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【後編】変わらない気持ちで、新しいステージへ。『日向公園 / 初恋』リリース記念メンバー鼎談

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同じ歌詞でも響き方が違ってくる

ながいせんせ 3人それぞれに気に入っている自分のパート……手ごたえのあるアレンジとか、やってる時にここが楽しい、みたいなのはある?

ふっしー ドラムは、あれだね。(『日向公園』では)いったん間奏があって、そこからちょっとフロアタムを(「まだ まだ」の部分)ちょっと速くして。

じゅんじゅわ はいはいはい。「来るよ来るよ」感がね。

ふっしー あそこはちょっとこだわった。あと、やっぱラストの……解放。

じゅんじゅわ (笑)。

ふっしー (笑)解放ゾーン。

じゅんじゅわ あそこのためにあるような曲ですからね。

ふっしー あそこの部分がめっちゃ好きなんだよな。

じゅんじゅわ あれまでの我慢みたいなところあるからな。
 僕はですね、『日向公園』に関してはやっぱ、イントロとか間奏に出てくる、コードっぽいフレーズというか。「チャン、チャン、チャン……」みたいな。結構、あれができて作り始めたみたいなとこあるから。このフレーズができて、なんとなくサビとかのメロの感じができて、みたいな流れで作ったから。
 ギターをなんとなく鳴らしてるときに「チャン、チャン……待って、ここ、ここもしかして……」みたいなところで、手探りで作っていった感じで。「待ってこれ誰かやってないよね?」って(笑)色々調べながら。「パクってるかもしれないから」って思いながらやって。探り探りで作ったフレーズ。結構いいのができたなっていう自信はありまして。
 っていうのと、『初恋』に関しては結構、フレーズももちろんあるけど、全体的にやっぱコードワークがめちゃめちゃこだわった。一番のこだわりは、最初に出てくるBメロと、2回目に出てくるBメロのコードが違う。「コードが違うとこんなに聞こえ方違うんや」っていう。最初のAメロは、「不安でいっぱいで」とか言ってるけど、なんかちょっと明るい方向に向かっていくコードなのよ。ちょっと上がっていくみたいな。

ふっしー 確かに。

じゅんじゅわ でも2番のBは、マイナーが続くような、マイナーに戻っていくコードで。だからあんまり解決していかない。

ふっしー はいはいはい。

じゅんじゅわ 最後もマイナーで終わるから、サビに行く前のコードも。だからその響き方の違い、同じ歌詞でも響き方が違ってくるっていうのを発見して。っていうところはこだわりましたね。

冬から春に変わる、3月末みたいなイメージ

ながいせんせ ベースで言うと、『日向公園』は、間奏。

じゅんじゅわ はいはいはい。

ながいせんせ あの3連符というか。あれスタジオに持ってきた時、直されるかなと思ったの。

じゅんじゅわ いや、でも普通に「いいの作ってきたね」っていう感じでしたね。

ふっしー うんうん、だよね。

ながいせんせ ちょっとチャレンジというか。

じゅんじゅわ ながいせんせのすごいところというか……俺、結構デモ、何も言わずにポンって投げるじゃん。俺の中ではここは結構ベースは動きしろだっていうところがなんとなくあって、あえて抜いてるところがあったりするんだけど、そこしっかり動いてくる。『日向公園』も結構、間奏のところはギターのコード感と、あとベースどうしようかなって思ったけど、「勝手にいろいろごちゃごちゃ入れるよりルートで投げた方が早いか」と思って、ルートで作って投げたら、作ってきてくれてたから。

ながいせんせ 本当はもっとフレーズっぽいのを持ってこようと思ったんだけど、「うるせえな?」ってなって(笑)リズムでアプローチした方がいいかなって。K-POPの曲が元ネタなんだけど。

