【前編】前夜祭は続く……?? My Trip To Bernal、その夜明けに立ち会ってみた。
アツかったワードが
——バンド名を、ちょっと今……1時間前ぐらいに初めて送られたんですけど(笑)。
藤井敬之:My Trip To Bernal。
——「ベルナル」でいいんですね。
土田智之:ベルナルだね。
——ベルナルっていうのは、地名ですか?
藤井:なんだっけ、『未知との遭遇』に出てくる、世界最大の木の化石みたいなのがあって、未だ解明されてない……。
土田:そう。それは謎なんだけど、それがベルナル。
藤井:昔の……なんていうの、本当に歴史の元なんじゃないかって言われてる。俺らは結局そこに戻るんじゃないか、っていう。
ヨギ:『進撃の巨人』みたいな。
土田:そうそうそうそう。
ヨギ:ベルナルって木の化石なんでしたっけ?
土田:うん。って言われてるだけで、実際はベルナルっていう一枚岩の丘があるのよ、メキシコに。世界でたぶん3番目ぐらいにでかいやつ。
——あ、それは本当にあるんだ。
土田:それは本当にある。
藤井:それが本当の木だったっていう説なんだよね。
土田:で、実際にUFOとかの目撃情報がすごい多くて、パワースポット扱いみたいになってて、観光客が集まってる。
藤井:「世界はここから始まったんじゃないか」みたいな説もあって。
ヨギ:単純にこれ見に行ったら、ちょっと世界観ちょっと変わりそうですね。
土田:藤井さんの中で、まずそのベルナルっていう場所の名前がアツかったの。
藤井:「ベルナルっていうバンド名どう?」って言ったら……。
土田:そのときに俺の中でアツかったワードが「MTB」だったの。マウンテンバイク。マウンテンバイクの字面って最強にかっこいいなと思ってたので。
他3名:(微笑)。
土田:そのMTBのBと、ベルナルのB、一緒だってなって。
藤井:で、「いけるかも」ってなってたんだよね。
土田:それが、西会津のときだね。
藤井:西会津の雪国まつりね。
土田:で、当て字を始めたのね。MTBにハマるような、「なんとかベルナル」みたいな。
——楽しいやつですね。
土田:そうそうそう。で、「My」が最初に出てきたの。Myなんたら……マイケミみたいでいいじゃんって。で、ベルナルが地名だから、「Travel」とか「Trip」みたいなワードが出てきて、「ああ綺麗にできた、My Trip To Bernal」。
「MTB」だったら本当にマウンテンバイクになっちゃうから、Tを1個増やして「MTTB」でいいねってなって。
そうしたらその字面が「マタタビ」に見えんの。「ああ、面白い」みたいな。
筋を通すバンド
藤井:Tシャツ作りたいな。
土田:そうだね。
藤井:もう、逆の順序で作っていきたいね。曲じゃなくてグッズから。
ヨギ:(笑)いいっすねそれ。
土田:俺ちょっと福島アパレルでやろうとしてたことだったんだよね。架空のバンドを作って。
藤井:ああ、いいんじゃない。一番楽しいところ。
土田:一番楽しいことだけやって、いつまで経っても曲できないよね(笑)ライブしないしね。
ヨギ:でもグッズ先行、いいと思います。
藤井:いいよね絶対。一番最初にやることはもう、Tシャツだな。
土田:すぐできるよ。
藤井:練習のときはそのTシャツを着てくる、そういう縛りを。
土田:縛りなんだ(笑)。
藤井:縛り大事だから。
——今からだったら、どういう形にでもできますからね。
藤井:そうだねえ。
土田:決まってないからね今、だって。
藤井:MTTBって書いて、マタタビって呼ばせたいんでしょ。
土田:読めるよねっていう。そっちの方がキャッチーだから。マタタビと、My Tripと、意味も被ってるじゃん、不思議と。
ヨギ:トリップしちゃうっていう。
藤井:中毒性がある曲にしたいね。
土田:「股旅」という意味でも合ってる。まずベルナルの説明が必要だね。
土田:まあ、そこら辺の具体的な目標地点があるところは、TripDaysとの大きな違いだよね。
一同:(笑)。
藤井:こないだ流したな、2畳半(『2畳半レコード・オン・ラヂオ』)で。
土田:トリップ縛りが発生したときには、一回交差せざるを得ない存在だから。
ヨギ:一言入れておいた方がいいかもしれないですね。
——断りを入れないとダメですね(笑)。
藤井:関係なくね?(笑)トリップってそんな権利発生するの?(笑)
土田:まあ一応こっちが後になるから、筋は通しておこうと。
藤井:そんな?(笑)筋を通すバンドなんだね。
土田:筋は通す。やっぱ大人じゃん?
