2020年飛騨旅〜(1)ヒマラヤ、私、そして飛騨。
岐阜県・飛騨古川〜飛騨高山に、旅をしてきました。
地元の木を使った取り組みを行う飛騨の方々に会い、飛騨の文化を見に行くことが今回の目的でした……が、その前に少し長めの「旅のきっかけ」を。
私と「ヒマラヤ精油」との出会い
飛騨旅にお誘いくださったのは、QUSUYAMA LLC.の吉水純子さん。
純子さんは「Thousand Snow from Himalaya」、通称「ヒマラヤ精油」と呼ばれる精油のメーカーの代表です。
ヒマラヤ精油は、ネパールの山岳地帯の植物から生まれた精油。
現地の山岳民族の暮らしを含めた、「環境づくり」も踏まえた商品です。
数年前に知人の誘いで参加した、純子さんの「ヒマラヤ精油のお話会」。
初めてThousand Snowのヒマラヤモミの香りを嗅いだ瞬間、電流が走ったような衝撃を受けました。
厳しい自然の中で命を育む植物の香りは、まさにワイルド!
そのお話会の後、純子さんにFacebookで友達申請だけはしたものの、特に交流らしい交流もなく数年が経ちました。
(フユザンショウ精油。普通のサンショウとは一味違う香りです)
人と自然と経済が、有機的に廻るための仕事
純子さんは今、ヒマラヤだけでなく、日本の森林に携わる方々とのコラボレーションにも取り組まれています。
三重県・大台町の宮川森林組合とは、日本では珍しい「広葉樹の森づくり」の一環として、精油や化粧品などの商品プロデュースも行ったそう。
森や水を含めた、環境の循環の中で商品を作り出す。
ひとことで表現するなら、単なる精油メーカーの枠を越えた、
「人と自然と経済が、有機的に廻るための仕事」を実践されている方。
その壮大な取り組みをSNSで一方的に眺めながら、ただ「すごいなあ」と思っていました。
(純子さんが手がけたプロダクト「木かげ」のナイトエステクリーム)
「山のこと、森のこと、一緒に学んでみませんか」
「ヒマラヤ精油のお話会」から、数年が経った2019年の年末。
突然、純子さんから「会いませんか」と、連絡が来たのです。
あんなに壮大な取り組みをしている方が、何故私に連絡をくれたのだろう?と、内心おろおろしつつ、待ち合わせの新宿のホテルラウンジへ。
お話を伺ったところ、私が数年間純子さんの投稿を見ていたように、純子さんも私が精油の産地に足を運んだり、森や木に興味を持つ投稿を見て、連絡をくださったそう。
「原料植物や環境に興味を持つアロマセラピストが、いてくれて嬉しい」
そうおっしゃる、純子さん。
お話を伺っていると、美しい自然への愛と、「山(森)の人」たちと一緒に仕事をするために勉強を重ねていることが、ひしひしと伝わってきました。
机上の理論だけでは語れない、森林の現場のこと。
「地域性苗木」を使った、広葉樹の森づくり・土づくりのこと。
商品を生み出す上での、さまざまな葛藤。
パッケージをゴミにしない、「取っておきたくなる」ような工夫。
こんな貴重な話を独り占めしてしまうのはもったいないな…と考えつつ、純子さんのお話を聞いていました。
※このお話と重なる内容が、雑誌「アロマトピア」の157号からスタートした純子さんの連載記事、「森と海と生き物としての私たち 森づくりから見えてきた世界」に掲載されています。必見です!
(年始は夫婦で日光の二荒山神社へ。杉の巨木がたくさんありました)
年が開けて、2020年。
またもや純子さんから、突然メッセージがやってきました。
「飛騨に視察に行くのですが、一緒に旅に行きませんか?
山のこと、森のこと、一緒に学んでみませんか」
ええー!!
いやいや、ワタクシなどが純子さんと一緒に旅だなんておこがましい!
……という気持ちをギュギュっと抑え込んで、私の口から出て来たのは
「はい、是非に!」
恐れ多い気持ちよりも、好奇心が勝ってしまった瞬間でした。
飛騨については全く知識がないけれど、なにか、面白い予感がする!
そんなわけで、たった2回しかお会いしたことがない純子さんのお誘いで、私にとって未知なる場所・飛騨への旅が決まったのでした。