じゅんじゅわ そうね、あそこは結構ギターのコード感もこだわっているから、そこを殺さないでいてくれるフレーズっていうのは。

ながいせんせ まあ難しいけどねえ。

じゅんじゅわ なかなかね。ベースはバランスがね、目立ちすぎてもみたいなところもあるし。

ながいせんせ 『初恋』は、イントロのフレーズかなあ。

じゅんじゅわ ああ〜、イントロね。だからそこも「ながいせんせえ、頼んだぞ」と思って投げたとこだから。

ながいせんせ (『日向公園』とは対照的に)ここは逆にフレーズの攻めだよね。

じゅんじゅわ うん。てかギターもコード鳴らしながらちょっとだけフレーズ感を出してて、そこになんとなく合わせてくれてるというか。ギターのコードでやっているフレーズ感を、ベースがもうちょい出してメロっぽくしてくれてるみたいなところがいいですよね。

ながいせんせ ふっしー、『初恋』はどう?

ふっしー 意外とzanpanのアップテンポの曲って、主に8ビートだから……でもあの間奏の。

じゅんじゅわ あそこ、中間からドラムが入ってくるところ、かっこいいですよね。あそこだけめちゃめちゃロックになるみたいな雰囲気が、僕は好きですけど。

ながいせんせ 『初恋』は、ライブやりながら気づいていったんだけど、『めんどくさい』とかみたいな「バチコーン!」っていうのだけじゃなくて、ちょっとこう酸味というか、センチな感じが入ってるのが、多分今までと違うところ。

じゅんじゅわ そうですね。アップテンポだけど切なさを含んでいるというか。『初恋』に関しては結構、意識したのは「季節感」みたいなところ。冬から春に変わる、3月末みたいなイメージで作って。
 俺の中で一番この季節感ってなんか思ったのが、2番のBメロの最後の方、「3月の風が」ってとこでベースがちょっと切ない動きをして、だんだん締まっていって、静かなサビにくるみたいな。そこがちょっと季節感を意識したというか、マイナーコードで締めて……切なさを表現したいなっていう感じはありましたねえ。

こっからの曲たちは、飽きない感じに

ながいせんせ 最後にじゃあ……次回作の話とかしとく?(笑)

じゅんじゅわ (笑)まあ締める感じでね。
 次回作、ちょっとみんなにはまだ聴かせてないんですけど、作った曲はあったりして。さっきも話したけど、ちょっと自分の軸から外れた曲を作りたいっていう気持ちがあり、結構「これやったことないよね」みたいなところを攻めていきたいっていう。だから逆に言えば、こっからの曲たちは、飽きない感じにはなるとは思う。

 ただあの、よくある「あのバンド、変わっちゃったなあ……」みたいな現象に、なるかもしれませんけども(笑)いや、それは気をつけてはいるけど。歌詞とかに関してはもうずっと同じこと書いてるだけだから、変わってないっていうのはあるけど。音楽的なところはね、結局ミーハーだから。結局J-POPが大好きだし、多分どっちにしろ聴きやすいものにはなってるはず。
「なんじゃこれ」みたいな、「急に叫び出したぞ」みたいな感じにはならないはずなんで(笑)。「急にこいつ……なんか……定規でパチパチしだしたぞ」みたいな、「この音よくね?」みたいな(笑)こと言い始めるみたいな……「なんか飲み物をゴキュゴキュするこのゴキュゴキュ入れね?」みたいな(笑)ところにはいかないはずなんで。
 あくまでキャッチーなポップスっていうところからは、ずれずに。でもなんかちょっと今まで作ってないような曲も作っていきたいと思っております。

ながいせんせ かしこまりました。じゃあ、明日頑張りましょう!

ふっしー はい!

じゅんじゅわ お願いいたします。

ながいせんせ 以上でございます。


zanpan(ざんぱん)
2013年11月、4名で結成。2019年からスリーピースとして活動。
結成10周年を迎えた2023年には、セルフタイトルのセカンドフルアルバム『zanpan』リリース、発売記念ワンマン「微熱を纏ったまま」開催など精力的に活動。
2024年最初の作品として、配信限定シングル『日向公園 / 初恋』をリリース。
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じゅんじゅわ (Vocal & Guitar)
1994年5月10日生まれ。福島県出身。
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ながいせんせ (Bass & Chorus)
1994年10月9日生まれ。福島県出身。
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ふっしー (Drums)
1995年8月16日生まれ。福島県出身。
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