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【遊戯王OCG】いまこそデーモンと向き合いたい

 遊戯王OCGには「デーモン」というカテゴリが存在する。
 カテゴリ内のモンスターの初出はOCGの誕生と同時の「Vol.1」であり、また《デーモンの召喚》といった原作出身の有名モンスターも抱えはするが、そのカテゴリ化は3期の「闇魔界の脅威」まで待つこととなる、そんなカテゴリである。
 この記事では、そんなデーモンというカテゴリの惨状現状を確認すべく、「デーモンに何ができるのか」「デーモン関連カードにはどういうものがあるか」を列挙していきたい。

 当初はここに自己紹介を兼ねた遊戯王遍歴を書いていたものの、あからさまについでで乗せる文章量ではなくなったため、分離した個別記事のリンクも載せておく。読まなくていいです


1.デーモンをサポートするカード

 まずはシンプルに「デーモン」という名称をサポートするカード群を列挙していく。ここを詳らかにすれば「一体【デーモン】に何ができるのか」が見えてくる可能性がある。
 以降全編に渡って、種族/属性の記述がない場合は「闇属性/悪魔族」であるものとし、また文中に登場するデーモンカードについては「デーモン」名称を略した《》表記で表すこともあるものとする。
※「レッド・デーモン」のサポートカードは「デーモン」をサポートするカードではないためここでは扱わない。

a.デーモン名称を持つデーモンサポート

 まずは「デーモンに関連するメリット効果を持つ」かつ「自身がデーモンである」カードから。

・《ヘルポーンデーモン》(レベル2/地属性
条件:自身がフィールドにいる場合(永続効果)
効果:相手は《ヘルポーンデーモン》以外のデーモンを攻撃対象にできなくなる

・《トリック・デーモン》(レベル3)
条件:自身が戦闘破壊or効果で墓地へ送られた場合※名称ターン1
効果:同名以外のデーモンのサーチ

・《ダークビショップデーモン》(レベル3/水属性
条件:自分フィールドのデーモンモンスターが相手の効果の対象になった際の効果処理時(永続効果)
効果:サイコロを振り1・3・6のいずれかが出た場合にその効果を無効にして破壊

・《インフェルノクインデーモン》(レベル4/炎属性
条件:自信がフィールドに存在する場合のお互いのスタンバイフェイズに発動(誘発効果)
効果:デーモンカード1体の攻撃力をエンドフェイズまで1000アップ

・《デーモンの騎兵》(レベル4)
条件:フィールドにいる自身が効果で破壊され墓地へ送られた場合
効果:同名以外のデーモンの蘇生(このターン攻撃不可)

・《デーモンの巨神》(レベル6)
条件:自身が効果で破壊され墓地へ送られた場合
効果:手札からのデーモンの特殊召喚

・《デーモンの将星》(レベル6)
条件1:自分フィールドにデーモンカードがある※名称ターン1
効果1:手札から自身を特殊召喚し、その後自分フィールドのデーモンカードを破壊
条件3:自身のアドバンス召喚に成功した時
効果3:自身の墓地のレベル6のデーモンを守備表示で蘇生

・《戦慄の凶皇-ジェネシス・デーモン》(レベル8)
条件:手札か墓地のデーモンカードを除外※起動効果/名称ターン1
効果:フィールドのカードを対象にとって破壊

・《伏魔殿デーモンパレス-悪魔の迷宮-》(フィールド魔法)
条件:レベルを持つ自分フィールドのデーモンを対象に取る※名称ターン1
効果:そのデーモン以外の自分フィールドの悪魔族を選んで除外し、手札・デッキ・墓地のいずれかからそのデーモンと同じレベルを持つデーモンを特殊召喚

・《デーモンの雄叫び》(通常罠)
条件:500LPを払う
効果:デーモン1枚の対象を取らない蘇生(リリース不可、エンドフェイズに自壊)

b.デーモン名称を持たないデーモンサポート

 続いて「デーモンに関連するメリット効果を持つ」かつ「自身はデーモンではない」カード。こちらはあまり数が少ない。

・《熟練の赤魔術士》(レベル4/魔法使い族
条件:魔力カウンターが3つ載っている自身をリリース
効果:手札・デッキ・墓地のいずれかからデーモンを特殊召喚

・《万魔殿パンディモニウム-悪魔の巣窟-》(フィールド魔法)
条件1:なし
効果1:デーモンモンスターがスタンバイフェイズに払うライフコストを払わなくてよくなる
条件2:レベルを持つ自分フィールドのデーモンモンスターが戦闘以外で破壊され墓地へ送られた
効果2:そのデーモンのレベル未満のデーモンモンスターをサーチ

・《堕落フォーリン・ダウン》(装備魔法)
条件:自分フィールドにデーモンカードがない場合《堕落》が自壊する/相手スタンバイフェイズ毎に自分は800ダメージ
効果:装備した相手モンスターのコントロール奪取

c.その他デーモンに関連するカード&特定のデーモンを名指しでサポートするカード

 次は「デーモンに関連する何らかの効果や条件を持つ」カードと、「特定のデーモン名称モンスターを名指しで指定する」カード。ろくなカードがない

◆デーモンに関連するカード

・《ジェノサイドキングデーモン》(レベル4)
自分フィールドにデーモンモンスターカードが存在しなければ召喚・反転召喚ができない

・《悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン》(融合/レベル9/ドラゴン族
融合素材にレベル6「デーモン」通常モンスターを要求する(もう一方は「レッドアイズ」通常モンスター)

◆《ジェノサイドキングデーモン》関連

・《デスルークデーモン》(レベル3/光属性
条件:自分フィールドの《ジェノサイドキングデーモン》が破壊され墓地へ送られた
効果:自身を手札から墓地へ送ることでその《ジェノサイドキングデーモン》を蘇生

・《ディスカバード・アタック》(通常魔法)
条件:自分フィールドのデーモンをリリースする
効果:《ジェノサイドキングデーモン》1体をダイレクトアタック可能にする

・《血の刻印》(永続罠)
条件:自分フィールドのデーモンを対象に取って発動
効果:対象に取ったデーモンがスタンバイフェイズにLPを払う場合、同じ数値のLPを相手にも払わせる/《血の刻印》がフィールドを離れた場合、対象に取ったデーモンは破壊される

◆《デーモンの召喚》関連

・《魔霧雨》(通常魔法)
条件:発動する場合はバトルフェイズが行えない/自分フィールドの《デーモンの召喚》(or雷族モンスター)を対象に取って発動
効果:対象に取ったモンスターの攻撃力以下の守備力である相手モンスターを全て破壊

・《デーモンの降臨》(儀式/レベル6)
条件1:自身がモンスターゾーンに存在している
効果1:《デーモンの召喚》扱いとなる
条件3:儀式召喚したこのカードが相手によって墓地へ送られた場合
効果3:手札・デッキ・墓地から《デーモンの召喚》を特殊召喚

・《デーモンの顕現》(融合/レベル6)
条件1:自身がモンスターゾーンに存在している
効果1:《デーモンの召喚》扱いとなる
条件2:自身がモンスターゾーンに存在している
効果2:自分フィールドの《デーモンの召喚》の攻撃力を500アップ
条件3:融合召喚したこのカードが相手によって墓地へ送られた場合
効果3:手札・デッキ・墓地から《デーモンの召喚》を特殊召喚

・《デーモンの招来》(シンクロ/レベル6)
条件1:自身がモンスターゾーンに存在している
効果1:《デーモンの召喚》扱いとなる
条件2:自身がモンスターゾーンに存在している
効果2:相手は自分フィールドの《デーモンの召喚》を対象に取れなくなる
条件3:シンクロ召喚したこのカードが相手によって墓地へ送られた場合
効果3:手札・デッキ・墓地から《デーモンの召喚》を特殊召喚

・《デーモンの超越》(エクシーズ/レベル6)
条件1:自身がモンスターゾーンに存在している
効果1:《デーモンの召喚》扱いとなる
条件2:自分フィールドの《デーモンの召喚》が戦闘・効果で破壊される場合
効果2:破壊の代わりにこのカードのX素材を1つ取り除くことができる
条件3:エクシーズ召喚したこのカードが相手によって墓地へ送られた場合
効果3:手札・デッキ・墓地から《デーモンの召喚》を特殊召喚

2.だいたい重要度順デーモン関係カード一覧

 レベル等の低い順やカードの種類順に並べたため、同ランク内の上下差は特になし。また、性能の評価は「【デーモン】で使う場合」を基準としている。
 こちらの項目も、種族/属性についての記述がない場合は「闇属性/悪魔族」であるものとする。

S.デーモン関係では最高クラスの性能

 ごく一部。【デーモン】を組むならなるべく入れたいカード群。

・《トリック・デーモン》(レベル3)
一番まともにデーモンのサーチを行える必須カード。サーチのためには効果で墓地へ落とす必要があるものの、【デーモン】を組むにあたって絶対に外せないカードである。
幸い効果で墓地へ送る手段自体はテーマ内だけでも複数の選択肢があり、その他のデーモンが要求しがちな「効果による破壊」でももちろん問題ないため、サーチ自体は難なく活用できるだろう。
《魔サイの戦士》は頼れる後輩。《悪魔の技》とは互いに背中を預けられる仲。

・《エキセントリック・デーモン》(ペンデュラム/スケール7/レベル3/光属性
そもそもデーモンと関係ないデッキにも採用されることがあるレベルに優秀なカードで、スペルスピード1とはいえ《ならず者傭兵部隊》にも《サイクロン》にも化ける性能を持つ。
また光属性であるため、《魔神像》と並ぶことで最強耐性の《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》をシンクロ召喚することが可能。この子がチューナーだったならレベル5とのシンクロでカオスデーモンも出せたのに……
なお、ペンデュラム召喚をする場合はテーマ内に他のペンデュラムモンスターが存在しないため、別の低スケールのPモンスターを持ち込む必要はある。

・《バーサーク・デーモン》(レベル6)
23/10/28発売のPHNIにおいて唐突に現れた新規デーモン。
レッド・デーモン関係のものを除けば《カオス・デーモン-混沌の魔神-》以来の新規デーモン。メインデッキのモンスターに限ればすぐ下に記述した《魔神像》まで遡ってしまい、他のカテゴリに属さないものであれば20/10/03の《ディザスター・デーモン》以来3年ぶりとなる。
その効果は《破械神シャバラ》の相互互換で、あちらは破壊できるモンスターが1体である代わりに伏せカードを割ることができ(→破械魔法・罠のトリガーになる)、こちらは表側表示のモンスターしか破壊できない代わりに2枚破壊することもできる。
万魔殿におけるサーチは2体破壊された場合でもどちらか片方のレベルのみを参照した1枚のサーチにとどまるものの、この効果は「片方が悪魔族であればもう片方の種族は不問」であるため、例えば《堕落》で奪ったモンスターを巻き込んで破壊することも考えられる。リンク素材にしたほうがいい場面のほうが多そう
場のモンスターは増えない(どころか減る場合もある)ため、破壊することやレベル6であることなどを活かす必要がある点は注意が必要。

