<映画感想>最初の晩餐
どうも、
ノミが白昼夢をみた、です。
常盤司郎監督の長編映画『最初の晩餐』を見ました。
最近経験しなかったほどの満足感を得られました。
なんか心が満たされて、気持ちがポカポカしています。
『最初の晩餐』の皆様、心から感謝いたします。
この映画のテーマは、家族です。
ありふれているようで、家族はいつの時代でも感情に強く働きかけますね。
ある日を境に一緒に暮らすようになった、2つの家族。最初はぎこちない部分もあったけど、時の流れとともにだんだん互いを受け入れ、家族となっていく。だが、ある出来事で長男が家を出て行ってしまう。その理由がわからないまま、長女と次男は大人になっていく。父の死がきっかけとなり、子供たちは再び実家に集まり、そこで家族の結束が試される。
一緒に過ごした思い出や、今でも謎に満ちている昔の出来事、
そして、今だからこそわかる家族の一面が暴かれていきます。
家族って、一番近くにいるけど、何考えているかわからない、と思う時ってありませんか?
私いつも思うのが、一つだけスーパーパワーがもらえるとしたら、
絶対にマインドリーディングが欲しいということなんです。
そして、それを使って両親の頭を覗いてみたいんです、ほんの少しでも。
何年も、何時間もともに過ごしたはずなのに、
実際のところ、今でも両親が何考えているのかさっぱりわからないです。
ずっと二人を「親」という生き物としてしか見つめてこなかったような気がします。
今になって「個人」としての両親を知りたいと思っても、
急に聞くのも、照れくさくて、聞けずじまいでいます。
本当に何でもいいんですが、好きな色を聞くのにしても、
計り知れないほどの勇気が要るようで、難しいです。
こうなると、他人と変わらないですね。
「家族って何だろう」
映画ではこれが問われていて、主役たちは過去を見つめ直すことによって、
家族について考えもがきます。
時に他人であるかのように思える家族のメンバーたちを繋ぎ止めるのが、
「食」で、
作品の中には懐かしの「思い出の一品」が数多く紹介されます。
どれも実に美味しそうで、自分でもやってみようかなと思っている途中です。
映画は、私がいつも思っていたことをピンポイントで指摘していて、
何だか監督に自分の頭を覗き込まれた感じがするほどです。
いうまでもなく、映画で問われているのは、全部答えのない質問です。
作品では監督自身の答えが提示されていますが、
個人的にその答えは、嫌いじゃないです。
何か気取っているわけでもなく、思想にどっぷりハマっているわけでもない。
決して確実なる答えではないですが、どこか素直で、心地がいい、
というのが全体的な印象でした。
いい家族の話に興味ある方、必見です。
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