【驚愕】フラックス繊維の性質まとめ
近い将来、いわゆる高性能な製品 の色を茶色くに染めていくかもしれません。それは、天然材料であるフラックス繊維がその一部または全体を取って代わるかもしれないからです。
SDGsや気候変動問題への取り組みとして、あらゆる産業で変革が行われています。その中でも製造業は特にその影響を受けています。今や製品競争力はその性能やデザイン、価格だけでなく “持続可能であるかどうか” が重要なキーとなっています。
フラックス繊維は、あらゆる複合材料の中で最も持続可能かつ、機械的性能の高い材料の一つです。今欧州で最も注目を集めている100%植物由来の材料、その姿に迫ります。
1. フラックス繊維は100%植物由来、持続可能な材料
☝フラックスの花
フラックス繊維のもつ他の複合材料との決定的な競争力はここにあります。“フラックス繊維” とは、畑で生育した天然のフラックス(日本語で”亜麻”)を乾燥し、茎の組織を落とし強度のある繊維だけを残したものです。よって植物の生育から材料になるまで、光合成により大気中の二酸化炭素を吸収し、酸素を放出するのです。
同じ複合材料と比較に例えば、炭素繊維は石油製品であり、製造におけるアクリル繊維の炭化処理の際に大量の熱エネルギー(化石燃料の燃焼)が必要とし、大気中に二酸化炭素を大量に放出してしまいます。炭素繊維を製造するのに放出する二酸化炭素はフラックス繊維との重量比で20倍以上とも言われています。(※1)
材料そのものや製造時にエコかどうかが注目されがちですが、廃棄時にもフラックス繊維は環境への負荷を減らします。炭素繊維は製造時に炭化処理がされている為、自然に還らないだけでなく焼却処理には莫大なエネルギーを必要(難燃性)とします。一方、フラックス繊維は自然が分解するといわれています。複合材料ですから、樹脂の部分はどうかと言われれば、樹脂を “ポリ乳酸樹脂” などの生分解性樹脂に置き換えることで自然に還る複合材料をつくることができます。
2. 高い機械的性質
環境にやさしくてもその性質が優れなければ優秀な材料とは言えません。フラックス繊維はエコなだけでなく “軽くて強い材料” なのです。フラックス繊維はその特徴として、 "比引張強度が高い" ことが挙げられます。"比引張強度" とは、物体の強さを測る指標の一つで、以下の式で求められます。
比引張強度 = 引張強度 / 密度
上の式からわかるように、この数値が高いほど軽くて強い材料(※2)であることがわかります。この数値においてフラックス繊維はガラス繊維より高く、炭素繊維の約½、鉄の何と約5倍を示します。昨今では比強度が高いゆえに、航空宇宙産業や自動車産業、スポーツ産業で役立っています。
3. 人体へ無害なフラックス繊維
いくら性能の良い材料と言えども人体への害が多ければ良い材料とは言えません。アスベストなどの人体へ悪影響を及ぼす材料が消えていったように、材料の存続には健康への影響も無視できません。
炭素繊維やガラス繊維の場合、加工時に目と喉のいずれも粉塵を防止することが重要で、めがね、マスク等で粉塵の付着、吸入を予防しなければなりません。粉塵やフライが皮膚に付着した場合も、炭素繊維の一本は細い針金のようなものなので、こすると皮膚に刺さって二次的な皮膚の炎症を起こしたりします。 一方フラックス繊維は繊維が炭素繊維よりもずっと大きく、目や喉に入ったり、指に刺さることはありません。加工する人々への配慮における観点からも、フラックス繊維は優秀な材料であると言えるのです。
まとめ
今回は、今欧州で最も注目を集めている100%植物由来の材料、フラックス繊維の姿に迫りました。フラックス繊維がこれからの世界を茶色く染めていくという意味がお分かり頂けたかと思います。
この記事を読んでくださった方が、各々のものづくりでフラックス繊維を使っていただけると嬉しいです。
販売サイト
https://flaxfiber.base.shop/
弊社は上記のサイトでフラックス繊維を販売しています。ご興味がございましたら是非ご覧ください。
(※1)参考
https://www.carbonfiber.gr.jp/pdf/toriatsukai.pdf
https://www.nims.go.jp/genso/0ej00700000039eq-att/0ej00700000039nl.pdf
(※2) 強度は、引張強度、圧縮強度、曲げ強度と3種類ありますが、ここでは代表的な強度である引張強度について言及しました。
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