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エイプリル・フールに乳がん告知を受けた話②
生検結果
1週間前に生検を受けた右胸には、ガーゼが貼られていて、先生に取ってもらったら部分的に黄緑色になっていた。痛みはない。
差し出された「病理組織検査報告書」には、英語で「Invasive carcinoma」と記載があり、先生が赤字で「浸潤癌」と書き入れる。
当然だけれど、やっぱり結果は変わらないんだな……と、視界がぼやけてきた。
乳管の中にあったがんが外に飛び出したものが「浸潤癌」。それが、今、身体の中にある。
「悪性」と記載されている所見を言葉なく見つめていると、先生が「こんなもんだよ?」とモノサシで大きさを示し、励ましてくれる。
手術は連携している病院で先生がやってくれるそうで、その前にCTとMRIの予約を取るよう指示を受けた。
CT・MRI検査
翌週、主治医の先生からの紹介状を持って、連携した病院の外科へ。
「閉所恐怖症はありますか?」と聞かれ、「ちょっと」と答えたら、もしもの時のためのブザーを渡され、うつぶせでMRIの中に入る。
ガガガー! ピー!!! トントントン!!!
という音に包まれていると
昔はいろんなクラブ・イベントで小さなスペースがあったなーと思い出す。
インダストリアル・テクノを聴いているのだと思えば、そんなに苦痛でもなく、10分程度の検査終了。
CTは「あったかくなりますよー」と言われた通り、
腕につけられた注射器から造影剤を入れられた途端、上半身にお湯を注がれたような熱さを感じ、「わわわ! 焼ける!」と動揺しているうちに終了。
この日は検査したのみで、手術の日程については、後日確定。
GW前に入院・手術し、GW中は療養できるようなスケジュールが取れたのでよかった。手術時に脇のリンパの生検をして、リンパに転移していなければ、早めに退院できるとのこと。
入院に向けての書類等をもらい、「同意書」という言葉の連続にひるむ。人生初めての入院が、がんの手術になるとは。
とはいえ、4/1の告知を受けてから月内に手術できるというスピード感は、ラッキーではある。広がらないよう、少しでも早く取り除きたい。
CT・MRI検査結果
そして主治医の先生のところに入院前の説明を聞きに行ったら、予想外の展開が起きた。
CT・MRIの検査結果を見ながら
「……もっとあった……」
と、厳しい顔の先生に、右胸の外側上から扇状に色が広がっている画像を見せられる。
「え? もっと???」
「乳管・小葉の中にもがんがあるんだよね……。もっと広い範囲を切除しなくちゃいけない」
部分切除の覚悟はしていたけれど、ほかにもがんがあったことと、
胸を切る範囲が大きくなることは激しくショックで、かなり動揺し
「何で今までわからなかったんですか!」と先生を責めた。
しかし、エコー画像を改めて見せてもらっても、そんな存在は映っておらず
「CTでないとわからないもので、放射線の被爆があるから、
しょっちゅうできるものではないんだよね……」
と静かに、乳房の図を描きながら説明してくれた。
今回見つかったのは「非浸潤がん」というもので、乳管・小葉の中にとどまっているけれど、切除しないといけないものだった。
ただ、「ステージ○」と呼ばれるものではなく、
初期の段階で見つかったことは幸運とも言える。
とはいえ、なかなか現実を受け入れるのはきつかった。