【後編】前夜祭は続く……?? My Trip To Bernal、その夜明けに立ち会ってみた。
絶対に相性いいと思うんだよね
ヨギ:構成(バンド編成)は、ツインギターなんですか?
藤井:さっき考えてたんだけど、ツインギターかは分かんない。まだ何もやってないんだもん、わかるわけないよね。
ヨギ:伸びしろしかないですもんね(笑)。
藤井:ただ、土田さんのシャウトにかかってるから。
土田:喉弱いんだよなあ……。
藤井:急に弱気になった(笑)
ヨギ:めちゃめちゃ喉の心配するタイプだったんですね(笑)。
藤井:フロントマンなんだからね? ちゃんとやって、ちゃんと自信持ってよ。
土田:それは決まってるんだ……。
ヨギ:藤井さんはギターしか弾かない感じですか?
藤井:うん。
ヨギ:いいですね、じゃあ僕も、もうタム1個取っちゃってもいいですか?
藤井:いいと思う。1タムでいいよ、フロアだけで。重めでね。
ヨギ:いいですか? やった! 単純に僕、最小のドラムを今度は(笑)やりたいなと思って。
藤井:土田さんのシャウトがあって、俺とヨギくん結構声きれいだから、もしかしたら要所要所に二人でいい具合にハモって。
ヨギ:あー、なるほど。
藤井:シャウトとハモみたいなものを、両極でやれたら曲になるかなって。
土田:俺の声だとブラックメタルみたいになりそうだな。
藤井:いや、いいんだよそれでも。
ヨギ:でも土田さんのシャウトしてる中で、僕らは裏でやってる感じでもできるんじゃないですか。
藤井:で、イカつい人もうひとり入れようかなと思って、ヒップショット(郡山Hip Shot Japan)の前田(隆行)さん誘ったら「高いよ、俺は」って言ってた。
ヨギ:(笑)高そうっすね。
土田:怖い。同じバンドをやるなんて視点で見たことない。
ヨギ:そうっすよね(笑)確かに。
藤井:たぶん誰にも誘われたことなかったんだと思う。
ヨギ:それで前田さんもびっくりしすぎちゃって、そう言ったんじゃないですか?
藤井:「俺とやりたかったらお前、酒やめろ」って言われて。「嫌です」って。
ヨギ:(笑)決裂したんすね。
藤井:「お前、ひとにもの頼むのに、要件飲まねえってどういうことだよ」って(笑)。
土田:まあ、やってみましょう。とりあえず今、(藤井さんが弾くのは)ピークにあるギター、っていうのが縛りなんだよ。
藤井:俺はこのギターしか使わない。
ヨギ:マジっすか。
藤井:弦、1弦切れた状態で、みたいな。もし誰かが張ったら、それはそれでいいんだけど、自分では何もしない。これを育てていこうと。
土田:そんな奴いる? レンタルスノーボードじゃないんだよ。
藤井:これ絶対に相性いいと思うんだよね。気に入ったもん。
ヨギ:俺、ピークにこのギターがあるのがもう分からなかったもん、全然。
藤井:え、ずっと来てて?
——でも前からあったっちゃありましたよね?
ヨギ:楽屋に置いてあった? 普通に立てかけてあったんだ。
土田:え、でも、これは無くなかった? 途中からな気がするんだけど……気のせいかもしれない。
ヨギ:俺、ドラマーだから、全然こういうの見なかったもんね。
藤井:全部開放で鳴らすとどうなるの? こう……。
♪〜
土田:……ただの練習になっちゃうから(笑)。
藤井:「散々どうでもいい話した後に、三人で音鳴らして、一曲作って帰っていきました」っていう(笑)。
土田:ああ。まあ面白いね。
藤井:すぐできると思う。
——今、だって出来かかってますもんね。
藤井:うん。
ヨギ:藤井さん1弦ない縛りがあるじゃないですか。僕もなんかドラム的な縛りあった方がいいですか?
藤井:ロカビリーみたく、立ってやってみる?
