります。

そこでまずは600番(もうちょっと番手の荒いものでも大丈夫だと思います)と綿棒(画像では半分に切っていますがこれも綿棒そのままで大丈夫です)を用意して、

ヤスリを三角になるよう半分に切ります。これはソケット内壁にある程度のテーパーをつけるためです。ペン芯は太さはどこも同じですがペン先は根元から広がっていく形状の為、しっかり嵌めるためにこの処置をしています。があまり気にしなくてもいいかもしれません。如何せんこの行為自体あまりやるものでも無いですしネットに情報がある訳でもないので。

そうしたら上画像のように内部にヤスリと綿棒をはめてあとはひたすらに内壁を削っていきます。途中でペン先とペン芯を入れて嵌まり具合を確認しながら少しずつヤスっていきましょう。

途中経過。綿棒が削り粉を拭き取ってくれます。

そうしてある程度嵌まるようになったら、内壁をサンエーパール等細かい番手で研磨し遂に本格的にニブユニット作成に入ります。こうしておけば嵌り易くなりますからね。

M120を固定用に使っています

ペン先とペン芯を合わせてソケットに嵌めていきます。この時に先にソケットだけ軸に装着してそこに嵌める方法を取るとやりやすいかと思います。

失敗例。左の方が作成中のニブユニットですが、ペン先出過ぎ。

基本的には現行クラシックのニブユニットを参考に嵌めていきます。ちょっとペン芯を出っ張らせた状態で挿入していくとちょうどいいぐらいになります。

そして完成したのが上画像。すこし出てるペン先が短いような気がしないでも無いですが、許容範囲でしょう。自分は固めニブが好きなのでこれで満足。あとは作業の際に発生した食い違いなどを手直しして研磨などすれば終了です。

知識のある方ならん?となるでしょう。

今回は400NNの改修を記事にしました。ここに来て書き忘れに気付いたので書いておきますが、同じ事をする場合はペン芯の根元を少し削っておきましょう。現行クラシックのペン芯は根元が少し太くなっていて、このままだと400NNの軸に入りません。

記事は以上になります。お読み頂きありがとうございました。

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