・《白銀の城の魔神像ラビュリンス・デーモン》(レベル7)
偉い要素が目白押しの、デーモンとしては新参のデーモン。
自己特殊召喚の手段をほとんど持たないデーモンにおいて、「自他を問わない罠カードの発動」という非常に緩い条件で手札から飛び出るだけでも優秀。そもそもデーモンはカテゴリ内に比較的扱いやすい罠カードをいくつか持っている(《雄叫び》《呼び声》《悪魔の技》)ため、それらとの併用を無理なく狙える。
攻撃反応型罠をサーチできる点も悪くなく、「《万魔殿》は戦闘破壊に対応しない」という点をカバーできる。当該罠には変な特徴的な罠もたくさんあるため好みの差が出るが、対象を取らない除去ができる《神風のバリア -エア・フォース-》や、自分の攻撃宣言時にも使用できるため腐りづらい《フェアーウェルカム・ラビュリンス》《心太砲式》などが扱いやすい。
もちろん先にその罠を割られる可能性もあるが、その場合は除去をそちらに使わせたんだ……と割り切ったほうがよい。
更にこのカードは攻撃抑制効果も持っており、このカードがいる場合は他の悪魔族を守ることができる。この効果については相性抜群の《ヘルポーンデーモン》を参照。

・《堕落フォーリン・ダウン》(装備魔法)
その効果は禁止カードの《強奪》とほとんど変わらない、【デーモン】を組む理由とすら言えるカード。
悩ましいことに「デーモン」の名称を持たないためサーチには工夫が必要であり、装備魔法のサポートカードを頼るほかない。
装備魔法のサポートには《聖騎士の追想 イゾルデ》+《焔聖騎士-リナルド》、《アショカ・ピラー》、《アームズ・ホール》など多くの種類があるが、基本的に召喚権がカツカツなため、《アームズ・コール》を使うのが無難な場合が多いと思われる。その場合は《デーモンの斧》も1枚挿しておくとコンバットトリックのように使用できる……かもしれない。
追記:
2024/10/01付でなんと日本でも強奪が制限カードに復帰することに。まー海外でもマスターデュエルでも解禁されてましたしね?
もういっそのこと「強奪を4枚(今後解禁が進むなら~6枚)積めるデッキ」として開き直る日が来る・・かもしれない。

・《悪魔の技デーモン・グリッチ》(通常罠)
「ラビュリンスは実質デーモンである」とワタシが常々言って憚らない原因の片方。
発動条件として自分フィールドに悪魔族が存在している状況を要求するものの、裏表やカードの種類を問わないフリーチェーンの単体除去は魅力的。しかもその後にデッキからの悪魔族の墓地送りも可能であり、墓地に落としたいカードも多い悪魔族にとっても非常に優秀なカード。悪魔族をデッキから落とせるカードは他にもいくつかあるが、その中では一番わかりやすくアドバンテージを稼げる。ただし効果による墓地送りであるため《灰流うらら》が刺さってしまう点には注意したい。
《トリック》を落とせばそのままデーモンカードのサーチにもつながるため有用。特にサーチしたいデーモンが存在しない状況であれば2枚目のこのカードをそのままサーチするのも手。
繰り返しになるが「自分フィールドに悪魔族がいなければ発動できない」という点は気をつける必要がある。すべての悪魔族が除去されそうな状況であれば、墓地送り効果でも活かすために素早く発動しておきたい。

A.構築によるが割と入ってくる性能

デッキの核になれたり、重要なパーツたりえるカード群。

・《ジェネラルデーモン》(レベル4)
《万魔殿-悪魔の巣窟-》専用の《テラ・フォーミング》になる効果と、その《万魔殿》が存在しない場合に自壊する効果を持つモンスター。
このカードの登場時(FOTB)において《テラ・フォーミング》はまだ無制限カードであり、また《万魔殿》自体の価値もチェスデーモン以外のデーモンにとっては大したことのない効果であったため、どうしてもいまいちパッとしないカードだった。
時は流れ、現代においては「《テラ・フォーミング》が制限カード」「《万魔殿》のサーチ効果を能動的に使いやすくなった」という2点が非常に大きく、自ら破壊されたがるモンスターを多く抱えることとなったデーモンにおいては非常に便利なカードと化すことになる。
既に《万魔殿》がある場合でもモンスターとしての役割をある程度こなせるため、もう一つのフィールド魔法である《伏魔殿》を使用する場合でなければ《テラ・フォーミング》よりも優先して採用するくらいでもよい。

・《デーモンの将星》(レベル6)
デーモンにおいては貴重な、手札から自身を特殊召喚できるモンスター。
しかし、その特殊召喚効果を使用すると「直後に場のデーモンカードを1枚破壊」「この効果を使用した自身は攻撃できない」という二重のデメリットがつきまとう。
そのため、実際のところは出しやすいモンスターというよりは「場のデーモンを減らさずに破壊効果を使用する」という目的のためのモンスターと捉えたほうがよい。
《万魔殿》下において、あらかじめ何らかのデーモンを通常召喚→《将星》を特殊召喚とすることで、《万魔殿》のサーチへ繋ぎつつ最初に召喚したデーモンの破壊された際の効果も使用する……という運用が現実的。
もう一つの重要な効果として「自身のアドバンス召喚時に墓地のレベル6デーモンを蘇生」というものがあり【レベル6軸】においては非常に重要な効果となる。
守備表示限定の蘇生であるため攻撃には利用できないが、そのままランク6エクシーズやリンク2へと繋げられるため、【レベル6軸】においては召喚権を率先してこちらに割きたいくらいのモンスターとなる。

《デーモンの光来》(レベル6)
24/03/22発売のザ・ヴァリュアブル・ブックEX4において唐突に現れた新規デーモン。この記事の執筆を始めてから3体目の新規デーモンです
召喚・特殊召喚時に発動できるそのターンまでのコントロール奪取効果を持ち、黄金櫃がない場合は攻撃に制約がかかる。LEDE発の新テーマ「光の黄金櫃」の関連モンスターではあるのだが、そちらに関連する効果はことごとく【光の黄金櫃】においては使いづらい。
ところが、【デーモン】においてはこのカードを相手ターンに蘇生することでコントロール奪取効果の発動を狙うことができるため、【光の黄金櫃】よりも【デーモン】のためのカードと言い切ってもいいくらいである。
黄金櫃がない場合の制約も正直言ってシンクロ・エクシーズ・リンク素材としてしまえば何の問題もなく、またそもそも「デーモン」モンスターは「相手ターンに妨害をする」という行為があまりにも苦手であるため、自前の蘇生カードと組み合わせることで相手ターンにコントロール奪取を行って相手の思惑を外すことができるようになっただけでも非常に大きい。
また、自身以外の攻撃力を自ターンのみ500アップさせる効果も非常に優秀で、「攻撃力アップのために《伏魔殿》を使うと、(当社比)優秀なサーチ札である《万魔殿》の恩恵にあやかれない」という悩みを解決する札にすらなり得るのである。むしろ《伏魔殿》と併用することで、《光来》以外全員1000アップというロマンもあるだろう。

・《戦慄の凶皇-ジェネシス・デーモン》(レベル8)
妥協召喚効果と、除外コストを支払って対象を取る破壊をする効果を持つ最上級デーモン。
妥協召喚後はエンドフェイズ時に自壊してしまうものの、こちらも《万魔殿》さえ用意できていれば即座に7以下のデーモンのサーチへと繋がり、とりわけ《魔神像》をサーチできる点は特筆に値する。
また、コストが手札or墓地からのデーモンカードの除外に変わった《サンダー・ブレイク》効果を内蔵しており、現代では防がれがちな「対象を取る破壊」ではあるもののその汎用性は高い。
また、8期のカードゆえか名称ターン1ではない「1ターンに一度」であるため、効果使用後のこのカードを素材に《魔界特派員デスキャスター》をリンク召喚→効果で《ジェネシス》を再度蘇生、などの方法で再び破壊効果を使用することも可能。(ただし手札や墓地のコストの管理には注意が必要)
ただしデメリットとして「悪魔族しか特殊召喚できなくなる」という永続効果を持っているため、悪魔族ではないデーモンを採用する場合は採用を見送ることも必要ではある。この制約のため、このカードを利用してエクシーズ召喚できるモンスターは《No.1 インフェクション・バアル・ゼブル》のみであるためこれも注意したい。

・《パーペチュアルキングデーモン》(リンク/リンク2(左下・右下))
自分がライフを支払った場合にその数値と攻守どちらかが同じ悪魔をデッキから落とす①の効果と、悪魔族が墓地へ送られた場合にサイコロを振って何かを起こす②の効果を持つ、デーモン唯一の悪魔族リンクモンスター。ジェノサイドキングデーモンの生まれ変わり
性能としては重要というほどでもなくB区分感もあるのだが、このカードはひとえに「デーモン名称を用意しやすいカード」としての役割がある。
悪魔族が2体並びさえすればリンク召喚ができるため、手札に《堕落》や《将星》があるときなどに役立つことがある。
また②の効果は非常に緩い条件で発動し、運が良ければ蘇生やサルベージにつながる。《出たら目》があればどちらかは確実に発動するため、サイコロ効果を持つカードを軸に組む場合は必須に近いカードとなる。
①の効果は《万魔殿》との相性がよくないといえばよくないが、どうせ《万魔殿》でライフコストを支払うシーンなぞ稀であり、またいつでも《万魔殿》を用意できるわけでもないため、運次第では手札や盤面の強化につながる効果を活かせるなら活かしたほうがよい。
ちなみにこのカードの維持コストは500LPであるため攻撃または守備が500の悪魔族を墓地へ落とすことができ、その中にデーモン唯一の選択肢として《トランス・デーモン》が存在するため、【デーモン】においてこのカードを採用する際は《トランス》も採用するようにしたい。
(余談)
ときに、このカードが出たパックであるLVP1の謳い文句は「人気テーマにリンクモンスターがいよいよ登場」なんですが、デーモンって人気テーマなんですか?

・《万魔殿パンディモニウム-悪魔の巣窟-》(フィールド魔法)
(これでも)時代がやっと来つつある、3期出身のフィールド魔法。スタンバイフェイズに発生したデーモンモンスター全般のライフコストを無視する効果はほぼおまけで、現代においては後半のサーチ効果をあてにして採用するカード。
自壊できる、または自分のカードを破壊できるデーモンカードは数多く存在し、ネガティブな選択肢ながら破壊効果を自分のカードに向けることができるカードすらも多く存在するので、「破壊された」という条件を満たすのは非常に容易。いわゆる「時の任意効果」であるためタイミングを逃す点のみは注意したい。
もう一つの強みは《ジェネラルデーモン》の存在である。《テラ・フォーミング》が制限カードとなって久しい現代において、核となり得るフィールド魔法の専用サーチャーが存在している事実は非常に大きい。当の《ジェネラル》も《トリック》でサーチできるため、このフィールド魔法へアクセスするのも非常に容易。

