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【読書前ガイドvo.1】ポアロのクリスマス/アガサ・クリスティー

皆さま、こんにちは。 らふです♪
クリスマスが終わってしまったのですが、、、
クリスマスに関連したミステリ作品のご紹介です。

今日の記事は、私の大好きなアガサ・クリスティー作品についての記事です。
私はブログでもアガサ・クリスティーの作品の記事を投稿している(現在執筆中です!)のですが、noteではネタバレなしの「読書前ガイド」を作成していきます!


「読書前ガイド」とは?

アガサ・クリスティーをはじめとした海外の文学作品を読むときに私はいつも以下の点でつまずきます。

★登場人物がわからなくなる(カタカナ多くてわからなーい!)
★物語の背景の様子(時代背景など)がわかりづらくて内容が入ってこない

これらをコツコツ整理して読むのも読書の醍醐味だとは思うのですが、、、

以前知り合いに「海外のミステリって読む?」って聞いた時に「登場人物カタカナばかりだし、なんかよく分かんないからあんまり読まない!」って言われたことがありました。

わかる〜とも思いつつ、海外ミステリ面白いのにもったいないな〜とも思いました。
私はその時アガサ・クリスティのある作品を薦めようと思ったのですが、飲み込みました(笑)

その時に「すんなり読書に入れるような方法ってないのかな?」と思いました。
じゃあ自分で作ってみようか!と思い、この記事の作成に至りました。
基本的にネタバレはなしで、作品を読みやすくする「ガイド」としての役割を果たせればなと思っています。

素敵な作品が世の中にどんどん広まりますようにという思いを込めて。
あ、あと自分の中でも作品の魅力を整理する意味も込めて、、、(笑)

【注意!】読書前ガイドを読んでいただくにあたって

今回私はクリスティ作品をはじめとした海外作品を楽しむことができるようにという目的でこの「読書前ガイド」というものを作成しました。

「読書前」と書いている以上ネタバレはしないように心がけております。
ただし、「ガイド」ということになりますので、作品を案内する上で中身の部分に触れていることがあります。

全くのまっさらな状態で作品を楽しみたい方はここから先は読まないことをおすすめします。

ご自身の判断でお楽しみいただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。

『ポアロのクリスマス』について

刊行年:1939年
シリーズ:ポアロ

あらすじ

聖夜に惨劇が! 一族が再会した富豪の屋敷で、偏屈な老当主リーの死体が発見される。部屋のドアは中から施錠され、窓も閉じているのに、犯人はどうやって侵入したのか? 休暇返上で捜査にあたるポアロは被害者の性格に事件の鍵が隠されていると考えるが……クリスマス的趣向に満ちた注目作。

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登場人物の紹介

★一覧★  (見やすくなるようなプチ情報も書いてみました)

シメオン・リー … ゴーストン館の主人

アルフレッド・リー … シメオンの長男
リディア・リー … アルフレッドの妻(*シメオンお気に入り?だけどリディアは勘弁してほしい、、、)

ジョージ・リー … アルフレッドの弟、国会議員
マグダリーン・リー … ジョージの妻

デヴィッド・リー … アルフレッドの弟、画家
ヒルダ・リー … デヴィッドの妻

ハリー・リー … アルフレッドの弟(*放蕩息子。しばらく家族には顔を見せていない)

ピラール・エストラバドス … シメオンの孫(*この人って、、、?)
スティーブン・ファー … シメオンの旧友の息子
シドニー・ホーベリー … シメオンの付添従僕
エドワード・トレッシリアン … ゴーストン館の執事

ジョンスン … 大佐。ミドルシャー州の警察部長
サグデン … 警視

エルキュール・ポアロ … 私立探偵

この中に犯人はいる、、、!

意外にもアガサ・クリスティー作品初心者にはピッタリの作品

この作品はクリスティ作品の中でも、とても読みやすい方の作品だと思っています。

タイトルに「ポアロ」って入ってますので、ポアロ作品っていうのも一発でわかりますし(笑)
この「ポアロの〜」というのが入っているだけで少しポップな感じもして、とっつきやすい印象になっているのではないかと思います。

クリスティ作品初心者の方に「どれから読むのがおすすめか?」と聞かれたら有名な「ABC殺人事件」だったり「オリエント急行殺人事件」などの他に、私はこの作品をおすすめできるなと思っています。

読みやすいポイントは以下の点だと考えます。
・登場人物があまり複雑ではない
・舞台が基本的に屋敷の中のみ
・家族構成がわかりやすい
・外部の人間もそこまで多くない

