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V睡の電気代を調べてみる:節電方法と効果について
おはようございます(昼)
VRChat始めてから半年と少し、沼にどっぷり浸かり毎日V睡しているハルジオンです。
さて、最近思うのが「…やっぱり最近電気代高くなったよな?」ということ。V睡って要は寝ている間、長時間ハイスペックPCをぶん回すわけなので、当たり前といえば当たり前。
しかし、ではいくら金を使ってるんだ?というのが分からないのが電気の難しさ。
そこで今回、消費電力を計測できるスマートプラグを導入。電気代を可視化してみた。
さらにここにV睡便利ツールのOyasumiVRによるGPU節電機能を使って、具体的にどれくらい電気代が安くなるか?も試算し、使い方も簡単ながら説明しようと思う。
以前書いたV睡のノウハウ記事と合わせてどうぞ。
①V睡の電気代を計算する
まず大前提としてウチのPCスペックを書いておく。ハイエンドPCなのでそれなりに大食いではあるが、一般的な範囲だと思う。AMDerな事以外。
CPU:Ryzen9 5900X (12 core, TDP105W)
マザボ:ASUS TUF GAMING X570-PLUS
GPU:ASUS TUF Gaming Radeon RX 7900 XTX OC Edition 24GB GDDR6
メモリ:64GB (16GBx4)
CPUクーラー:Thermaltake TOUGHLIQUID 280 (簡易水冷)
電源:Seasonic Focus PX-850S (850W Platinum)
ケース:Fractal Design r4
ケースファン:140mm x3 + 120mm x1
ストレージ:SSDx2、HDDx2
モニタ:31.5型(4K)x2、27型(FHD)x1
HMD:Meta Quest3
GPUの7900XTXはNVIDIAのRTX4080相当。CPUのRyzen9 5900XはCore i7-13700K相当と読み替えてもらえればOK。
この消費電力をスマートプラグで計測する。Wi-Fi経由でデータをスマホアプリに飛ばして自動で記録、電気代の計算や遠隔のON/OFFもできる便利アイテム。
これで計測してみた結果、電力消費はだいたいこれくらい。
・PCのアイドル状態(なにもしない):210W(+モニターが30W)
・SteamVR起動状態:270W
・SteamVR+VRChat起動状態(最小負荷):350W
・SteamVR+VRChat起動状態(高負荷):570W
V睡時に軽いワールドで一人で寝ていると最小負荷の350Wくらい、何人かで寝ていると高負荷の570Wくらい。
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この高負荷条件で、毎日7時間V睡するとして電気代を試算してみよう。
570[W] × 7[時間] × 30 [日] = 119.7[kWh/月]
2024/5時点での東京電力の電気代(下記)を参考に33.1円/kWhとすると、電気代としてはおよそ1か月で4000円ということになる。
ただし毎日V睡&ハイスペPCという条件なので、実際はもう少し安くなって、目安として1日100円と考えてといいと思う。
趣味に費やす額としてはまあ健全な範囲と思うものの、電気代として見た時には中々気になる額かなという印象である。特に実家住まいなど同居人がいる場合。
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②電気代を節約する:OyasumiVR
ではV睡やめたらよくない?という意見は聞かなかったことにして電気代を安くするべく頑張って節電しよう。
V睡というかVRChatで電力を食っているのはGPUだ。電力消費を見ると、アイドル状態(GPUはほぼ停止)での210Wに対して、GPUがフル稼働だと570W食っている。つまり360WがGPUの消費。
これを減らすのに有効なのがGPUの省電力設定。
これ自体は単体でも各種チューニングソフトから利用できるが、寝落ちしそうな時に一々これを操作するのも煩わしい。そこでOyasumiVRという自動化ソフトを使う。