ヨギ:あーなるほど。
土田:大変そう。
藤井:でもなんかロカビリーのドラムの人って楽しそうだよね。
ヨギ:楽しそうですね、なるほどなるほど。
藤井:最終的に前田さんをウッドベースで。
一同:(笑)。
——完全にそっちに寄ってっちゃいますね(笑)。
藤井:(笑)最終的に前田さんがリーダーみたいになってく。
ヨギ:スタジオ、ガチガチになりそうですよね(笑)。
藤井:(笑)みんなそんな恐れてんの。怖いかそんなに。
土田:そりゃ大先輩ですもの……。
ある意味プロジェクト的な感じで
藤井:俺らが軌道に乗ったら呼ぶからね。
土田:あれだ、おとぼけビ〜バ〜ね。
藤井:おとぼけビ〜バ〜呼んでツーマンだね。
ヨギ:いいっすね。おとぼけビ〜バ〜とMTTB。
藤井:相性良さそうだよね。
土田:相性良さそうってさ……(笑)この時点で言うのヤバいな(笑)。
藤井:相性良さそうだよ、絶対。ただそれなりの箔つけないとダメだからね、頑張って。
土田:そんな簡単に呼べないですよ。
藤井:あと、SNSに詳しい若者ひとり入れたらいいんじゃないの? どうやって仕掛けていくか、すごい詳しい人。
ヨギ:戦略的な部分で。
藤井:プレイヤーじゃなくて、戦略的なところをやってくれる人。
ヨギ:その人はもう、一緒にステージには上がらない、本当マネージャー的な感じの?
藤井:うんうん。
ヨギ:なるほど。専門学生とか?
土田:いいね。どんどんメンバーが増えてくね。
ヨギ:なんかもう、ある意味プロジェクト的な感じで。
藤井:そう、それ結構理想だよね。ある日気づいたら結構な人数で、みたいな。
ヨギ:でも常に何か、みんなでチームで、面白いことを考えて。「頑張る」っていう言い方よりかは、「仕掛けていく」みたいな感じですよね。
藤井:うんうん、そう、なんか面白がってやるっていうね。
藤井:じゃあ、夜の『BREAK OUT』のコメントの練習しよう。この並びでこう、撮られそうじゃん?
ヨギ:いいですね。
藤井:結構重要だからね。
ヨギ:並び順とか本当大事ですよね。
藤井:並び順も大事だし、服装もね、ちゃんと決めた方がいいと思うし。
土田:確かにね、立ち位置も決まってないわな。
藤井:ステージ上の立ち位置は絶対真ん中、土田さんの方がいい。
土田:俺が真ん中なの?
藤井:うん。
土田:ヨギくんがセンターでしょ?
ヨギ:え、やっぱセンターなんですか? 俺センター飽きちゃったんですよね。上手か下手か、どっちかで叩きたいな。
土田:そしたら秀吉BANDと変わんなくなっちゃうじゃん。
ヨギ:いや、違いますよ、モノが違いますよ。
土田:いやいやいや……3ピースだしね。
——土田さん真ん中にするんだったら、他のお二人がこうなる(左右に分かれる)ってことですよね。
土田:でも俺初心者だから、パッと振り返ったら二人の姿が目に入るのがいいなあ。
ヨギ:いや、横見たら俺らがついてる方がいいんじゃないですか?
土田:わかんない、あんまりやったことないもん。
——土田さん、だからバンドやるのめっちゃ久しぶりなんじゃないですか? しっかりやるのは。
土田:うん。二十何年ぶりとかじゃない?
藤井:ここ(真ん中)にちょっと座ってみて。……どう? この居心地は?
土田:今、ちょっと引いてるから心地いいかな。
藤井:こう、両側(藤井&ヨギ)でサポートする感じでいいのかな。
ヨギ:いいと思います。立ち位置こうでね、このまんまステージも。
土田:慣れない……。
——メディア稼働のときもステージ上も、この並びで。一個決まりましたね(笑)。
土田:決まった決まった。
ヘヴィロックで清き一票
土田:1個ずつ決めてこ、1個ずつ決めていかなきゃ。
藤井:そうね(笑)。
土田:決めてもらおう、ながいせんせに。
——衣装はどんなデザインにします?
藤井:それはもう、土田さんの感覚いいから。
ヨギ:なんかでも色々ありましたね、ロゴ的なものとか。
藤井:あれもかっこいいよね。
ヨギ:いいっすよね。
土田:さりげなく(LINEグループの)アイコン変えてるけどね。
藤井:え、本当?
