北風と太陽 〜新参者 日向坂4期生〜
「新参者」
「新参者」日向坂4期生の全10公演が終わりました。
私が日向坂46と出会ったのは2022年12月、松田好花推しです。同年9月に加入が発表された4期生よりも新参者のファンです。
推しが一切出ないと初めから分かっているライブを観るのは初めてでした。正直なところもともと4期生には大して興味が無かった(失礼)ので配信で視聴することにしました。
しかし、2公演を配信で見届け、4期生のアツすぎる程の温かさ、勢いに圧倒されました。持てる全てを発揮した4期生の姿を目の当たりにしてこれからの日向坂46が楽しみになりましたし、このライブを観ることが出来て本当に良かったと感じています。
行こうと思えば現地に行けた日程でしたからチケットの申し込みをしなかったこと、今ではかなり後悔しています。
「ハッピーオーラ」
前述の通り私自身も新参者ですので当然のように2022年までの「日向坂らしさ」は分かりません。様々なところで言及されてきたグループのアイデンティティとも言える「ハッピーオーラ」という言葉についても正直ピンと来ていませんでした。
そんな中、4期生は目標とした「一体感」と共に「ハッピーオーラ」をキーワードにこのライブに臨んできました。
日向坂46の原点を意識させることで日向坂46の一員としてファンに認めてもらう狙いもあったのかもしれないなと思います。
当初は硬さも感じるメンバーも複数居たものの、ライブを通して全力で駆け抜けた彼女たちは本当に良い表情をしていました。曲の力も借りて笑顔でステージ立つ4期生を観て、私を含む多くのファンが笑顔になれたと思います。
特に山下葉留花は「ハッピーオーラ」という言葉は彼女のためにあるのかもしれない、と思わせるほどの笑顔を終始見せてくれました。膝の故障を抱えながらのステージになりましたが彼女は常に自然な笑顔を見せていました。その笑顔は「楽しそう」を少し超えて「幸せそう」に見えます。そして、常に笑顔でいるにもかかわらず、笑おうとしている感じが全くなく、まっすぐに幸せを届けてくれる存在だと感じました。
また、私が好きな振り付け(?)に上の写真のようにメンバー同士が向き合うシーンがあります。ライブ中、仲間の顔を見て、より一層の笑顔で各々のポジションに散って行くシーンが印象的でした。『ドレミソラシド』の冒頭ではセンターを務める正源司陽子が変顔をして緊張を和らげていたというエピソードもありました。不安を抱えながらのパフォーマンスだった相まって仲間の存在はそれぞれのメンバーにとって大きな拠り所となったんだろうなと思います。
結局、これがいわゆる日向坂らしさなんだと思いました。
1ファンとしてはメンバーが幸せそうな姿を見ることが1番の幸せです。当たり前のことかもしれませんがこれを曲として表現出来るのは日向坂だけだと思います。
かっこよさや大人な魅力も良いですがみんなが幸せになれる、という1点は意地でも貫いて欲しいです。
そして、「世界中にハッピーオーラを届けたい」と宣言してくれた丹生明里が離脱している今、先輩たちが過去に置いてきてしまった感もあるハッピーオーラを4期生が再び拾い上げたことでグループ全体としてもまた何か動き出すのではないかとこれからが楽しみです。
「勝ちに行く」
加入以降、日向坂4期生は3坂道で唯一表題曲に入れていません。本人たちも幾度となく吐露したように様々な不安と闘いながらのステージになったはずです。
そんな状況下で、藤嶌果歩が「ラストチャンス」という言葉を使ったように彼女たちは並々ならぬ決意のもとに短期間で22曲(うち4期生曲は4曲)を仕上げて来ました。
技術、経験で偉大な先輩たちに劣ることは素人目にも明らかでしたが会場のみならず、配信の視聴者も巻き込む勢い、一体感は先輩たちを凌ぐのではないかと感じました。
その姿をかつての1期生と重ねるファンも多くいましたがまさに彼女たちは「勝ちに行く」姿勢を見せ、見事に勝ったように思います。
また、この期間を通して、リーダーとしてダンスに円陣の声出しにチームを引っ張った清水理央、『見たことない魔物』で最高の盛り上がりを演出し、主役は自分だ!と言わんばかりの活躍を見せた藤嶌果歩の2人は今回特に大きな存在感を示すようになったと思います。
12人で
全国ツアーに引き続き岸帆夏がステージに立つことは叶いませんでしたがステージに立った11人は最後まで彼女も含めた12人ということを強調し続けました。岸帆夏本人にはとてつもなく大きな壁が出来てしまったように感じるかもしれませんがちょっと遠回りして、ゆっくり登ればいいと思います。4期生は誰かが寄り添う、と言うよりも全員が背中を押してくれる温かさがあるように感じます。
私はいつでも、いつまででも待ち続けたいと思います。
「4期生」から「日向坂46」へ
新参者10公演という高い壁を乗り越えた4期生ですが、小西夏菜実も触れているようにここがゴールではありません。2024年から4期生はどんな形であれ表題曲に入るメンバーが出てくるでしょう。これからは「日向坂46の4期生」だけでなく「日向坂46」としての活動が増えてきます。
プレッシャーも大きいでしょうしパフォーマンス力、特に歌唱面ではまだまだ課題も残ります。しかし、今最も「日向坂らしさ」を感じさせるのは4期生だと思います。
松田好花がラジオで「外から見た日向坂」と表現した4期生ですが、ちょっと大人になった先輩たちに学びながらも、引っ張るくらいの気持ちで頑張って欲しいと思います。
私は4期生がこれからの日向坂46を1歩前に進ませてくれると信じています。「新参者」日向坂46 4期生公演はそう信じさせてくれるライブでした。
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