・《デーモンの雄叫び》(通常罠)
(これでも)時代がやっと来つつある、3期出身のデーモン専用蘇生カード。
登場当時は「ライフコストがある」「生け贄に(リリース)出来ない」「そのターンで自壊する」という点がどれもこれも足を引っ張る要素の意味合いが強かったものの、2023現在であればそれらをすべて活用できたり無視できたり有効だったりするものとなりうる。
ライフコストは《パーペチュアルキング》との相性は良く、生け贄不可効果は生贄召喚……もといアドバンス召喚をわざわざ行うことが減ったため壊獣対策たりえるシチュエーションがなくもなく、自壊効果は《万魔殿》さえあれば次のサーチに繋がるなど、それぞれ現代ではまだ飲み込めるデメリットでありがち。
蘇生したモンスターに攻撃の制限はないため追撃に利用できるほか、デーモンに多く存在する「破壊されたがり」のモンスター達の破壊時の効果を活用するのにも使える。
フリーチェーンの蘇生カードとしては《マジックカード「死者蘇生」》の存在がどうしてもチラつくので、あちらと違い「蘇生した後に攻撃ができる」「その効果は無効にはならない」という点を活かしたいところ。また、罠カードであるため《魔神像》のトリガーになり、デーモンカードであるため《ジェネシス》のコストとして墓地から除外できる点も見逃せない。
(余談)
このカードは初出(闇魔界の脅威)とその弾まるごと再録パック(EE1)以降の収録がないため未だに「生け贄にすることはできず」という表記のカードしか存在しないのだが、マスターデュエルにおける同カードはテキストが一新されているためちゃんと「リリース」の表記になっている。
しかし「①」のような表記ではないため、マスターデュエル以前にどこかでテキストを一新したものを利用している可能性が高い。
(余談の余談)
後に、マスターデュエルに存在する全ての古いテキストが一新され、それによって「①」のついた表記へと変貌を遂げることとなった。

B.出番があるにはある性能

単体では使いづらいカードが増えはするが、特徴的な要素はあるため採用が現実的なカード群。

・《ヘルポーンデーモン》(レベル2/地属性
ポーンのカードだがプロモーションやアンパッサンをしたりはせず、チェスデーモン共通の不完全な対象耐性は3のみともっとも弱い部類。ライフコストは500LP。
その他のチェスデーモンとは明確に違う点が2点あり、1つは「レベル2デーモンで唯一の効果モンスター」である点。これにより《万魔殿》下において《トリック》《エキセントリック》といった必須級デーモンの破壊からのサーチが可能であり、またその攻撃力もレベル2としては高いため多少のつぶしが効く点も悪くない。
もう1つはその攻撃抑制効果の存在。デーモンにおいてはほとんど同じ能力を持つ《白銀の城の魔神像》がおり(《ヘルポーン》は自身と同名カード以外の「デーモン」を、《魔神像》は自身と同名カード以外の「悪魔族」を攻撃できない効果)、両方を並べれば攻撃のロックが可能となる。《魔神像》は自己特殊召喚が可能&攻撃宣言反応型の罠を持ってくることが可能なため、《魔神像》と《ヘルポーン》を並べること自体はさほど難しくはない部類。
除去への解答とはならないため、そこに対しては別の手段を用意したいところ。

・《デーモンの騎兵》(レベル4)
下級かつ攻撃1900を備える、効果モンスターに生まれ変わった《デーモン・ソルジャー》とでも言うべきモンスター。ただし守備は0。
その効果は自身がフィールドで効果破壊されて墓地へ行った場合に墓地の同名カード以外のデーモンを1体蘇生できるもので、蘇生ターン中の攻撃無効の制約こそ付くものの相手ターンなら戦線維持、自分ターンなら自ら破壊することによる各種カードとのコンボを狙っていける。
ただし蘇生である以上最序盤では腐ることも少なくなく、いくら下級としては攻撃が高いとはいえ現代においてはそれだけで生きていけることはないため、基本的には1~2枚挿しておいて《トリック》や《万魔殿》で逐次サーチするのが理想的だろう。

・《トランス・デーモン》(レベル4)
ステータス自体はパッとしないものの、2つの優秀な要素を持っているデーモン。
1つ目はその効果で、コストではなく効果で墓地へ悪魔族を捨てられるため、手札に来た《トリック》や《魔サイの戦士》を捨てながらその効果を使用できるようになる点。いくつかある蘇生カードを活かすために上級・最上級のデーモンを墓地へ落とす役割も担える。攻撃アップはおまけ。
2つ目はそのステータスで、あちらでも書いたが「《パーペチュアルキング》自身のライフコスト500に唯一対応できるデーモン」である点。デーモン名称にこだわらなければその他の選択肢もあるのだが、【デーモン】である以上デーモン名称は活かせることも多いためこの点は重要である。
またこのカードも自身がフィールドで破壊されて墓地へ行った場合の効果を持っており、除外されている闇属性カードをサルベージすることが可能。当記事において「闇属性ではないこと」をフィーチャーしている理由の1つがこのカードの存在である。
相手から受けた《墓穴の指名者》であったり、あるいは自ら《ジェネシス》のコストとして除外した闇属性モンスターを回収できるため、この効果の存在は頭の片隅に入れておきたい。

・《ボーン・デーモン》(レベル4)
まず大前提としてこのカード自体はぜんぜん弱くなく、むしろ【レッド・デーモン】であれば3積み必須と言って差し支えないレベルの重要カードである。しかし、デーモンにおいては非常に貴重な自己特殊召喚効果を使ってしまうと『エクストラデッキから「闇かつドラゴンかつシンクロ」しか出せなくなる』という厳しい制約を持っているため、この時点でデッキの構築に大きな影響が出てしまう。
このカードを【デーモン】で運用するのであれば、エクストラデッキに頼らない構築にするか、または【レッド・デーモン】に寄せる必要がある。
一応、②の効果のみの使用でもこのカード→《ヴィジョン・リゾネーター》→《クリムゾン・ヘルガイア》→2枚目の《ヴィジョン・リゾネーター》と繋ぐことができ、特に制約を課されずに《ヴィジョン・リゾネーター》の特殊召喚に繋げられることは覚えておきたい。
また、遂に登場したデーモン名称チューナーである《ヴァイス》を直接墓地へ落とすこともできる。(下記参照)

・《ライトロード・デーモン ヴァイス》(光属性/レベル4/チューナー
24/01/27発売のLEDEにおいて唐突に現れた新規デーモン。
当記事を書き始めたのが23年9月初頭、そこから記事の公開までの間に新たに2体も新規のデーモンが登場してしまい己の遅筆を恥じています。
さておき、世にシンクロ召喚が誕生してから苦節16年、Vol.1から数えて総勢67体目となるデーモンモンスターにて初めてのチューナー。LEDE発売時点でこのカード以外のデーモン名称チューナーは1体も存在しない。
それも光属性・悪魔族・レベル4であるため、【シンクロ軸】に採用できうるデーモンシンクロモンスターが要求する要素「《混沌の魔神》の光属性チューナー指定」「《カオス・キング》の悪魔族チューナー指定」をどちらも満たすことができる点で非常に優秀。
更に更に手札からの自己特殊召喚効果も持っているが、こちらの起動のためには別途「ライトロード」モンスターが必要となるため、構築時点でライトロードモンスターを投入するのが今後の【シンクロ軸】のスタンダードとなるだろう。
その場合、既に墓地に他のライトロードが落ちていれば《ボーン》の起動効果によって《ヴァイス》をデッキから墓地へ直接落とすことができ、その効果によって墓地の別のライトロードの蘇生へ繋げることができる。この際、蘇生するカードが《ライトロード・サモナー ルミナス》であれば更に墓地の《ヴァイス》の蘇生にも繋げられ、《ボーン》の効果を自身に使った場合はレベル3or5、レベル3、レベル4の3体のモンスターを並べることができるため、レベル10か12という大型のシンクロ召喚を行えるようになる。
ただしこの組み合わせから出せる「デーモン」シンクロモンスターはたった2体しかいないため、その他のシンクロモンスターを出すかあるいは別のモンスターも追加で並べる必要が出てくる点は留意したい。

・《ヘル・エンプレス・デーモン》(レベル8)
3体存在するレベル8デーモンの1体であり、それらの中では2番目に登場したカード。2つある効果はどちらも闇属性かつ悪魔族であることを要求しており、その両方に所属するデーモンは少なくないため多くのシナジーを見込める。
より重要なのは2つ目の効果であり、こちらは更にレベル6以上であることも要求する。効果自体は《騎兵》との相互互換であり、時の任意効果であることとレベル縛りがあることの代わりに、デーモン以外も蘇生可能かつ攻撃宣言に関する制約が存在しない、という違いがある。リンク素材などで扱いやすいあちらと比べると、こちらは【レベル6・8軸】において使用することとなるだろう。
相変わらず場に出すこと自体は簡単ではないので、各種蘇生カードを使用して場に出していくことになるだろう。

・《ディザスター・デーモン》(レベル9)
メインデッキに入る唯一のレベル9デーモンであり、万魔殿下で彼が破壊されれば同名以外のほぼ全てのデーモンモンスターをサーチできる点で優秀。また自身の効果によって相手フィールドに干渉しながらフィールドのデーモンを能動的に破壊できる点でもまた優秀なモンスター。
問題はひとえに「どうやって出すか」だけであり、《呼び声》《雄叫び》による蘇生や、《悪魔の憑代》によるサポートなどが考えられる。攻撃が妙に低いため《ヘルウェイ・パトロール》という手段もある。

・《デーモンの召喚》(通常/レベル6)
原作漫画しか知らない層でもきっと名前だけは知られているだろうカード。原作出身なだけあって、OCGとは関係ない《デーモンの召喚》カードも多くの種類がある。
しかし現代遊戯王においてちょっと攻撃力のあるだけの通常モンスターをわざわざ使用する理由は皆無であり、このカードを使用する場合はそのサポートや関連カードを使用することになる。
大量に存在する「《召喚》として扱う」カード群は下記で説明するとして、それ以外の場合では主に《悪魔竜》を融合召喚するために必須となるため、ここを中心に組み立てる方法が見えてくる。
《予想GUY》こそ使用できないものの、元祖《ブラック・デーモンズ・ドラゴン》や《顕現》の存在のおかげで《融合派兵》からのリクルートや《融合準備》によるサーチが可能であり、総じて【融合軸】という方向性が考えられる……かもしれない。

・《デーモンの降臨》(儀式/レベル6)
・《デーモンの顕現》(融合/レベル6)
・《デーモンの招来》(シンクロ/レベル6)
・《デーモンの超越》(エクシーズ/ランク6)
原作にて遊戯が使用した超有名カードのリメイクとなる、各種召喚方法によるモンスター群。基本的に全て同じデッキで使用することになるため、全てまとめての記述とする。
全てのカードに共通して「《召喚》として扱う」というテキスト、また自身の召喚方法による正規召喚した状態で相手によって墓地に送られた場合に除外ゾーン以外から《召喚》を喚ぶ効果があり、そして《顕現》と《招来》は《召喚》へのメリット効果を付与する効果もある。
基本的には全てがシナジーしているカード群であり(《超越》だけはちょっと怪しいが)、総じて【《召喚》軸】という方向性が見えてくる。この中で最も耐性が強力なのは《降臨》であり、このカードを中心に組み立てていくのが一つの道筋になると思われる。
降臨に《召喚》を利用できる《高等儀式術》、そのサーチに使用できる《マンジュ・ゴッド》と組み合わせて《招来》になれる《アサルト・シンクロン》などが採用候補だろう。

・《インフェルニティ・ヘル・デーモン》(シンクロ/レベル6)
素材の縛りもなく、またその効果も使いやすく申し分ない性能。レベル6の選択肢としては《招来》と競合するものの、専用構築のほうが輝くあちらと違いこちらは汎用的な効果が魅力となる。
ハンドレス状態を狙えれば効果が増えるため美味しいが、単なるデーモンでそこまで狙うのは簡単ではない。一方で③の効果はチューナーの吟味次第では狙っていけるほか、デーモンにも闇属性シンクロモンスターは多く存在するため【シンクロデーモン】というデッキタイプにおいてこのカードも輝くだろう。