ヨギ:変わってた……アイコンどこで表示するんだっけな……あ、そうだ、これこれ。
——あ、いいっすね!
ヨギ:いいよね!
藤井:それそのままTシャツでもいいんじゃないかな。ベルナルになってんだ。
土田:そう、実際のベルナル。
——あ、なるほど!
藤井:俺、結構その西会津の写真好きなんだけどね。
ヨギ:いいっすよね。
土田:歳の神ね、燃やすやつ(お焚き上げ)ね。
藤井:そうそう。っぽいなって。
土田:でもやっぱこういうこう土着的な……土着的というか、民俗的要素を入れたいということだよね。
藤井:結局歳も歳だからさ、地域貢献っていうかさ……(笑)なんていうんだろう、それを元に広まってきゃいいなって思う(笑)。
土田:でもそう考えたらさ、例えば俺らがよく話す90年代のオルタナミュージックとか、そういう昔の俺らがハマってた時代の音楽の話がさ、もうそういうようなことになってるじゃん。「昔のも大事にしよう」とかさ。
藤井:結局さ、俺らがやりたいこともそれと一緒じゃん。ヘヴィロックみたいなのとかの文化も……。
土田:あ、(MTTBのジャンルは)ヘヴィロックなんで!!(笑)
藤井:(笑)そうだよ。
土田:ジャンルで言うと。
——(笑)一応あるんですね。
藤井:それを若い子に継承していかないといけないっていうのもあるんで。消えちゃうから。やんないと。
ヨギ:地域貢献だから。
——ヘヴィロックで。
藤井:ヘヴィロックで清き一票。
一同:(笑)
土田:誰が!?(笑)
藤井:選挙カーは俺とヨギくんで、運転するから。土田さんがやっぱ、演説をして。
土田:「おはようございます!」っつって。
藤井:なんか、ヨギくん……でも「ヨギくん」、「土田さん」、「藤井」でいいのかな。
ヨギ:ステージネーム的なもんですか。
土田:ステージネーム、なんかこの前考えたじゃん。
藤井:なんだっけ?
土田:ヨギくんはね、覚えてるよ。「ヨギB」。
ヨギB:あ、なんか言ってた。Yogiboですよね。
藤井:しょうもな……(笑)。
土田:あれ、藤井さんはなんだっけ?
藤井:なんかついてたね。
土田:アルファベットだったよ。藤井なんとかなんとかの略だった。
藤井:そうだ、なんかあの……。
土田:F、Fなんたら……みたいな。忘れちゃった。もう忘れてんだもん。
ヨギB:でも、ヨギBはいいと思いますよ。ベルナルのBもあるし。
土田:あ、そうやな、それは決定だ。(藤井さんは)なんか設定決めたじゃん。帰国子女みたいなさ。なんだっけあれ。
藤井:なんか言ってたな……言ってたわ、思い出してきた。YOSHII LOVINSONみたいな感じで、藤井ロビンソンはあれだから、藤井トムソーヤみたいなのがいいみたいなこと言ってたもん。
土田:で、それ略して、Fなんとかなんとかって言ってたもんよ、あのとき。FJKみたいな。
藤井:なんかそうだったね。
土田:なんだっけ、でも……。
藤井:F……JKみたいな。
一同:(笑)。
土田:おんなじこともう一回言った(笑)。
ヨギB:FJKなのはもう間違いないですか。
土田:FJKって何?
藤井:藤井……J、J……FUJIIじゃないの? FJ、結構いいけどね。……永井くん、もう興味失ってる(笑)。
土田:(笑)そこは事前に決めとけよって感じだよな。
——(笑)いや、Jが何からくるJか考えてました(笑)。
FJ:FUJIIのJじゃない?
ヨギB:なのかな、やっぱり。
——なんだったんだろう。
土田:なんかでも、そのときって盛り上がったんだけどね。
FJ:めちゃくちゃ盛り上がって決めたよね。自分のは覚えてないの?
土田:覚えてない。けど自分のも帰国子女設定だった気がする。全然思い出せない。
ヨギB:土田さんはアルファベットつかないんですか?