ヨギ:そういう背中見せてった方がいいですか。
土田:いやいや背中見せるなんて、そんな、恐れ多いです。今一番下っ端だから(笑)。
藤井:地元のバンドと対バンして、お客さんを奪っていくっていう、そこからやらないといけない。
一同:(笑)。
ヨギ:ギラついてますね(笑)。
藤井:一人でも多く奪って、一人でも多く物販を買ってもらう。
ヨギ:僕、客席歩いてアンケートちゃんと取りますよ。
土田:あー懐かしい! 今やんないよね。
藤井:そうだね、ライブの前にコピーしに行ってね。
土田:いつからそういうの無くなったんだろう?
ヨギ:アンケート、みんなもお客さんもそういうのに全然触れてないから、逆に新しいかも。
藤井:確かに。紙でやったらいいかも。今SNSでやっちゃうからね、みんなね。
土田:うん。……全然経緯の話してない(笑)。
芋煮会で組んだようなもんだ
——でもスタートはここのお二人(土田・藤井)だったってことですもんね。
土田:もともと二人で「何かしよう」って言ってたんだよね。で、俺はドラムやれって言われてて。
藤井:そうそうそうそう。
土田:全然練習できなくて。
藤井:「ドラムできねえな」って判断した時点でヨギくんが呼ばれたんだよ。
ヨギ:たぶんでも、どっかでそれも交差したんですよ。俺、土田さんに色々バンドのことで相談とかもしてて……芋煮会(「風とロック芋煮会2023」)の後かな。で、藤井さんにも「僕を使ってください」「いつでもやるので」っていう話をしてたんですよね。って土田さんに話したら「それだよ!!」みたいな感じになって。
藤井:ひらめくときあるよね(笑)。
ヨギ:「今ちょうどそういう話しててさ、やろうよ」みたいな感じで。
土田:そうだ。どうやっても俺がドラムできないから、ヨギくん一緒にやろうよ、みたいな流れだった。芋煮会のときだわ、去年の。
藤井:じゃあ芋煮会で組んだようなもんだ。3人いたんだもん。
土田:3人居合わせたタイミングが芋煮会と西会津しかないってどういうことなんだよっていう(笑)。
——(笑)じゃあ今日が3回目ですか。
ヨギ:3人こうやってっていうのはね。
土田:ちゃんとバンドとして登場するのは初めてじゃない?
一同:(笑)。
——そりゃまあ(笑)。
藤井:合わせたことないからね。
土田:イメージ先行だから。
——芋煮会って、確か9月ごろだったじゃないですか。
土田:去年の9月。だから秀吉BANDがもう解散するってことが決まってて、それをあの場で……色々お世話になった人が集まる場所だから、言うか言わないか、みたいなことでいろいろ話してたんだよ。
ヨギ:でもイベントの雰囲気見てたらば、「今年の芋煮会のときにはもう、藤井さんにしか言えないな」と思って、一番最初に言ったの。
藤井:秀吉くんにも解散ライブのMCで(言われた)、なんか「ヨギをよろしくお願いします」みたいなことを(笑)。
ヨギ:(笑)言ってましたね。
土田:あれ、ネタバレされたの?