・《スクラップ・デスデーモン》(シンクロ/レベル7/地属性
効果を持たないモンスターだが、《堕落》で相手のカードを奪いながらシンクロ召喚をしたい【シンクロデーモン】においては素材の縛りがない点が想像以上に優秀。属性こそ地属性なもののきちんと悪魔族のデーモンであるために共有できるサポートが多いのもよい。
同レベル帯には《デーモン・カオス・キング》がいるが、あちらはチューナーに悪魔族を要求するため、【シンクロデーモン】において構築の幅を狭めてしまう原因となってしまう。
また、単なるバニラシンクロであることは事実であるため、デーモンサポートはきちんと活かせるようにしたい。

・《デーモン・カオス・キング》(シンクロ/レベル7)
ひとえに「悪魔族チューナー」を要求する点がつらく、デーモンの弱さを補える汎用的なチューナーを使えない点で大きく足を引っ張ってしまう。
シンクロと悪魔族チューナーといえばレッド・デーモンとリゾネーターの存在はあるが、優秀なリゾネーターほどドラゴン族の縛りもおまけに付きがちなせいで身動きが取りづらく、またそこまで構築を練ってこのカードを出せたとしてもさほど強いカードでもないという点で頭を悩ませる。
渋々出すレベル7の選択肢としても《スクラップ・デスデーモン》の存在があるため、やはりその肩身は狭いと言わざるを得ない。

───以上、全て《ヴァイス》登場前の記述。(当時はD区分判定)
ついに登場したデーモンチューナーである《ヴァイス》がちゃんと悪魔族であり、レベル7のライバルである《スクラップ・デス》との差は縮まったと言える。《ヴァイス》が登場したことで《ボーン》を基準とした《ソウル》《ヴィジョン》の2種のリゾネーターの出張がしやすくなったことを加味したときに、あちらとは違い「闇属性」であることが有利に働くようになったといえる。
ただし効果がなんとも言えないことには変わりないため、「闇属性縛りが付いてるけどレベル7しかシンクロできない」みたいな際の保険的運用になりはするだろう。

・《メンタルスフィア・デーモン》(シンクロ/レベル8/サイキック族
特に素材の縛りもなく、その効果によって魔法・罠への擬似的な対象耐性も持っており、サイキック族のカードながら【シンクロデーモン】においてはレベル8の選択肢として忍ばせておいても損はないカード。
ただしその効果も時代とともに段々心もとなくなってきているのも事実なため、大量の選択肢がある「レッド・デーモン」シンクロモンスターとの枠の取り合いは激しい。

・《レッド・デーモンズ・ドラゴン》
・《琰魔竜 レッド・デーモン》
・《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》
・《スカーレッド・デーモン》
シンクロ/レベル8/ドラゴン族)※4体とも
ご存知、列をなす王者の鼓動。
攻撃力は横並びで、スカーレッド以外は素材の縛りもない(そのスカーレッドもチューナー以外が闇であればよい)ため、レベル8までのレッド・デーモンであれば【シンクロデーモン】においても採用を充分検討できる。それぞれの効果を吟味して採用したい。

・《カオス・デーモン-混沌の魔神-》(シンクロ/レベル8)
光属性のレベル2チューナーさえ用意できれば【レベル6軸】に隠し味として入れるくらいのことは可能……かもしれない。光属性としても扱う闇属性悪魔族レベル2で自己特殊召喚効果を持ったデーモン名称チューナーが欲しい!
効果については強力の一言であり、なんならデーモン名称の罠である《ナイトメア・デーモンズ》とのコンボが決まれば単体でフィニッシャーにすらなり得る。
デーモンデッキにおける問題はひとえに「光属性チューナーどうすんの」という1点のみとすら言える。
───以上、全て《ヴァイス》登場前の記述。(当時はZ区分判定)
当記事の執筆開始は23年9月ごろだったのだが、あまりにも筆が遅いせいで記事の公開までに新たに2種類も新規のデーモンが登場してしまった。
そのうちの片方である《ライトロード・デーモン ヴァイス》がよりにもよって待望のデーモン名称チューナーであり、それどころかなんとレベル4の光属性であるため、デーモンカテゴリ内に11種類も存在する闇属性レベル4のモンスターと組み合わせることで簡単にシンクロ召喚ができるようになってしまった。
他にも、《白銀の城の召使い アリアーヌ》と通常罠が揃っていれば簡単にこのカードをシンクロ召喚できるようにまでなった。
ここまで来るともはや【デーモン】における使用が非現実的とは到底言えず、むしろそのフィニッシャーとしての性能をいかんなく発揮できるようになったとまで言えよう。
このカードが相手によって除去された場合は他の「カオス」シンクロモンスターをEXデッキから特殊召喚できるため、その中でも悪魔族であり優秀なカードである《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》もセットで採用したい。また、《堕落》の維持条件が心もとないなどの理由でデーモン名称が欲しい時の選択肢として《カオス・キング》も出せはする。(言うまでもなく《混沌の魔神》以外のデーモンカードがないときに除去されてしまうと《堕落》の破壊は免れないため注意)

・《リンクメイル・デーモン》(リンク/リンク4/サイバース族
デーモン名物、「たまたまデーモン名称を持ってるだけ」カードの1枚。そんな中では元ネタが明確(メーラーデーモン)であるちょっと珍しいデーモン。
素材指定は若干重いものの、デーモンにおいては儀式・融合・シンクロ・エクシーズの全てが存在するので、いずれかのデーモンを使うタイプであれば言うほど出せなくもないためエクストラデッキに余裕があれば入れておいてもいい可能性がある。
デーモン名称を持つメリットとして《堕落》の維持要員になれるという点があるが、このカードを出すことに特化した構築にしつつ《堕落》をサーチできる展開例があるため興味がある人は調べてみよう。やっぱイゾルデって偉大だわ。

・《デーモンとの駆け引き》(速攻魔法)
イラスト内のストーリーはともかく、効果の面では「たまたまデーモン名称を持ってるだけ」カードの1枚とも言える。
ではデーモンカテゴリ内で使えないかというとそうでもなく、デーモンはメインデッキ内だけでもレベル8以上のモンスターを4種類抱えており、またフィールドから墓地へ行きさえすれば何でもよいため、蘇生を駆使した【最上級軸】、堕落で奪う【シンクロ軸】という2パターンでの活用方法が考えられる。
喚び出される《バーサーク・デッド・ドラゴン》については、3期のカードとは思えないその攻撃性能は現代基準でもかなりのものであり、ほぼほぼ専用構築を求められはするもののそれに見合ったものは持っていると言える。

・《デーモンの呼び声》(永続罠)
発動時に墓地の上級・最上級デーモンを指定し、解決時に手札の悪魔族を捨てて対象のデーモンを蘇生する蘇生カード。
デーモン名称を持つもう一つの蘇生カードである《デーモンの雄叫び》と比べると「ライフコスト不要」「(維持できれば)何度でも使える」「相手ターンでも使える」程度のアドバンテージこそあるが、「手札が必要、しかも悪魔族指定」「下級デーモンが蘇生できない」という2点が非常に重くのしかかる。
更に、永続罠とモンスターの違いこそあれど効果の面でほぼ完全上位互換の存在である《魔界特派員デスキャスター》が登場したのがこのカードにとっては頭の痛い要素ではある。
《デスキャスター》と比べて勝る要素は「デーモン名称を持つ」「相手ターンでも発動できる」「特に特殊召喚に関する制約はない」という点程度であり、「蘇生モンスターに制限がない(デーモンどころか悪魔族なら何でもよい)」「手札コストにも制限がない(悪魔族どころかカードの種類を問わない)」「モンスターが破壊される場合の身代わり効果まで持つ」「発動まで(=特殊召喚)が容易」などなど、とにかく呼び声側が太刀打ちできる要素が少なすぎる。
それでも蘇生効果自体は魅力的であり、また正直な話《デスキャスター》とは併用してしまえばいいため、展開行為が苦手であるデーモンにとっては重要なカードであるとは言える。幸いなことに【デーモン】の中核を担うモンスターは《光来》《将星》《魔神像》《ジェネシス》という具合に上級・最上級が目白押しであるため発動には困らないだろう。

C.独自性がないわけでもない性能

コンボありきでも扱いがむずかしかったり、独自性はなくはないんだけどこれ採用して何すんの?みたいなカード群。

・《デーモン・ソルジャー》(通常/レベル4)
かつては下級モンスターの「ライン」であった攻撃1900を持つ通常モンスターのデーモン。初出時からノーマルのカードであったため、当時駆け出しだった決闘者の中には彼に頼っていた人もいるかもしれない。
そんなこのカードを現代においてわざわざ利用するのは大変であり、《予想GUY》や《レスキューラビット》といったサポートこそ使用できるものの、それらを使用してこのカードを出したところで何をするのか?は常に考える必要がある。というか理由がない
その他の考えられる手段としては《高等儀式術》によってレベル8の儀式モンスターを降臨する際の活用で、かつては【デミスガイア】というデッキタイプにおいて墓地へ落ちるためのカード、という役割もあった。それが今も使えるかというとうーん……

・《デーモン・テイマー》(リバース/レベル3/地属性/戦士族
デーモン名称のアイドルカード。かわいかろ?
他のデーモンと違って悪魔族ではない点がネック、そしてリバースモンスターであることが更にネック。極めつけはその効果も極めてピンポイントであり、もっぱら専用デッキを組まなければならない事態に陥りがちである。
効果が類似している「霊使い」と違いコントロール奪取はそのターン限りなものの、代わりにリバースさえすれば本人がいなくなっても問題ない点は特筆に値する。
幸いこのカード自体は《増援》や各種リバースモンスターサポートによってサーチ・リクルートが容易な部類であり、また相手モンスターをリリースしながら相手フィールドに出せるモンスターには《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》《サタンクロース》《多次元壊獣ラディアン》と3種類も悪魔族が存在することは追い風であるため、専用デッキを組んで遊ぶくらいの余地は残っている。

・《サイバーデーモン》(レベル4)
あの《サイバー・ドラゴン》が登場したCRVにて登場した、同じ「サイバー」の名を持つデーモン。なおカテゴリとしての「サイバー」はモンスターへは機械族かドラゴン族であることを指定するため含まれない。
その効果はドローフェイズのドローを加速するものだが、ハンドレス状態を要求してくるため明らかに構築が歪むことになる。こちらの効果を活かす場合は、既に考案者がいる【ハンドレスエクゾ】の形を取ったほうがいい場合が多く、別段「デーモン」であることが活かせる要素はない。
デーモンとしてのこのカードを活かすのであれば《パーペチュアルキング》との組み合わせが考えられる。1000のライフコストを要求するカードによってデッキから墓地へ落とすことで蘇生につなげることができ、また自壊した場合もサイコロ次第で蘇生orサルベージへつなげることが可能。
ただし前者は《トリック》でいいことが多く、後者も《万魔殿》や《出たら目》などがなければ中途半端な効果に留まってしまうため、このカードのために構築を歪める必要があるのかは考えたい。

・《デーモン・イーター》(レベル4/地属性/獣族
手札からの特殊召喚効果と、自身が墓地にいる場合に自分フィールドのモンスターを破壊して自己再生する効果を持つ、悪魔ではないデーモンモンスター。
手札からの特殊召喚効果については、関連カード内にかろうじて存在する魔法使いである《熟練の赤魔術士》を利用する……ことができるかもしれない。
メインにできそうなのはもう一つの効果。フィールドにいる表側表示モンスターを効果で破壊しながら蘇生ができるため、なるべく破壊されたいデーモンの効果を活かせる可能性はある。なお遅い。