FJ:「ヨギB」、「土D」、「FJ」。土Dはディレクターっていう意味もある。
土田:ああ、そっちのD?
ヨギB:それか、MTTBのT入ってるから逆に「Tsuchida」で……最初Tにしちゃって。
土田:ああ〜。
ヨギB:Tだ。
一同:(笑)。
土田:てぃーだ?
FJ: Tダ。
土田:それ『ファイナルファンタジー』の主人公のティーダ?(笑)……考えとこう。ちょっと思い出せないんだ。あのときバシッと決まったのにな。
FJ:普通の名前よりいいかもね。このバンドだったら。
ヨギB:そうですね!
一発も音出さないまま解散っていうのも面白い
FJ:どうしますか。これでいける?
Tダ:まあ、成り立つか?
ヨギB:本当にながいせんせのまとめ方次第だとは思うけど。「何か面白いことを企んでいることは分かった」みたいな(笑)。
FJ:取材してもらって、終わり方をレクチャーするってすごくない?(笑)
——結びの一言を(笑)。
ヨギB:「インタビューの内容は永井の想定をはるかに超えてきた」みたいな(笑)。
FJ:そりゃね(笑)。
Tダ:それは超えてるわね。「これは果たしてインタビューなのか」っていう自問自答を(笑)。
ヨギB:「結びの一言をつけないというのもまた一つの締めだろう」みたいな(笑)。
——ドキュメントチックな(笑)じゃあ、やってみます。あと……なんかここで決めておくことがあれば(笑)。
一同:(笑)。
FJ:やっぱ一回ドーンって出したら面白いんだけどな。
ヨギB:そうですね。じゃあスタジオ入る日決めます?
FJ:そうだね、いつでもいいけど……。
Tダ:またこれ(取材日)決めたみたいに、候補出して擦り合わせますか。
ヨギB:そうですね。
Tダ:たぶん俺が一番不定期だもんね、この中でいうと。
——一回スタジオ入ったら、そこからはバーッと行きそうな気がする。
FJ:行きそうな気がするね、うん。
Tダ:そんなこと言ったらいつまでたっても入れないじゃん。
——やめてくださいよ(笑)。
一同:(笑)。
Tダ:ずっとこの段階の楽しさをとキープしようとしてる(笑)。
FJ:楽しみすぎて最終的に喧嘩して(笑)。一発も音出さないまま解散っていうのも面白い。
ヨギB:面白いですね(笑)。「どこで食い違った!?」みたいな(笑)。
FJ:どこでそんな喧嘩したんだろう(笑)。
ヨギB:「まだその段階で!?」みたいな。
FJ:ドラマとしては、1回目の練習に誰か一人来ないっていうのが面白い。「(そんなことも)あったね」っていう。
ヨギB::そうですね。
FJ:そんなドラマを作るためにわざわざやるっていう。そのぐらいした方がいいかもしれないね、このバンドはね。俺行かないわ、じゃあ。
ヨギB:いいと思いますよ。
(Tダさんの表情が著しく曇る)
FJ:この顔(笑)。俺結構ね、土田さんが困った顔好きなんだよね。
一同:(笑)。
Tダ:幾度となく困らされてきましたけどね。
FJ:そうだね(笑)大久保剛(音速ラインBa.)にもね。
Tダ:うんうん。そう。二人にもだし。
FJ:本当に音出したらもう始まる感じだから……今日ってできないの?
(編注:PEAK ACTIONスタッフ・ふっしーが店を開けて場所を提供してくれている。)
Tダ:さすがに怒られるか。
FJ:もうイメージはできてるから、絶対に(形に)なるはずなんだけどね。
Tダ:ふっしー、一回呼んでみようか。……ふっしー!
(奥で待機していたふっしーが接近)
Tダ:素直な顔で歩み寄ってきたけども。
FJ:一瞬ここで音出すのは無理?
ふっしー:あ、いや、行けますよ。
Tダ:行けちゃった。
FJ:やりたいな。
ヨギB:逆にもう、20時までとかにします?(残り15分ほど)
FJ:そうだね。
Tダ:もう本当に一瞬(笑)。
ふっしー:いいですよ、ドラムも出しますよ。
ヨギB:じゃあ手伝います。
Tダ:みんなでやろう(笑)。