(Steamで無料なのでぜひV睡する人は入れておくべき。画面輝度を自動で下げたりなどもできる)
詳しい使い方は後にして、だいたいどれくらいの効果かというと…
![](https://assets.st-note.com/img/1716551686645-qPBDJH1VXb.png)
と、実に30%ほども消費電力が減る。
GPU単体で見ると330W⇒170Wと実に50%近い節電で、この効果はかなり強烈。
先ほどと同じ計算で電気代を弾くと、
380[W] × 7[時間] × 30 [日] = 79.8[kWh/月]
つまり1ヶ月あたり電気代は4000円⇒2600円ほどまで安くなる。年間で16800円の節約と考えると、これはやらない手はない。
でもデメリットはないのか?と言うと、1ヶ月ほど使った感じほぼない。
そもそも寝ているので、ラグいとか重いとか感じるシーンが少ないし、動き回らないので処理負荷自体も小さい。
もし節電モードのまま動き回っても(あくまでRX7900XTX=RTX4080クラスのGPUでだが)そこそこ人のいるワールドで節電モードのまま動き回ると若干重い?気のせい?というレベルで、正直普段から節電モードでもいいかもと思えるくらい。
性能が低めのGPUだと多分辛いとは思うが、元の消費量が小さいので節電レベルを少し加減すれば大丈夫だろう。
もう一度言う、デメリットはほぼない。やらない手はない。
というわけでやり方と、自分の設定値を解説する。
③OyasumiVRとGPU省電力化の設定
OyasumiVRは基本的に、
・睡眠(寝落ち)の自動検出
・それをトリガーとした各種自動化(節電、ReqInの許可など)
・VRオーバーレイによる各種操作
ができるソフト。
まずは「睡眠検出」のタブから、睡眠モードを有効化する条件と、無効化する条件を設定する。この辺は省略。
さて、肝心のGPU省電力設定は、ハードウェアの自動化>GPU自動化 から設定できる。
NVIDIA製グラボの場合はこういった項目が表示される。ここの「睡眠時」の項目の消費電力を下げてやればOK。どれくらい下げるかだが、下げすぎるとカクついたり最悪落ちることになるので、一度70%くらいで様子見して、使いながら下げていけばいいだろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1716551368575-rLAkPMaTny.png?width=1200)
そして自分含めAMD GPUの場合はこの機能は使えないが、代わりにMSI Afterburnerというチューニングソフトを使って間接的に自動化ができる。
まずインストールした後、Afterburnerのexeファイルを指定してやる。
![](https://assets.st-note.com/img/1716553788345-yE1QP4ZEoU.png?width=1200)
次にAfterburnerで睡眠モード時の節電設定と、通常時の設定を作る。
画面をいじって設定を変えた後、中央右のチェックボタンで一度設定を適用すること。その後、中央下の保存ボタン⇒右側の番号と押すとそこに設定が保存される。動きに若干クセがあるので注意。
![](https://assets.st-note.com/img/1716553756890-nnCAYi4CEI.png?width=1200)
GPUによってどこまで設定が変えられるかは違うらしい。自分の場合はPOWER LIMITは-10%までしか下げられなかったし、あまり効果を感じなかった。
重要で一番効果があるのは「CURVE EDITOR」を押すと出てくるアンダーボルト設定だ(以下OyasumiVR開発者さんのコメント)
I can recommend trying to undervolt your GPU in addition to underclocking it.
— Raphii (@Raphiiko) April 24, 2024
Having tried the same with Afterburner+OyasumiVR, undervolting seemed to save quite a bit of electricity in practice.