・《熟練の赤魔術士》(レベル4/魔法使い族
悪魔族ではなくデーモン名称ですらないが、デーモンに関するサポート効果を持つ貴重なモンスター。
その肝心な効果は自身に魔力カウンターを乗せる効果と、自身に魔力カウンターを3つ載せた状態でリリースすることで手札・デッキ・墓地からあらゆるデーモンを特殊召喚する効果。
デーモン名称なら何でもデッキから喚べる点は優秀だが、デーモンというデッキタイプがそこまで魔法を多用するわけでもない点、悪魔族ではないためいくつかのサポートの対象外になりがちな点、そもそもこのカードを出すための手段が必要になってくる点……など活かそうと思うと専用構築に近いものを要求されがちなところが厳しいところ。
また、専用構築にしたとしてもそこまでしてすぐさま用意したいデーモンというのはおらず、ほとんどは墓地に落として別の蘇生カードで蘇生するほうがあまりにも手っ取り早く、また魔神像やジェネシスなどは手札から容易に特殊召喚や召喚が可能だったりと、どうにもこのカードを使ってまでリクルートしたいデーモンが存在しないのがネック。
「デーモン」であれば何でも良い点を考慮すると、今後のカードプールの増加に伴ってどうしてもこのカードで喚びたいデーモンが登場する可能性もないわけではないためそちらに期待したい。
「デーモンに関連する魔法使い」という点においては《デーモン・イーター》や《憑依覚醒-デーモン・リーパー》とのシナジーをわずかに見込めるかもしれない。

・《憑依覚醒-デーモン・リーパー》(レベル5/地属性/獣族
自分の場の魔法使い1体とレベル4以下の地属性1体を墓地へ送ることでデッキから特殊召喚できる変わったモンスター。
魔法使いを要求する点は《イーター》と同じなものの、デーモンカテゴリ内においてメインデッキに入る地属性は5種類しかおらず、またどいつもこいつもクセのある連中ばかりである。
幸いその《イーター》が条件面ではマッチしており、《イーター》を自身の効果で出せているのならそのままリクルートできる。
どちらにせよ構築段階から意識せねばならず、通常の【デーモン】とはちょっと違った毛色のデッキになる。

・《レッサー・デーモン》(レベル5)
戦闘破壊をした相手モンスターを墓地へ送らず除外する効果を持つデーモン。登場当時の2期であればまだリクルーターが全盛の時代であり、そのリクルートを許さない効果が強力な部分が確かに存在していた。
現代でもその効果が適用できるシチュエーションであれば効果自体は悪くないものの、やはり戦闘を介する時点で遅さが目立つほか、その微妙な攻守のステータスも頭を悩ませるところである。
このカードの利点はひとえに《融合派兵》でデッキから直接リクルートできるという点であり、同じ芸当ができるデーモンは他に《召喚》しかいない。《融合派兵》を使用すると融合モンスター以外を出せなくなるため、《デスキャスター》や《カオス・アンヘル》といった悪魔族御用達の汎用モンスターの力を借りられなくなる点は気をつけたい。

・《ミストデーモン》(レベル5)
妥協召喚の性能や、自壊時のダメージがまあまあ痛い面などから《ジェネシス》の壁が厚くなってきたきらいはあるものの、「容易に召喚できるレベル5デーモン」は彼しかおらず、《万魔殿》に自壊を絡めた動きの際に重宝する……かもしれない。特に《将星》などのレベル6が破壊された際の選択肢としては考慮の価値がある。
また、デーモンには守備力0の闇属性モンスターがこのカード以外にも4体おり、総じて《悪夢再び》を利用しやすい可能性はある。増えた手札は《呼び声》で活かせると嬉しい。

・《迅雷の魔王-スカル・デーモン》(レベル6)
3期のうちに既に登場している《召喚》リメイクモンスターの1体で、その中でもイラストが明確に原作の《召喚》のワンシーンである珍しい1枚。
しかし特に特殊召喚効果を持つわけでもない上級モンスターであるため、このカードを採用する場合は明確に【サイコロ軸(チェスデーモン)】での採用になる。
50%で対象を取る効果を無効にして破壊できるサイコロを振る効果を持つため《ディメンジョン・ダイス》から特殊召喚が狙えるほか、効果が適用される目が1・3・6であることから《出たら目》との相性も抜群。ぶっちゃけ他のチェスデーモンいらないレベル
また、500とはいえライフコストを自分スタンバイフェイズ毎に要求されるため、可能なら《パーペチュアルキング》も並べられると嬉しい。

・《真紅眼の凶雷皇レッドアイズ・ライトニング・ロード-エビル・デーモン》(デュアル/レベル6)
レッドアイズでありながらデーモンでもあるよくばりセットなモンスター。あらゆる要素で《悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン》の素材になりやすいという特徴がある。
その効果はデメリットのないほぼ《魔霧雨》の内蔵であるため強いのだが、いかんせん彼はデュアルモンスターであるため、召喚権が全然足りていない【デーモン】においてはとにかく重い。
デーモンにおけるデュアルモンスターも彼のみのためにデュアル方向へ寄せるのも難しいが、デュアルには最強の装備魔法《スーペルヴィス》があるため、デーモン最強の装備魔法である《堕落》とサポートを共有する……という方向性もアリかもしれない。

・《暗黒魔族ギルファー・デーモン》(レベル6)
こちらも原作出身のカードであり、《リーフ・フェアリー》とのコンビで「時の任意効果はタイミングを逃す」というルールの仕組みを周知させるのに一役買ったとされるデーモン。
実際の運用においても時の任意効果であることが足を引っ張りがちではあるものの、デーモンにおいては「《堕落》の発動条件を満たせる」「《将星》の特殊召喚を可能にする」などのシナジーがある。とりわけ《将星》の場合、直後に《ギルファー》を破壊することでその装備効果をタイミングを逃さずに発動できる点でも相性がよいといえる。
問題は「カード・アドバンテージこそ回復できるものの、その効果自体は単なる攻撃500ダウンに過ぎない」という点である。そのため、このカードを採用する場合はタイミングさえ逃さなければ延々と場に戻ってくる点を活かす方向を考えたい。

・《デーモンの巨神》(レベル6)
500LPを払えば一度だけ自身の効果破壊を防げる効果と、自身が効果で破壊された場合に手札からデーモンを特殊召喚できる効果を持つ、イラストから分かる通りクソデカいデーモン。ちなみに《ジェネシス》もデカい。
レベル的にも6とややデカだが特に特殊召喚手段は持っておらず、まずは場に出すまでが面倒なタイプである。それなのに破壊された場合の効果が「手札から」の特殊召喚なせいで、「この効果での特殊召喚を狙うくらいなら、その手札のデーモンをこいつの代わりに特殊召喚すればいいのでは?」という問題がつきまとう。
そしてLPを払う効果とも噛み合わせがおかしい。せめて、1ターンに1度でいいのでLPで肩代わりする効果が何度も使えるものであれば出す意味も大きかっただろうが……。
よって、現実的なのは《将星》や《バーサーク》の手札から特殊召喚できるレベル6デーモンの対象とすることで破壊されずに場に留まり、そのままランク6を狙う形であろう。

・《悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン》(融合/レベル9/ドラゴン族
高ステータスと戦闘時効果は確かだが、このカードを採用する時点で構築をガッツリ寄せる必要があるため、【デーモン】というより【デーモンレッドアイズ】のようなデッキになると思われる。
すぐ上の項にいるエビル・デーモンを採用することでデーモン濃度(?)を高められるため、構築時点で考えられることは多い方。

・《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》(シンクロ/レベル9/ドラゴン族
【レッド・デーモン】では何があっても入れなければならないレベルの必須カードだが(なんならレベル9枠の都合2枚入ったりする)、【デーモン】においては素材指定の「チューナー以外の闇属性ドラゴン族シンクロモンスター」という点が若干構築難易度を高めがち。
よって、【シンクロデーモン】で出そうとする場合はほぼ非チューナーはレベル8のモンスターになるため、割り切って採用するチューナーをレベル1に集中させるような構築にするのも手。
「これ【デーモン】じゃなくて【レッド・デーモン】でよくね?」となりかねないバランスが非常に難しい。

・《琰魔竜 レッド・デーモン・ベリアル》
・《レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント》
シンクロ/レベル10/ドラゴン族)※2体とも
問題点は上記のアビスのそれとほぼ変わらず、前者は非チューナーに「チューナー以外の闇属性ドラゴン族シンクロモンスター」を要求される点、後者はチューナーを必ず2体要求される点で構築難易度を上げている。
決して弱いカードではないものの、あくまでデーモンデッキに採用できるのか?ということを考える場合はそのメリットをあまり見出しづらいのが実情。
ひとえにチューナーの選定が重要となるため、構築段階から「どういうルートで出すか」を考える必要があることを考えると「《堕落》で奪ってシンクロするぜ」みたいな悠長なことをやっていられない可能性が高い。

・《琰魔竜王 レッド・デーモン・カラミティ》(シンクロ/レベル12/ドラゴン族
こちらも言うまでもなく強いカードではあるが(なんなら執筆時点ではまだ生きているものの次の改定(2024/01/01)を生き残っているか怪しい)、「チューナー2体+チューナー以外の闇属性ドラゴン族シンクロモンスター1体」という非常に重い指定をしてくるため、とてもではないが【デーモン】で出すほどの余地はない。
大体が、本家【レッド・デーモン】ですら出すのが大変なカードだというのにただのデーモンごときに出せるわけがないんですよええ。だよなあ《赤き竜》?
追記:
24/01/01付で見事禁止カードとなりました。合掌。
ちなみに「デーモン」における初の禁止カードです。名誉かこれ?

・《デーモンの斧》(装備魔法)
・《デーモンの杖》(装備魔法)
事情が似ているためまとめて記載。
前者はシンプルな攻撃力1000アップ、後者は装備モンスターの攻撃力の半分の数値分相手の攻撃力をダウンさせる装備魔法。
その性能自体は確かなほうなものの、そもそもが「攻撃を上下させるだけの装備魔法」という時点で現代ではやはり微妙な存在になってしまうことは否めない。
デーモンにおいては最強の装備魔法《堕落》があるため、採用する場合は装備魔法のサポートカードと併用したいものの、最も扱いやすい《アームズ・ホール》が召喚権を食ってしまうせいで、展開力に大きく欠けるデーモンにおいては辛いことこの上ない。
《パワー・ツール・ブレイバー・ドラゴン》ならば容易に装備できる上に《堕落》の発動条件も満たせるものの、当の《堕落》をサーチすることは不可能であるため相性はなんとも言えない。
その他のデーモン(というかだいたい魔神像)を考慮すると《アームズ・コール》を採用するのが最も無難である可能性は高い。

・《デーモンの宣告》(永続魔法)
効果の面ではこれもある意味「たまたまデーモン名称を持ってるだけ」カードの1枚と言える。
デーモンにおいてデッキトップが重要となるカードはLEDE発売後時点では存在せず、サーチのしやすさ以外で【デーモン】にこのカードを採用する事があるとすれば「ささやかな墓地肥やし(失敗時)」「LPを払う効果を持つこと」の2点だろう。
基本的にモンスターが落ちれば損はせず、通常罠が落ちた場合も《白銀城の魔神像》の強化につながると考えられなくはなく、また《パーペチュアルキング》が存在していれば攻守どちらかが500のモンスターをデッキから落とすことができるようになる。
ただしどちらも理由としては弱いため、やはり本格的に運用するのであれば【天変地異コントロール】のようなデッキに寄せていくことになるだろう。

