ベラゴアルド名鑑【その14】
ルグ
性別:男
年齢:6歳前後と推測
身長:113cm
体重:17kg
利き腕:両利き
出身地:ドラゴニア群島
髪:銀
眼:銀
武器:なし
道具:なし
記憶をなくしたルグは、自分が何者か思い出せずにいた。ただひとつ忘れぬ己の名だけにすがり、自我を保っていた。だから彼は彼が現在過ごしている塔のことも、アイカレという枯れ木のような男のことも、食べ物や薬のことも、どこか現実とは乖離した場所で、ただ眺めているふうな感覚であった。
やがて、とある少女との交流を通じて心に灯るもの感じた彼は、何を成すべきかを少しだけ思い出すのであった。しかしそれは、靄がかった、極めて不確かな残影のみであった。
謎の少年ラウ
性別:男
年齢:6歳前後と推測
身長:115cm
体重:20kg
利き腕:右
出身地:?
髪:茶色、毛先は橙
眼:金色
武器:なし
道具:なし
そしてルグはその少年と出会う。窓の外では切り裂く雷光が迸り、闇夜に雨粒がざらつく筋を引く。二人は言葉さえ交わさずただ見つめ合い、そして別れる。しかし彼らは互いに感じ取っている。風が、光が、雨が、炎が。すべての理はやがて大きくずれ込み、運命の寓意を形付けている。
捕捉知識
●ドラゴニア列島について
・ハースハートン大陸から西に渡れば、ドラゴニア群島の一端は見えてくる。ダネアリからイーニアニの港へ渡る航路が一般的である。
・ドラゴニア列島の歴史は複雑だが、元はひとつであった大陸を、竜大戦でドラゴンが割ったとされている。
・現在では人間族の住まう土地はイーニアニのみである。他の島々は未開の地とされ、ハースハートンの民でさえ交流はなく、無論、滅多に奥地に入り込むことはない。
・イーニアニは百余年ほど昔に魔法衝突(マジカコリジョン)を起こし、一度は全ての動植物の住めぬ土地となった。現在は人の住める環境を取り戻しつつもあるが、今でも土地や貧しく、食物は育ちにくい。そう言った理由から、イーニアニには、主に犯罪から逃れたごろつきが流れ住み、極めて治安は悪く、奴隷商売の温床ともなっている。
・イーニアニの南西にはライカンの集落が点在していたが、現在は滅んでいる。島々のどこかにはバードフィンクの住まうオマフイミ庄があり、さらに奥地には失われた種族、コポック族の隠れ里コー・コーパスがあるとされているが、レムグレイド王国では公式に確認されてはいない。また、吸血鬼、ストレイゴイも住み着いているとの噂もあるが、それも未確定である。
●マリギナーラの塔について
・マリギナーラの塔の起源は謎である。数千年前の地殻変動以前から存在していたとさえ云われている。その名は、かつて栄えた国の名なのか、塔を指し示す名称なのか、はたまた、そこに住まった者の名であるのかは、判然としない。ただ、その塔はイーニアニの不毛な大地に初めから聳えており、所有者を変え続け、今に至っている。
※地図はギーの物語に準じて常に更新されていくものであり、すべての地名が記されているものではない。
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縦書き版がおすすめです
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