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フランス人と帰国子女が一緒に暮らしてみたら
彼と一緒に暮らし始めて半年が経ちました。
「フランス人と一緒に暮らすってどうなの」って引っ越しをお知らせした人によく聞かれるけど、思ってるより普通なことばかり。ただ、学ぶことが多いのも事実。私達なりの幸せな毎日を書き連ねてみました。
-なんでも相談、なんでも一緒
これは別に帰国子女だから、とか関係ないですね。自由奔放だった私が、という純粋な驚きの気持ち。
結婚をしていないので、単身世帯が2人住んでいることになっている我が家。ですが将来設計は結婚している夫婦と変わりないです。大型の家具も共同で買うし、将来住む国の話もしています。彼はEUの人なので、EUに住む分には楽なのですが、私はそうもいかないので、そうなった時に初めて結婚が視野に入ってくるのだと思います。子どもは二人とも欲しくないのですが、猫を飼いたいので、目下計画中。
私の困りごとは彼の困りごとだし、彼の悩みは私の悩み。何でも一緒がゆえに良い意味でお互いの変化に敏感になりました。加えて、彼はもともとパートナーにべったりタイプなので、ちょっとでも相手が疲れていたり、顔が曇っていたりすると気が付きやすい。よく気が付くから相手を気遣えるんだろうなって思います。
週末は当然、お互いの予定を擦り合わせ、たりはせずに基本的に一緒に行動することが前提です。私一人で「美容院行ってくる」なんて言おうものなら「え、何それ初耳。どこに行くの?何時に帰ってくるの?僕一人だよ…」なんて半分冗談半分本気で言ってきます。独り立ちをしなさい。
遊びまわっていて、蝶々みたいにあっちへヒラヒラこっちへヒラヒラ、捕まえられるのはご免です~みたいな毎日を送っていた私が聞いたら発狂しそうだなと思います。笑 こんなにべったりでも苦しくない毎日があるなんて知らなかったな。
-文化の違いはそんなに感じない
異文化の人と暮らすときに気になる点の一つかと思いますが、私達の場合、全く感じません。生活感だって、彼の方が潔癖に近い。ごみの日は私がしょっちゅう忘れるので、前日に彼が纏めて玄関の前に置いておいてくれるのがデフォルトになりました。私が出勤、彼が在宅という毎日なので、食器洗いや洗濯、部屋の掃除は全て彼がしてくれています。
私は何をしているのでしょうね。たまにベッドを綺麗にするくらいかな。キッチンは常にピカピカにしておきたいので、土曜日に一週間の汚れは必ず落とします。真剣にシンクを磨き上げている私に「君のそのシンクに対する執念は何なの?」と聞かれたこともありますが、私にもわからない。
書いてて思いますが、たぶんこれは文化の違いって言うか、彼の性格ですね。だから、生活をしていく中での「あ、これは文化の違いが起因で起こっている問題だな」というのが全くないです。唯一「全く違う。これは戦争だ!」となるのが食の違い。
-食は全く合わない
私は食べることが大好き、彼はお腹が満たせればそれで良い。加えて日本に住んでいる外国人とは思えないくらい、海苔がダメ、みそがダメ、焼き魚がダメ、魚介全般がダメ(寿司は大丈夫)等々…何で日本に住み続けてるの?ってたまに冗談で言っちゃうくらい日本食が好きではないです。
誠実な人なので、どうしても見た目がダメなもの以外はダメと判断する前に一度食べてみているのは偉いと思いますけれども。それでも食に関してはある意味なかなか厳しいです。
その代わり、食事の準備等は驚くほど緩い。緩いというか、自分が食べたいものを、自分で食べたいときに、自分で用意するという感じです。私が食べようかな、と思う時に「私今から晩御飯の準備する。○○食べようと思ってるけど、食べる?」と聞く感じ。彼が私が食べるものを食べたくない場合は、私の隣で自分で用意しだします。
朝ごはんはも、私→しょっぱい系、彼→甘い系、でことごとく合わない。
当初は少し悩みましたが、おいしいものを食べたい私と、お腹に入れば何でもいい彼とはそもそも考え方の根本から違うので、一週回って今はとっても楽チンです。自分の分だけ用意したらいいんだもんね。
一緒に用意する時ももちろんあります。私がラザニア食べたい!って言って唐突に作り出したときは一緒になって懸命に野菜を切ってくれました。基本一緒のものを食べる時はちゃんと手伝ってくれる。料理をすることは好きみたいです。
- 日本語が不自然になる問題
これは独特なやつだと思う。彼と話す言語は英語です。私はフランス語が話せないし、彼は日本語が自由に話せるレベルではないので、必然的にお互いが第二言語で話すことに。彼はフランス訛りもなく、ネイティブに近い語彙力で英語を話すのに加え、こちらも一応帰国子女で、初対面で英語を話すとまず日本人だとは思われないタイプです。
会社ではもちろん日本語なので、平日は構わないのですが、問題になるのは長期休み明け。彼と英語でしか話さない日々を送っていると、日本語への切り替えが上手くいかなくなってしまうことが最近判りました。「ていうか」を”Like,"って言ってしまったり、「今日めっちゃ暑いですね」って言おうとして「とても暑いですね今日」というような言い方になったりします。(It's so hot todayが日本語になって出てきた感じ)
自分でも言いながら「なんか変だな」とは思っているのですが、瞬時に気付けない。これが中途半端帰国子女の悲しいところなのですが、本当のバイリンガルに比べて頭での言語の切り替えが弱いんです。
私の場合は日本語の時は日本語、英語の時は英語、という風に切り替えているので英語で話している時は頭の中も英語。彼と長い間一緒に過ごしていると、頭に英語が張り付くような感覚になってしまい、「今は日本語で話す時!」と思っているのに頭の中は英語なので、混ざって出てきてしまうんですね。
あとたまに、英語で考えてる時に日本語で話しかけられると、言葉が出てこなくなる時がある。イメージとしては日本語乗せた車と英語乗せた車が正面衝突する感じ。彼と一緒に住んでから正面衝突の頻度がちょっと高くなった気がします。特に彼と英語しか話さなかった3連休明けの初日。もうこれは不自由としか言いようがない。
- まとめ
結婚してた時よりもずっとずっと暮らしやすい!
人と暮らすって言うのはこういうことだったのか、皆こうやって暮らしていたんだな、ってついつい主語大き目で話してしまいそうになるくらいの気持ちです。彼といると、自分たちが違う文化圏の人間だということをついつい忘れてしまうほど、一緒にいることがとても自然で楽しいです。