・《伏魔殿デーモンパレス-悪魔の迷宮-》(フィールド魔法)
自分の悪魔族の攻撃力500アップと、回りくどい特殊召喚効果を持つフィールド魔法。
「伏魔殿」で「デーモンパレス」と読み、すなわちデーモン名称を持つため《トリック》によるサーチや《堕落》の維持条件になれる点では優秀といえば優秀ではあるし、パンプアップ効果も無駄にはなりにくい。
問題はひとえに特殊召喚効果のほうで、「レベルを持つ自分のデーモンを対象に取り」「効果処理時に自分フィールドの別の悪魔族を除外して」「除外以外の場所から対象に取ったデーモンと同レベルのデーモンを特殊召喚」という複雑なもの。
大仰なことが書いてあるが、発動にデーモンと悪魔族の2枚以上のカードがフィールド上に必要な上、なのに結果としてモンスターは増えない(どころか1枚除外してしまう)ため、喚ぶモンスターと除外するモンスターのことを考えないと意味のないカードとなる。
よってこのカードが活きるのは【レベル6軸】や【レベル8軸】のような「同レベルのデーモンを大量に採用する」ときに限られるため、半ば専用構築に近いものとなる。
ただでさえデーモンは展開らしい展開がほとんどできないテーマであるため、効果処理時に除外するための悪魔族として《E-HERO ヘル・ブラット》や《デビルズ・サンクチュアリ》などを用意するのも悪くない。

・《同契魔術サイマル・デーモンズ》(通常罠)
ルビなしではデーモン感のないカードだが、「サイマル・デーモンズ」と読むカード。なおイラストは魔鍵。
効果は《次元障壁》の相互互換であり、既に自身のフィールドに存在するモンスターと同じ種類のモンスターの特殊召喚を発動ターンのみ封じるカード。《トリック》によるサーチや、《魔神像》によってセットした《フェアーウェルカム・ラビュリンス》からのセットが狙えなくはないが、相手のデッキによっては微塵も刺さらないカードであるためメインから採用するのはちょっと考えさせるカード。
パンプアップ効果もあるが、こちらはこちらで特殊な条件であり、デーモンにおいて満たそうとする場合は《召喚》リメイクモンスター群(降臨/顕現/招来/超越)を採用するデッキであれば……?というところ。その場合でもデッキに余裕がない可能性は高い。

・《ナイトメア・デーモンズ》(通常罠)
相手フィールドに、悪魔族で攻/守ともに2000の強力なトークンを3体も生成するカード。
更に発動には自分のモンスター1体のリリースが必要であり、言うまでもなくコンボありきの非常にピーキーなカードである。
このカードで特殊召喚したトークンは破壊されるとコントローラーに800ダメージを与えるため、全体攻撃持ちのモンスターで全てをなぎ倒す運用が求められる。
なんとデーモンとその関連カードには《バーサーク・デッド・ドラゴン》、《カオス・デーモン-混沌の魔神-》という2種類の全体攻撃持ちモンスターが存在し、きちんと構築を練り上げれば1ターンキルも視野に入る……かもしれない。
あるいは《洗脳解除》《所有者の刻印》などで奪う運用も考えられるが、前者は《堕落》との相性が悪いためデーモンデッキで使うには頭をひねるところである。

D.使い所があるのか怪しい性能

───なるほど、こいつは重症だな

クソカード医学会・学会長

・《悪魔の鏡》(通常/レベル2)
・《デーモン・ビーバー》(通常/レベル2/地属性/獣族
【デーモン】目線で強引に運用しようとする際には用途が似るのでまとめて掲載。
OCGの一番最初のパックである「Vol.1」でともに初登場した元祖デーモン。種族と属性こそ違うものの、ともにレベル2の通常モンスターであるためそれらの要素を活用するのが無難となる。
共に《レスキューラビット》でリクルートでき、その他の通常モンスターサポートも大量にあるため出すだけなら容易。その後何をするのか?があまりにも重要である。《ヘルポーン》も絡めた【ローレベル軸】か、《召喚》や《ソルジャー》を採用した【通常モンスター軸】になるだろうが、うまく組まないと【デーモン】である必要がないか、あるいは3期レベルのデッキになるのが目に見えている。
下記の《タルワール》も含めて5種類も通常モンスターがいるのは「デーモン」の特徴の一つと言えるため、そちらに寄せるほうがデッキの色は出るだろうか。ただ強いかどうかは……

・《タルワール・デーモン》(通常/レベル6)
守備力の高さから《影のデッキ破壊ウイルス》の媒体にできはする点以外、ステータス面は殆どの場合《召喚》でOKと言わざるを得ない。
また《悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン》の素材になれるたった3体のデーモンのうちの1体であることをなんとか活かしたいが、その3体のうちの1体はもちろん《召喚》であるため、どうあがいても《召喚》の4体目以降というポジションを離れられない。

・《デスルークデーモン》(レベル3/光属性
ルークのカードだが特に突撃に向いていたりはせず、チェスデーモン共通の不完全な対象耐性は3のみともっとも弱い部類。ライフコストは500LP。
レベル3の光属性であるため、《魔神像》と並べば最強耐性の《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》になれるものの、その目的であれば《エキセントリック》でいいことは火を見るよりも明らかである。
このカードの真骨頂はやはり《ジェノサイドキング》が破壊され墓地へ送られた時の蘇生効果であり、戦闘破壊を含めたあらゆる破壊に対応するのは良い点である。ただし時の任意効果ゆえにタイミングは逃すし除外されると復活できない。
多少の難はあれど、《ジェノサイドキング》が救われた時にこそこのカードも救われるのだろう……というそんなカードである。
追記:
24/04/27発売のINFOにて登場するカテゴリ「デモンスミス」が、なんと「光属性・悪魔族」をサポートする。そのため、デーモンにはわずか3種類しかいない当該ステータスの1体として活躍できる……かもしれない。
ただし他2体の光悪魔デーモンはどちらもデーモンにおける超有用カードであるため、《デスルーク》が7枚目以降でしかない事実は重たい。

・《ダークビショップデーモン》(レベル3/水属性
ビショップのデーモンだが特に45°方向に移動したりはせず、チェスデーモン共通の不完全な対象耐性は1・3・6ともっともマシな部類。ライフコストは500LP。
このカードは共通効果以外の効果を何も持ち合わせていないが、代わりにその不完全な対象耐性の範囲を自分のデーモン全てに及ぼせるのがメリット。同様の不完全耐性を持つチェスデーモンの効果とは重複し、またその出目も《出たら目》があれば完全耐性となるため、効果の汎用性ではもっともマシなチェスデーモンともいえる。
問題はこのカードの攻守が死ぬほど貧弱な点、対象を取らない除去には無力な点、無駄に水属性であるために一部のサポート対象外だったり縛りに引っかかる点である。《万魔殿》が戦闘破壊に対応しないのもあり、戦闘への対策やその他の除去への回答が【デーモン】に増えたときに真価を発揮するだろう。

・《ジェノサイドキングデーモン》(レベル4)
キングのデーモンだが特に全方向に移動できたりはせず、チェスデーモン共通の不完全な対象耐性は2・5と頭を悩ませる部類。ライフコストは800LP。
メリット効果として、スキドレのおじさん《冥界の魔王 ハ・デス》と同様の「戦闘破壊したモンスターの効果を無効にする」という珍しい効果を持っており、昨今よくある「墓地へ送られた場合に発動」などを封じることができる。ちなみに戦闘破壊後に除外される場合でも無効にできる。……のだが、いかんせん攻撃が2000しかないため、補助なしには戦闘破壊を狙いにくいのがまずネック。
※加筆:過去の裁定では「戦闘破壊後に除外される場合でも効果が無効にできる」だったと記憶していたのだが、ワタシの知らないどこかのタイミングで戦闘破壊後に墓地またはフィールドにいる場合のみ効果が無効になるという仕様になっていたらしい。マジで?そもそもの記憶違いか?
詳細はマスターデュエルにおける「ほぼ全テキスト最新化」によってよりわかりやすくなったテキストに詳しい。)

非常にわかりやすくなった新テキストの《ジェノサイドキング》。

そして、デメリット効果として「自分フィールドに「デーモン」モンスターがいなければ召喚も反転召喚もできない」というものがあり、これによってせっかく下級モンスターであるのに通常召喚がしづらくなってしまっている。幸い特殊召喚には制約がないため、現代では《ダイス・ダンジョン》からサーチした《ディメンジョン・ダイス》の効果で適当なモンスターをリリースしてデッキからの特殊召喚を狙うのが無難である。
だが一番の問題は「そこまでして出してその後何すんの?」という点。
半端な耐性はその出目のせいで《出たら目》のサポートに一切引っかからず、自身をサポートするカードは複数あれどまともなものは《デスルーク》のみ、維持を目的にしても《ダイス・ダンジョン》を展開していると《万魔殿》での踏み倒しができないためこの攻撃力ではジリ貧……と、どうにも現代の基準では過去に取り残されている感が否めない。
このカードに加え《ダイス・ダンジョン》《出たら目》《ダークビショップ》《魔神像》、手札に《デスルーク》までが揃えば比較的強固な盤面と言えるが、モンスターの展開だけですら【チェスデーモン】はおろか【デーモン】にもそんな展開力はなく、重要なサポートである《出たら目》がほとんどサーチが現実的ではないというところも加わり、得てして絵に描いた餅止まりになりがちである。サイコロサポート増えてくれ!
(余談)
このカードこそが我が魂のカードであり、このカードとの出会いがあったためにワタシはデーモンを好むようになった、そんなカード。
だから本当はなんとかして活かしたい。なんとかならんか……?

・《インターセプト・デーモン》(レベル4)
ダメージとコストという若干の違いはあるが、《Live☆Twin リィラ》とだいたい同じ効果を持つデーモン。若干どころではない違いとして、こちらは自身が攻撃表示の時というとんでもない指定がある。しかしこのカードの攻撃力は1400しかない。
自身のステータスがショボいので何度も発動を狙うのはあまり現実的ではなく、かといって軸にするほどのダメージ量でもないという微妙なラインを突いている。幸いにしてデーモンには《ヘルポーン》《魔神像》という攻撃誘導モンスターが存在するが、今度はこの2体が並ぶと相手が攻撃宣言を出来なくなるという点でシナジーしきっているとはいい難い。
効果は重複するため、《地獄の暴走召喚》などで複数並べつつ、ステータスのより高い《魔神像》を添え、更に何らかの効果で相手に攻撃宣言を共用する……という非常に手間のかかる運用になってしまうだろう。

・《マッド・デーモン》(レベル4)
貫通効果を持つ下級アタッカーであり、デメリットのような効果として攻撃対象にされると守備表示になる効果も持つデーモン。
どちらの効果も戦闘に関連するあたりが非常に5~6期臭のするカードであり(事実として6期初期のカード)、現代遊戯王において居場所があるかと言われると非常に怪しい。
守備力が0、レベル4デーモンであることなどの特徴こそあれど、ステータスに採用理由を求める場合でもまず《騎兵》で問題ないと言わざるを得ない。強引にでも貫通効果を活かすのであれば相手を守備表示にする効果と組み合わせられなくもないが、そこまでして貫通を狙うくらいならハナから除去を考えたほうが得策である。
デーモン(というかレッド・デーモン)の関連カードとして、相手モンスターを裏側守備表示にする効果を持つ《クリムゾン・ヘルガイア》がありはするが、効果の発動条件に《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の攻撃宣言を要する時点でそちらの効果で裏守備のまま破壊したほうが早いのは言うまでもなく、よくて《レッド・デーモンズ・ドラゴン》として扱う別のシンクロモンスターと並んだ時に使えるかどうか……というラインでしかない。