これは周波数に対する動作電圧を変更できる設定で、ほぼ消費電力に直結する。自分はこれをデフォルト1150mV⇒800mVまで下げている。
![](https://assets.st-note.com/img/1716554370105-8YSqY2gSQv.png?width=1200)
コアクロックは2990MHz⇒850MHzまで下げた。アンダーボルトするなら、必ず連携して下げること。処理能力に直結する設定なので、カクつくなら少し設定値を上げる…のだが、アンダーボルトとアンダークロックがアンバランスだと不安定化してGPUが落ちる。
GPUが落ちた場合は、バランスが悪い可能性があるので設定を見直そう。
![](https://assets.st-note.com/img/1716554555727-AHbtakHOnA.png?width=1200)
今のところこれで安定動作しているのでご参考に。
繰り返すが、設定後は設定を適用(中央右下)⇒保存(中央下)⇒プロファイルを選択(右)して保存することを忘れないように。
なお電源オプションからCPU(PC全体)の省電力化も設定できるが、これはほとんど効果がなかった(やらないよりはマシだろうが)。
![](https://assets.st-note.com/img/1716551238102-KO2JsZk0Vt.png?width=1200)
ちなみに当初Afterburnerがうまく動作しなかったが、ドライバのバージョンを最新版に上げたら問題なく動いたことをメモしておく。
④最強の節電V睡:Quest/Pico単機
最後に、最強の節電V睡方法を書いておく。PC-VRではなく、QuestやPico4などスタンドアロン型のヘッドセット単機でV睡することだ。
Quest2, Quest3やPico4などの消費電力はいいとこ15W程度である。つまり電気代を計算すると、
15[W] × 7[時間] × 30 [日] = 3.2[kWh/月]
つまり1ヶ月あたり電気代は100円以下。文字通りPCVRとは桁が違う。
ただしPCVR勢のアバターは大半見えないか、ガビガビのImposterになるし、使えるワールドも制限される。またHMDがスリープになるとVRChatから落ちてしまうのも悩ましい。
とはいえ最強の節電方法ではあるので、お財布がさみしくて、単機V睡勢のフレンドと知り合えたら試してみてもいいかもしれない。
⑤オマケ
■HMDを外して寝ると節電になる?
Virtual Desktop+Quest3の環境で試してみたところ、Quest3がスリープになっても消費電力は変わらなかった。
VALVE INDEXやVIVEなど、他のPCVRのHMDでどうなるかは気になる所だが、VRChatが裏で走っている以上、大した節電にはならないだろうと思う。
■電力プランの選び方
最近は夜間電力が安くなる電気プランが各社にある。これってV睡民にとってはお得では?と思い、どれくらい影響があるか軽く試算してみる。
例えば東京電力管内で月200kWh消費。V睡で80kWh(全て夜間電力)、その他が120kWh(夜間電力:30kWh 昼間電力:90kWh)とすると…
夜トク8(夜間電力が安い):7314円+基本料金
スタンダードS:6488円+基本料金
…と、実は全然得にならない。
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![](https://assets.st-note.com/img/1715769180579-2pp5250hK1.png?width=1200)
自分のように自宅サーバー等で月400kWhとアホみたいに電気を使っていて割高な場合でも(夜間電力200kWh、昼間電力200kWhとして)、
夜トク8(夜間電力が安い):14848円+基本料金
スタンダードS:14177円+基本料金
と、これでもほとんど変わらない。
もちろん各社の電気料金プランで事情は変わるが、V睡するからって電気プランを変えたらぐぐっとお得に~!という甘い話はない。
まず自分のライフスタイルに合わせて電気料金プランは選ぶべきで、V睡の電気代はそれがちょっぴり夜型有利になるだけである。電気代を安くしたいなら節電が一番。
興味がある人は、スマートプラグを買って一度計算してみると面白いかもしれない。節電意識が高まってPCとモニタをこまめにオフすること請け合い
また電力会社によっては、電力の消費量をWEB上で確認できるサービスもあるので、ぜひ参考に。
![](https://assets.st-note.com/img/1716558508051-vqxZnPYD5x.png?width=1200)
■さいごに
V睡は楽しい。少なくとも自分にとっては月2600円課金しても全然割にあう趣味。VRChatはSteamで無料だしなそしてそもそも毎日V睡するのは健康に良くない(環境をしっかり整えていれば話は別)。週1-2回にしとくべきだろうし、それなら月500円とかの話。
要は「お金がかかるからV睡はやめとこ…」となってほしくはないという話。趣味なんだから金を使うのを惜しまず、でも節度を守って楽しむべし。
この記事が自分みたいなヘビーユーザーのお財布に少しでも貢献できたなら嬉しい。
あと毎日快適にV睡したい人はぜひこっちの記事も読んでほしい。
以上。
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V睡について聞いてみたいことがあればお気軽に。
オヤスミ前の深夜に安らぎの一杯を🌙
— ハルジオン (@fleabane_haru) May 16, 2024
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では、どこかの睡眠ワールドでご一緒しましょう。
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