ヨギ:いや、何も俺は話してないですよ。
土田:どういう意味だろうと思って。
藤井:多分、俺がライブでヨギくんを呼び込みすぎたのか……よく一緒にやってくれてたからさ。
土田:そっか、そういう意味なら。「何か知っててこいつネタバレしやがったか」と思ってヒヤヒヤしたよ。あんなクライマックスの盛り上がってるところでさ(笑)。
一同:(笑)。
ヨギ:でも逆にあれを言われちゃったから、(MTTBを)発表したときに「あ、やっぱりな」ってもう絶対なっちゃうじゃないですか!(笑)
藤井:(笑)そうだね。
ヨギ:「クソ!」って思いましたね(笑)。
土田:すごいな、伝わってないのにあれ言ったんだ。
ヨギ:まあ、絶対バンドの音的には予想外なところから来るから、大丈夫だと思うんですけどね。
土田:うんうん、そっかそっか。
やろうと思ってないわけじゃない
——最初は9月で、その後の西会津が……今年に入ってからですよね。
ヨギ:そうだね。
土田:2月かな。
——結構長いこと煮込んでいましたね。半年くらい……もうちょっとありますか。
藤井:やっと具体的になってきたなっていう感じ。
土田:それまでヨギくんも入れて3人で「何かやろうぜ」って話はしてたけど、具体的に何かやるっていうのは……実は無いまま。
「とりあえずスタジオ入ってみっか」なんて話もするけど、実際スタジオも取らずに(笑)。ただその西会津の雪国まつりのブッキングを俺がやってたもんだから、「あ、もうみんな集めちゃおう」と思って、合法的に(笑)全員集めるっていう。
で、そのときにさっきの「ベルナル」のバンド名の話がバーッて出てきて、なんとなく「やろうぜ」みたいなノリになってたけど、そこからまた間が空いて……本日に至っておりますけど。
——なかなか揃えようと思っても、揃わないですよね。お忙しいから。
ヨギ:いや! やろうと思えば。
土田:やろうと思ってないわけじゃないんだよ?(笑)
——そうなんですね?(笑)
土田:めちゃめちゃやろうとしてるんだけど。
藤井:俺的には初めて、地元にしかいない人とバンドをやる。俺は本当に遠距離でしかやったことないから、それは一番動きやすいんじゃないかなって思ってるけどね。
土田:そうか。そりゃそうだよね。
ヨギ:曲作りとかって、スタジオで3人で集まって何か生み出すよりかは、例えば藤井さん家とか、はたまた誰かん家で軽くこう、飲みながら聴きながら「おーこれいいね」みたいな感じの方が……どっちがいいですか?
藤井:俺、結構全部作っちゃって、形にして聴かせてみんなで詰めるっていうのが多いんだけど、(MTTBは)ジャムって作った方がいいと思う。
ヨギ:なるほど。
藤井:で、家とかじゃなくて、ちゃんと音出した方がいいと思う、でかい音。その方が作りやすいと思う。
土田:なんせチューニングはドロップCだからね。
藤井:それもう決めてるのね。
一同:(笑)。
——もう今これ、言質が(笑)。
土田:まあ、試したい。
藤井:「ドロップCしか弾かない男」として君臨するのね。
土田:したいね、一回はしたいね。
藤井:ここ(藤井&ヨギ)で飾り付けしないといけないってことだから。土田さんを格好良く見せるっていうテーマを。
——なるほど。
土田:そうなの!?
藤井:ちゃんと責任持ってよ。……結構プレッシャーが……(笑)。
土田:そんな話、いま初めて聞いてますからね。
ヨギ:土田さんが頑張らなくても格好良く見せられるがどうかっすよね、僕らは。
土田:ほら、難しいことできないから、そもそも。
藤井:ってことだよね。最小限の……。
土田:(笑)最小限のカロリーで……。
藤井:最小限のカロリーで、ボーカルだけ頑張ってシャウト系を習得してくれれば。
土田:意識が飛びそうだな。シャウトっていっても色々ありますからね。
藤井:で、土田さん映像も撮れるからかっこいいね。ミュージックビデオも。
——ああ、いいですね。
土田:俺、やりながら撮るの!?
一同:(笑)。
土田:そこはさ~、ながいせんせとかにお願いしたらいいじゃん~。
ヨギ:逆に見てみたくないですか? ボーカル自らカメラ回して、自撮りしながらのミュージックビデオ。
藤井:そうそうそう。……どんどん憂鬱な顔になっていく(笑)。
土田:おかしい。こんな流れじゃなかったはずなのに。