・《ランサー・デーモン》(レベル4)
自分のモンスターが相手の守備表示モンスターを攻撃する際に発動して貫通を付与する、貫通効果持ちモンスターとしては異色の効果を持つデーモン。
どうして永続効果じゃなかったのか、どうしてこんなしょうもない効果なのに名称ではないターン1制限がついているのか、どうして自身のステータスがあまりにも中途半端なのか……と、貫通効果を持つカードの中でも屈指の使いづらさを持つ。
貫通効果を付与したければ《EMラクダウン》や《ビッグバン・シュート》でも採用したほうが早く、こちらは召喚権も必要なければサーチもまだ容易な部類である。
《ランサー》を強引に活かすのであればやはり《伏魔殿》からリクルートしたい。そうすれば自身のみの状況でも攻撃力2100の貫通効果持ちモンスターになれはする。なお《伏魔殿》の使いづらさについては当該項目を参照されたい。

・《プリズンクインデーモン》(レベル8)
メインデッキに入るデーモンとしては初めて最上級モンスターとして登場したデーモン。ちなみにEXデッキも含めると《ブラック・デーモンズ・ドラゴン》のほうが先となるのは言うまでもない。
最上級にしては物足りない攻撃力の上、なんとフィールド上で発動する効果はスタンバイフェイズ時のライフコストしかないという体たらく。
このカードの真価は自身が墓地にいる際に発動できる攻撃力1000アップの効果にある……のだが、その条件が「《万魔殿》が存在する場合の」「自分スタンバイフェイズに」「レベル4以下の悪魔族の攻撃力を」「そのターン中のみ」アップさせるだけという正直言って苦しい効果。
更に細かいところまで突っ込むと「対象を取る強制効果」のため対象が存在すれば必ず発動せねばならず、どういうわけか相手の下級悪魔族も対象に取ってしまうため、相手フィールドにしか対象の悪魔族が存在しない場合も強制的に攻撃力を1000アップさせてしまい、また、誘発効果のくせに「このカードが墓地に存在する場合」というインクのシミの解釈の都合のせいで、効果処理時に自身が墓地からいなくなっていると適用されないという小回りの効かなさがある。
強引に言い換えるならば「相手フィールド上にのみ対象の悪魔族がいる場合はチェーンして蘇生すれば攻撃力アップを回避できる」と言えなくもないが、その場合はデメリット効果であるライフコストを払う必要が出てくる。なおこのライフコストも他のチェスデーモン同様、払える場合は必ず払う必要があるという点で重症といえる。
どうしても運用する際はその他の優秀な2体のレベル8デーモンと共に【レベル8軸(上級・最上級軸)】として運用するのが関の山であり、その場合もよくて7枚目のレベル8デーモンとしての運用に留まるだろう。
唯一に近いこのカードの独自性を上げるなら「1000のライフコストを払える唯一のデーモン」である点。そのため《パーペチュアルキング》が存在する際にこのライフコストを払うことができれば、デッキから《トリック》を直接墓地へ落とすことができるのである。というかマジでこれしかない。

・《レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスター》(特殊召喚/レベル10/ドラゴン族
某オベリスクに治療されたためギリギリD区分としています
とにかく重いの一言であり、また出したところで敵味方関係なく自身以外のモンスターが全員吹き飛ぶ……という重症ポイントを抱えたモンスター。
しかしデーモンは破壊されたいカードが多数おり、そこへ意図的に巻き込みつつ相手の全体除去もできればあるいは……?というロマン要素を持ったモンスターでもある。
ただし、そんなことを狙おうとしている時点でこのカードを軸に構築しないとつらいことは言うまでもないため、【デーモン】というより【レッド・デーモン】の派生系デッキのようになるだろう。
ちなみに《ディザスター・デーモン》の解説に出した「ほぼ」の例外がこいつであり、このカードを万魔殿下にて破壊できればメインデッキに入る正真正銘全てのデーモンがサーチできる。

E.重体、瀕死あるいは死亡

いわゆる「超」重症カード。ご臨終です……

・《シャドウナイトデーモン》(レベル4/風属性
ナイトのデーモンだが特にハネた動きをしたりはせず、チェスデーモン共通の不完全な対象耐性は3のみともっともひどい部類。ライフコストは900LP。
下級ながら攻撃力2000……とだけ書けば聞こえはいいが、同時に与えるダメージが半分になるという致命的なデメリットを持ち、また維持コストも900と異様に重い。一応、900という数値ゆえに《パーペチュアルキング》と並んでいればデッキから《インフェルノクイン》や《魔サイの戦士》を落とすことはできるが、展開力が皆無のデーモンにおいて《パーペチュアル》と《シャドウナイト》をどう並べるんだとか、その2体を自分のスタンバイフェイズまでどうやって維持するんだ、などの問題は尽きない。
キングと違って素直に通常召喚はできるものの、サポートさえあれば容易に特殊召喚ができるような時代においてそんなものはメリットとは言い難く、また対象耐性も1/6でしか適用できないなど情けない点が非常に目立つ。
無駄に闇属性ではないため一部のサポートカードの恩恵から外れてしまうのも難点。風属性であることを活かせればあるいは……?

・《インフェルノクインデーモン》(レベル4/炎属性
クイーンのデーモンだが特に全方向にまっすぐ移動できたりはせず、チェスデーモン共通の不完全な対象耐性は2・5と頭を悩ませる部類。ライフコストは500LP。
お互いのスタンバイフェイズに、フィールド上のデーモン1体を対象に取って攻撃力をエンドフェイズまで1000アップさせる効果を持つ。
素の攻撃力はたったの900しかないものの、自身の効果で攻撃力を1000アップさせることができる……のだが、そもそも自身を強化するくらいであれば初めから1900打点のカードを用意するほうが遥かに早い。やはり他のデーモンの打点アップに使うのが素直な運用であるが、そうだとしても今度は発動するのが遅いという問題を抱えている。
そしてこのカードを使用して攻撃を1000上げるくらいなら、まだ《伏魔殿》での500アップを複数の悪魔族へ適用するほうが総合ダメージでは勝るだろうし、相手の高打点を乗り越えるための手段だとしても《月鏡の盾》でも装備したほうがマシである。なんなら同じ1000アップのカードとしてはテーマ内に《デーモンの斧》すらある。
自身が持つ不完全耐性も、キングと同じ2・5のみの対応であるため《出たら目》によるサポートができず、33%の運否天賦ではまるで心もとない。
炎属性であるため《賜炎の咎姫》による蘇生が可能……ではあるのだが、その目的だとしても悪魔族をサポートする炎属性である《炎魔の触媒ザラマンデル・カタライザー》であまりにも充分であり、そちらであれば自らの効果で墓地へ行くためどこにも立場がない。

・《トゥーン・デーモン》(トゥーン/レベル6)
《召喚》がトゥーン化した姿。
デーモン以前にトゥーンであるため、そもそもトゥーンモンスターを【トゥーン】以外で採用するなという話である。
そんな彼はその【トゥーン】ですら現代のインフレに完全に取り残された側であり、デーモンどころかトゥーンで採用するのすら難しい。せめて特殊召喚にリリースが必要なければ……
一応、「トゥーン」側にも《堕落》と非常に良く似たカードである《コミックハンド》があるので、コントロール奪取を軸にした【デーモントゥーン】のような無茶なデッキができる可能性はなくはないが、肝心のこのカードがあまりにも情けないため形にできるのかは怪しい。

・《デス・デーモン・ドラゴン》(融合/レベル5/風属性/ドラゴン族
「デーモンにおいて融合は簡単なギミックではない」
「融合素材すらどちらも扱いづらい」
「そのくせ融合素材代用モンスターが使用できない制約持ち」
「その制約のせいでレベル5なのに《簡易融合》で出せない」
「出せてもステータスが低い」
「効果は特徴的だが正直微妙寄り」
「闇属性でも悪魔族でもないためサポートの共有がほぼできない」
ともう頭が痛くなる要素の塊。
まだマシな融合体デーモンである悪魔竜のほうを出すギミックを搭載するのであればあちらもドラゴン族に縁があるため……と言いたいところだが、言うほどシナジーを形成しないため(せいぜい《龍の鏡》あたりか)事故率が上がるだけと思われる。
このカードを出しやすくするカードである《突然変異》《魔導サイエンティスト》《デビル・フランケン》といったカード群が軒並み禁止カードであることも重くのしかかり、また出せたとしても「出して何をするのか」があまりにも不明瞭であるため、例えば「「デーモン」融合モンスター」のような指定をするカードの登場が待たれる。

・《ブラック・デーモンズ・ドラゴン》(融合/レベル9/ドラゴン族
バニラ融合モンスターという時点でそもそも立場が怪しく、何より融合素材が重いため出そうと思うと相当に構築が歪むことになる。極めつけにこのカードが出せる時点でほとんどの場合《悪魔竜》のほうも出せる可能性が高く、そんな中でこちらを採用する理由が【デーモン】にはまるでないのが非常にきつい。
デーモンには多くの通常モンスターがいるため、一部のデーモンサポートを使いつつの【凡骨融合+デーモン】のようなデッキは組めるかもしれないが、そうするとデーモン要素が邪魔をしかねないため構築難易度は跳ね上がるだろう。

・《ディスカバード・アタック》(通常魔法)
このカードに加えてデーモン1体のリリースを要求するくせに、結果としてできることが《ジェノサイドキング》をこのターン限定のダイレクトアタッカーにするだけ……という気が狂ったカード。これで何すんの?
そして当の《ジェノサイドキング》の効果といえば相手モンスターを戦闘で破壊することによってその効果を無効にする効果であり、モンスターそっちのけでダイレクトアタックをする意味がまるでないのである。wikiにもあるように、このカードで行うより強い行動をこのカードより少ない消費で行う手段が複数ある点でもどうしようもなさが目立つ。
極めつけに、「ディスカバードアタック」というのはれっきとしたチェスの戦法なのだが(将棋で言うところの開き王手に該当する)、キングの駒ではどうあがいてもこの戦法を取ることは不可能である。よくてキングを動かしてルークやクイーンによるディスカバードアタックを仕掛ける……というのが筋であり、キングが攻撃するカードのカード名にはあまりにもふさわしくないのが実情である。
""原作再現""すらできないこのカードはむしろ何ならできるんですか?

