ベラゴアルド名鑑【その16】
石の竜アペフ
性別:なし
年齢:?
身長:体長25〜40mと推測、最大でその倍もの巨体も目撃されている。
体重:?
利き腕:なし
出身地:フラバンジ大陸東、マルドゥーラ教団領
髪:なし
眼:瑠璃色から赤へと変色
武器:牙、爪、火の息
道具:なし
石の竜。アペフ、あるいはムシュフ、ラードン、歴史上で様々な名称で呼ばれたドラゴン。その出自はレムグレイド王国では謎とされ、フラバンジ帝国では、帝国を守護する聖なる竜とされている。確認される限りでは東フラバンジ大陸の中心部、マルドゥーラ正殿を囲うように眠っていて、数百数千年単位で前触れなく目覚め、レムグレイドを襲うために南下すると謂れている。特に千年周期で活発になり、数十体単位で一度に目覚めるアペフは、幾度となく海を渡りレムグレイドを蹂躙してきた歴史もある。
帝国は女神マルドゥーラの力によってドラゴンを操っていると公言してもいるが、真相のほどは怪しいものである。その証拠に、フラバンジ大陸の各地には巨大な竜の骨が散見でき、なかには街の防壁を踏み破ったままに果てているものもある。その頭蓋の向きや経路等を地図に照らしてみれば、それらが必ずしもレムグレイドを目指しているわけでもことは一目瞭然である。そういった事情から、レムグレイドでは、アペフを使役させているとの帝国側の表明に疑問を抱く学者は数多くいる。いづれにしろ、その巨体が脅威でなくなるわけではないことは、皆の意見も一致するところである。
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バロギナ(左)
性別:なし
年齢:32
身長:158cm
体重:86kg
利き腕::右
出身地:王都レムグレイド
髪:黒に近い焦げ茶
眼:黒
武器:鋼の直剣
道具:出兵に応じて
レムグレイド王国でメイナンドに次ぐ実力者として名高い剣士だが、彼の内面は様々な負の要素が渦巻いているようだ。だから『千切り小剣』たる異名も、彼にとってはその由来となる身長に対するコンプレックスでしかなく、本人の前でその呼び名を口にする部下はいない。王都に産まれ王都で剣技を学ぶ。生粋の都市貴族には珍しいほどの黒髪に黒い瞳であるが、やはり彼がそれを誇ることはない。
マール・ラフラン姫のガンガァクス行きに伴い、特例として二部隊編成となった白鳳隊の方針に反対し、彼女に決闘を挑み、敗れた過去もあり、以来、激しいライバル心を燃やしている。同時に敬愛するメイナンド隊長が、本来であれば法のもと公におこなわれる決闘を、隊での内々の揉め事として処理してくれた事実を感謝しつつも、その忠誠心を汚した恥だと感じ、マールを逆恨みしている。
とはいえ、おおむねそんな難しい彼の内情はメイナンドへの忠誠心のみに集約されており、それらを除外せずとも、彼が優れた武人であることは変わりはない。
腰に差した得物はただの直剣ではあるが、一流の鋼で鍛えられており、剣身は通常のものより分厚く幅広く、そのぶん重い。下段を得意とし、その低身長から繰り出す重い連撃は固い甲冑さえ千切ったように破壊する。剣技にのみ余計な感情を交えず最良を選択するあたりは、彼本来の生真面目さが窺え、なにより評価されている彼の個性である。
シンバー(右)
性別:男
年齢:48
身長:171cm
体重:66kg
利き腕:右
出身地:ナイララにほど近い名も無き村
髪:元は赤みの強い茶髪、帷子を脱げばはげ頭
眼:黒
武器:鋼の打剣
道具:司令の角笛
欲深く、おおむねいい加減な性分ではあるが、それなりに部下思いであり、信頼も厚い。名も無き村から立身した叩き上げの男が、僻地とはいえ国防の重要拠点の司令官に任命されたのは異例なことである。出世欲の強かった彼は若くからストライダの実力に着目していた。渋る上層部を尻目に、何かとラームとの連携を図り続けたことが出世に響いていることは間違いない。初めは利用するつもりでいたストライダにあべこべに何度も使いこなされ、年月を経た今では、無条件にストライダを信頼しているふしもある。また、決して満点を望まず常に及第点を心掛ける彼の仕事ぶりは、存外ストライダとも相性が良い。
剣技の実力は皆無に近く、実際に刃を振るった経験は数えるほどしかない。だがしかし、そんな男も必要なのだ。このベラゴアルドには。
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捕捉知識
●フラバンジ帝国領について
・双頭フラバンジ大陸及は、西側を帝国、東側の大陸をマルドゥーラ教団が管理している。歴史だけを鑑みれば、五千年もの繁栄が記録されている。その他、海を挟んで竜の尾列島南端に位置するコータラ国もフラバンジの従属国家となっている。
・国王を中心にしての共和制のレムグレイドとは違い、フラバンジはシャビアフレイ皇帝の専制君主制とされているが、一方では、教団は対等の立場を主張していて、主張しあう互いの権力のもと、危ういバランスは保たれている。
・長きに渡り外交を絶っているレムグレイド側からしてみれば、フラバンジは謎の多い大陸である。名を轟かせるような魔法使いは歴史上現れてはいず、アペフを操る巫女がその役割を担っているとも云われている。
・レムグレイド王国とは敵国関係であるが、モレンドとカカデロアでの小競り合いが数百年単位で小規模に勃発する程度であり、両国が本土を巻き込むほどの戦をしたことはなく、実情は互いに過剰に干渉し合わぬ隣国となっている。
・土地はおおむね貧しい乾燥地帯が続き、北部は雪深い厳しい冬は長い。しかし数的にいえば魔物は少なく、鉱質資源等も豊富ではある。また帝国は収入のほとんどを国防に注いでいて、強大な軍事国家でもあり、特にレムグレイドに近いカカデロアとモルドルは不落の大都市であり、歴史上、多くの武人がその名を轟かせている。
※地図はギーの物語に準じて常に更新されていくものであり、すべての地名が記されているものではない。
※現実世界との平行線上に展開されている現状のベラゴアルドに準じられているので、地図の形状等は変動する箇所も見られる。
キャラ名鑑は不定期で更新されます。
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