【今話題】今注目が集まる新しい 持続可能な材料、”フラックス繊維” とは?!

note 読者の皆さんこんにちは!
Intergrow Solutions の上村です。
最近、SDGsや持続可能な材料のトピックスとして「フラックス繊維」というキーワードが話題になっているのをご存知でしょうか?

最近では、Tesla がレーシングカーでフラックス繊維を採用し約500kgの軽量化を果たしたニュースで大きな話題となりました。

しかし「フラックス繊維」ってそもそも何のこと? 一体なにができるものなの? と疑問が浮かぶ方も多いはず。そこで今回は、今さまざまなメディアで注目されるフラックス繊維について、その基本的な概要や読んでいる皆さまにとってのメリットをやさしく解説します。

「フラックス繊維」とは ”植物由来の複合材料” のこと

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そもそも「フラックス繊維」とは、畑で生育した天然のフラックス(日本語で”亜麻”)を乾燥し、茎の組織を落とし強度のある繊維だけを残したものです。欧州ではヨットや競技用自転車、テニスラケットなど、多岐に応用し始められています。

フラックス繊維が今注目されている訳


1. 炭素繊維やガラス繊維の代替

炭素繊維は、その利点を生かし航空宇宙産業やスポーツ産業に役立ってきました。しかし、その製造プロセスで排出される二酸化炭素の量が非常に多く(重量比で鉄の10倍※)、SDGsや気候変動問題への取り組みに逆行している面があります。

一方、フラックス繊維は生産時に二酸化炭素を吸収(光合成)するので、地球環境問題に対し、有効な手立ての一つとなっています。

簡単に言うと、

フラックス繊維は”二酸化炭素排出量の多い炭素繊維を代替する材料”
なのです。

2. 新しい付加価値

フラックス繊維は単なる炭素繊維の代替案ではありません。
新しい付加価値を創出します。

それは、フラックス繊維のデザイン性の高さにあります。

フラックス繊維といっても様々な種類があり、用途や性質も多様ですが、その中でも単一方向に繊維を配置した "UD (Uni Direction)" のタイプは、加工後のその模様が深い色の木目調のようになり、炭素繊維やガラス繊維ではなしえなかったデザインをつくることができます。

例えば浴槽の材料をガラス繊維からフラックス繊維に置き換えることで、同じような機械的性質を持ちながら、まるで木でできているかのような見た目に仕上げることができます。他の家電製品でも、フラックス繊維を採用すれば自然におしゃれなインテリアに馴染むようなデザインができると思います。


そんないいことずくめなフラックス繊維ですが、これからどんな応用分野が開けてくるのでしょうか。

1. 航空宇宙分野

炭素繊維が席巻している航空宇宙産業にも、いずれ環境問題への対策が求められるでしょう。

2. 自動車産業

3. スポーツ産業

4. 家電用品

まとめ

フラックス繊維はまだまだ普及していない先端材料です。

炭素繊維やガラス繊維の代替として、地球環境問題に取り組む材料となっていくでしょう。

※ 引用 

環境エネルギー材料に関わるLCAに関する文献のレビュー作製報告書
執筆者: 伊坪徳宏 原田幸明 (独)物質・材料研究機構元素戦略センター
https://www.nims.go.jp/genso/0ej00700000039eq-att/0ej00700000039nl.pdf


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