私はクリスティ作品の1番の魅力は「人間ドラマ」だと思っています。
その魅力をどんどん深掘りしたいという思いから、ブログも始めました。

ただそういった点でいうと、この「ポアロのクリスマス」という作品はその「人間ドラマ」という部分は少し薄いと感じられるかもしれません。

しかし、私は最初はこのような作品から入った方がクリスティ作品は大いに楽しめると思っています。
海外作品にスッと入っていけない要因として、「登場人物を整理できない」ということを挙げたのですが、これにさらに人間模様が複雑化しているものをチョイスしてしまうと「もうわからーん!」ってなるんですね。

だから、最初の1作品目に何を読むのかって結構重要なんです。

先ほど少しご紹介した「ABC殺人事件」なんかも割と人間模様はわかりやすい作品と言えると思います。
ちなみに私は書籍として初めに触れたクリスティ作品はこの「ABC殺人事件」です。
当時は児童書バージョンでしたので多少わかりやすくなっていた部分もありましたが、読みやすいのでおすすめです♪

クリスティの“最も脂の乗った“時期の作品

この「ポアロのクリスマス」という作品は1938年に発表されたのですが、この時期はクリスティ作品の中でも有名どころが揃っています。
例えば「ABC殺人事件」(1937年発表)、「ナイルに死す」(1937年発表)など、、、
クリスティ作品に馴染みのない方でも知っているタイトルが並びます。

この「ポアロのクリスマス」が発表された翌年1939年には「そして誰もいなくなった」という傑作が世に出ました。
他にもクリスティ作品のファンやミステリファンの間では人気の高い有名な作品もこの時期に発表されており、ファンの中ではまさに“最も脂の乗った時期“と言われています。

“クリスマス“と書いてはありますが、、、

この作品のタイトルは「ポアロのクリスマス」なのですが、、、
最初に言ってしまいますが、正直クリスマスっぽくないです!(笑)
クリスマスのようなロマンチックで、、、みたいな要素は「ほぼない」と思ってください。

この小説は目次のさらに前の部分にクリスティからのメッセージが書かれています。
いわゆる「献辞」ですね。

献辞とは
著者や発行者が、本を人に贈るときに書く言葉。著者が恩人・助言者などへの感謝・敬意を表すために書く言葉。

goo辞書


クリスティ作品には多くの作品でこの「献辞」が見られます。
そこでクリスティは以下のように書いています。

あなたは最近私の書く殺人が、あまりに洗練されすぎてきたーつまり、貧血症的になってきた。という不満を述べられました。そして「もっと血にまみれた、思いきり兇暴な殺人」を求められました。(省略)そこで、こんど書いたのが、この物語です。


「ポアロのクリスマス」より      

これはジェームスという人物に当てられたもので、「あなたの親愛な義妹 アガサより」と書いてあることから義理のお兄さんへの献辞だと思われます。
義理のお兄さんから「もっと血みどろの殺人事件を書いてほしい」というリクエストされたんですね。

そんなリクエストを受けてその通りのものをサラッと書いてしまうのもクリスティのすごいところ。
読んでいただけたらわかると思いますが、義理のお兄さんのリクエスト通りの作品になっています(笑)

色々なクリスティ関連の著書にも書かれていますが、このような「聖夜の惨劇!」的な作品は実はクリスティ作品の中では珍しいようです。

本作品キーワード

ネタバレしない程度に本作のキーワードをご紹介します。
ズバリ、、、「密室」です。

実はクリスティ作品ではミステリーでよく書かれる「密室」というものが意外と少ないんですね。
これはクリスティ関連図書の「アガサ・クリスティーの99の謎」(早川書房)でも書かれています。

このクリスティ作品にとっては珍しい設定が「事件の真相」にどのように関わるのかということに注目しながら読むといいと思います。

被害者は嫌われ者

あらすじにも「偏屈な老当主リー」と書かれている通り、この事件の被害者であるシメオン・リーは典型的な「嫌なやつ」です。

その嫌な当主が家族を屋敷に呼び寄せて遺産のことをちらつかせて、家族の雰囲気をさらに嫌〜な雰囲気にするんですよ。
読んでて「クリスマスにこんな場所にはいたくないわ!」を思いました。
このようなわかりやすい嫌われ者が被害者であるというところもポイントですね。

いざ!クリスティの世界へ!

簡単ではありますが「ポアロのクリスマス」についての「読書前ガイド」を書いてみました!

ネタバレはできないので、あまり中身のことまで突っ込んで書けなかったのでわかりづらかったかもしれませんが、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです♪

2023年も残りわずかですね。
たまにはクリスティ作品をじっくり読んでみるのはいかがでしょうか?
この記事を読んで少しでもクリスティ作品に興味を持っていただけたら嬉しいです!

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