・《血の刻印》(永続罠)
名前が似ているが《血の代償》とは1ミリも関係ないカード。
その効果は「チェスデーモン」と一部デーモンが持つ「スタンバイフェイズ時のライフコスト」を相手に払わせる……カードだったらどれだけよかったことでしょう。実態は
「こちらのデーモン1体を対象に取って発動」
→できればライフコストのあるデーモン全てに働いてほしいがしゃーなし
「対象のデーモンのライフコストを相手にも支払わせる(自分も払う)
→???
「このカードがフィールドを離れた場合対象のデーモンを破壊する
????????
……と、どこを取っても恥ずかしい性能をしている御臨終カードである。
ライフコストの押し付けではないので別の回復手段やバーン手段を用意したほうが遥かに安定するし、またデーモンを破壊する用途だとしても罠カードの遅さが足を引っ張り、そもそもライフコストを持つデーモンに「破壊された場合のメリット効果」を持つものが存在せず、仮に今後登場したとしても《ブラック・ホール》でも撃ったほうがはるかに手っ取り早い……と、ホントのホントに手の施しようがない。

Z.【デーモン】に採用するには無理がある

「デーモンには入らないだけで強カード」「強くなくはないがデーモンには入らない」「デーモン以外でも弱い」の3択。

・《ミミグル・デーモン》(地属性/レベル1)(2024/09/25追記)
TCG版のINFOにて初登場したテーマ「ミミグル」の1体で、日本への上陸は2025年の9月頃と予想される海外新規モンスター。
ミミグル特有の相手に押し付ける前提のデメリット効果と手札から相手フィールドに自身をセットする効果、それと自身の着地時にお互いのセットモンスターのうち1体を表側表示にする効果を持つ。
特に効果発動に関する制約などは持ち合わせていないものの、それでも所持している効果はほとんど「ミミグル」のための効果と言ってよく、【デーモン】において活かすには難しい効果と言うほかない。
無理やり運用するのなら、例えば「デーモンが他に存在しないのでセットした《ジェノサイドキング》がいる状況で召喚・特殊召喚をすることで、その《ジェノサイドキング》を表側攻撃表示にする」みたいなことはできるかもしれないが、カードの必要枚数などを加味すればさすがに「それをやって何すんの?」感は否めない。
ただし「デーモン」においては一つだけ特徴的な要素を持っており、初めてのレベル1モンスターのデーモンであることは特筆に値する。そのため、《万魔殿》下で《ヘルポーン》が破壊された時のサーチ先としては一考の余地くらいはあるかもしれない。
また2枚目のリバースモンスターのデーモンでもある。先輩の《テイマー》もそういえば地属性ですね?

・《インフェルニティ・デーモン》(レベル4)
【インフェルニティ】においては彼がいないと始まらないレベルの必須カードだが、効果の発動のためにはハンドレス状態を要求されるため【デーモン】でやるには構築が相当歪む。一応《サイバーデーモン》とシナジーがなくもない……が、あっちはあっちで扱いづらい効果であるため無理に狙うほどか?という疑問はついて回る。
一応こちらは自身もサーチできるのと、【デーモン】においても彼を特殊召喚する手段自体はそれなりにあるため(《伏魔殿》や《呼び声》など)、趣味で組む分には……というところ。ただ、このカードを活かそうと思うともうそれはほぼ【インフェルニティ】であるため、結果としてその他のデーモン要素が抜けていくことは想像に難くない。

・《アンデット・スカル・デーモン》(シンクロ/レベル6/アンデット族
チューナーに《ゾンビキャリア》を指定、チューナー以外に2体以上のアンデット族を指定という激重モンスター。
デーモンにアンデット族はこのカードしかいないため【デーモン】で出すのは言うまでもなく無理がある。出せても弱い

・《メンタルオーバー・デーモン》(シンクロ/レベル9/サイキック族
デーモン名物、「たまたまデーモン名称を持ってるだけ」カードの1枚。
素材指定が最低でも「サイキック族チューナー+サイキック族+サイキック族」であり、もはやデーモンや悪魔族の付け入る隙が存在しない。サイキック族のデーモンとしては《メンタルスフィア・デーモン》がいるものの、素材を最低3体要求するレベル9のモンスターにレベル8のモンスターを素材として使用するのはそのままでは不可能であるためやはり現実的ではない。
また、メンタルスフィアの上位種に見せかけて全然関係ない効果であり、実は名前が似ているだけのそっくりさんかもしれない。

・《CNo.102 光堕天使ノーブル・デーモン》(エクシーズ/ランク5/光属性/天使族
デーモン名物、「たまたまデーモン名称を持ってるだけ」カードの1枚。
何一つ噛み合わない種族と属性、要求してくる素材が(CNo.なので当然とはいえ)光属性レベル5×4体とかいうハチャメチャ具合、《No.102 光天使グローリアス・ヘイロー》からのランクアップで出そうにもそちらも要求する素材が光属性レベル4×3体という有様で、とてもじゃないが【デーモン】で出すことは現実的ではない。
一応デーモンにも光属性のレベル4である《ヴァイス》が登場し、彼女の所属するライトロードには多くの光属性レベル4モンスターが存在するため、ライトロード要素を多めに積めば《グローリアス・ヘイロー》を出すことはできるかもしれないが、そこからのランクアップも簡単ではない上に「《ノーブル》を出した後何をするのか」が明瞭でない限り出すのが目的になって終わってしまう。
ちなみに《グローリアス・ヘイロー》のほうはデーモンにテコ入れの入ったパックであるJOTLの同期である。

・《ベクター・スケア・デーモン》(リンク/リンク3(上・右・左下)/サイバース族
デーモン名物、「たまたまデーモン名称を持ってるだけ」カードの1枚。
要求する素材がサイバース族2体以上であり、もうこの時点で【デーモン】で出すのは現実的ではない。せめてリンク2なら、せめてサイバース族を含むであれば出せたかもだが……
闇属性サポートは共有できるが、サイバース族を要求してくることには変わりがないので根本的な問題は解決できない。
効果自体はデーモンらしい変則的コントロール奪取であり、少数のサイバース族の出張によって出すこと自体は楽な部類かもしれない。

・《剣闘獣の闘器デーモンズシールド》(装備魔法)
デーモン名物、「たまたまデーモン名称を持ってるだけ」カードの1枚。
言うまでもなく剣闘獣のためのカードであり、そしてそんな剣闘獣でも入れる価値がないに等しいカード。強引に採用するにしても、おそらく【剣闘獣】に《堕落》などを加えたほうがいいだろうし、まず間違いなく趣味の域を出ない。

3.サンプルレシピ

むしろどなたかいいレシピをください

参考として、《ヴァイス》《光来》が来る前に組んだ【デーモン】のレシピを掲載。
言うまでもなくファンデッキレベルです。逆に【デーモン】の体裁を保ちつつ最低限公認大会レベルに仕上げることができるスーパーデッキビルダーの方が居ましたらご一報ください。多分破械の力が必要だけどそれ純【破械】でよくね?

よくて遊戯王の日向け

いわば「魔神像軸」のデーモン。
素引き/《トリック》/《万魔殿》+《ジェネシス》のいずれかの方法によって《魔神像》を引き込み、各種罠の発動によって特殊召喚、可能なら《減るポーン》との切り込みロックも狙っていく形。
《トリック》は《将星》《バーサーク》によって割ってもよし、《デスキャスター》の効果で捨ててもよし、《魔サイ》や《悪魔の技》で落としてもよし。

また、現在研究中の【サモソ採用デーモン(っぽい悪魔GS)】のレシピ……の前に解説を掲載。

まだ未完成。40枚未満だと公開できないのかこれ

◎解説(ns、ss、Lsなどの略称を使用します)
必要:招来神or解門、☆6以上のデーモン(手札コスト)、特定の悪魔族4種(トリック/魔サイ/ヘルエンプレス/騎兵)のどれか、何でもいい手札コスト(※プランAのみ)
ヤマが立てばいいので解門スタートも可、その場合デッキに召喚神も必要
※まずこの時点で手札3枚or4枚を要求する時点ですべてを察してください。

◆共通ルート
1.招来神Ans→解門サーチ、解門で招来神Bサーチ
2.招来神A効果適用で招来神Bns
3.2体でヤマLs、ヤマ効果でシャバラサーチ
4.解門効果で手札コスト(☆6以上デーモン)を捨てて招来神ss
5.ヤマ+招来神でサモソLs
6.サモソ効果でA「ヘルエンプレスor騎兵」かB「トリックor魔サイ」を相手に押し付け、デッキからAとBのうち出してない方をss(それぞれ前に書いてある方が優先)
7.手札のシャバラ効果で、自分の場にリクルートした悪魔を破壊してss

◆ルート分岐;今破壊した悪魔が
 A.ヘルエンプレス/騎兵
8.破壊したデーモンの効果で、解門コストで捨てた☆6以上デーモンを蘇生
9.今蘇生したデーモンとシャバラでデスキャスターLs、墓地に落ちたシャバラ効果で慟哭をサーチし即発動
10.デスキャスター効果で手札コストを捨てて任意の悪魔を蘇生
11.今蘇生した悪魔とサモソでライゴウLs、慟哭効果で相手に押し付けたトリックor魔サイを破壊
(ついでにライゴウ効果で相手の場のカードをもう1枚割ることができる)
12.(魔サイの場合はトリックを落とし、)トリックでバーサークをサーチ
13.バーサーク効果でデスキャスターを破壊してss、墓地のヤマ誘発効果で☆6以上デーモンを蘇生
(ヘルエンプレスが落とせていればそちらの蘇生がなおよい)

結果:ライゴウ+☆6以上デーモン+バーサーク(相手にモンスターがいればその攻撃分打点UP)
・残っている慟哭はワンチャン狙いでラギア/アルバのLsに取っておいてもいい
・初手に万魔殿も持っていれば手札に7以下(ヘルエンプレス)か3以下(騎兵)のデーモンが増え、トリックも破壊できていれば2以下のデーモンも増える

 B.トリックor魔サイ
8.(魔サイの場合はトリックを落とし、)トリックでバーサークをサーチ
9.シャバラ対象にバーサークss
10.c1バーサークで対象ヘルエンプレス/騎兵、c2シャバラで慟哭セット、c3ヤマで適当に蘇生(ここでは☆6以上デーモンとする)※この際、3つのチェーン順は問わない
11.サーチした慟哭を発動
12.サモソ+☆6以上デーモンでライゴウLs
13.慟哭効果で相手に押し付けたヘルエンプレスor騎兵を破壊し、その効果で☆6以上デーモンを蘇生
(ついでにライゴウ効果で相手の場のカードをもう1枚割ることができる) 

結果:ライゴウ+☆6以上デーモン+バーサーク(ヘルエンプレス/騎兵のATK分パンプ)
ただし騎兵を破壊した場合は☆6以上デーモンは殴ることが出来ない点は注意
ヘルエンプレスを破壊した場合は3000+4900+☆6以上デーモンのためリーサルに届く
プランAと違いデスキャスターが出ないため手札が1枚少なくて済む

この展開例はまだ《デモンスミス》や《ファントムオブユベル》が台頭してくる前に練り練りしていたものであり、正直それらを混ぜていくことで更に展開自体は伸びまくるはずです。
【デーモン】目線で言えば、《サモソ》によって《ヴァイス》《エキセントリック》《デスルーク》のいずれかをリクルートすることができればそのままデモンスミスギミックにも移行することが可能であり、その際に《堕落》でも持っていれば相手に押し付けたデーモンを奪い直してリンク素材にしたりする展開も可能なはずです。
……という根拠のない想像をもとに、一応はデッキの形にしたサンプルレシピを掲載。

こんなデッキでも意外と初手5枚のどこかに動けるカードが来るんです。ホントなんです!

4.終わりに

この文章を書いている時点(24/05/11)では最新の悪魔族ギミックはまだまだ混沌としている状態であり、あらゆる組み合わせによる伸びしろがまだまだ存在すると考えています。ワタシの頭でそれらをひり出せるかはともかく
デッキからデーモンが抜けかねない点のみが懸念ではありますが、なんとかこれを形にしてしまいたいと思っています。

だから、お願いだから「デーモンをカテゴリとして纏めることができるカード」をくださいKONAMI様!!!!後生ですから!!!!!

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