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はじめまして 〜デザインと香りと〜

初めての投稿なので、長めの自己紹介です。

小林彩子(こばやしあやこ)です。
1975年東京生まれ、東京育ち、東京在住。
グラフィックデザイナー、そしてアロマキュレーターと名乗っています。

好きなことを、仕事にせざるを得ない

昔から、読書と音楽が好きでした。
好きが高じて新卒で音楽系出版社に入り、本の装丁や雑誌のレイアウトをするデザイナーになりました。
フリーランスの今も、読み物や印刷物のデザインが生業です。

よく「好きなことを仕事にできるって幸せね」と言われますが、極度のわがままなので、「好きなこと以外はやりたくない」のです。

好きなこと以外やりたくない→でも、生きるために働かざるを得ない
=好きなことを、仕事にせざるを得ない

というような形で働いています。


読書と音楽以外の好きなものは、「香り」。
幼稚園の頃、母に買ってもらったブローチ型の練り香水が、私のファースト・フレグランスです。

所有した香水を数えたことはありませんが、200種類は下らないはず。
旅先で自分用の香りを選んでお土産にすることも、楽しみのひとつです。


なんとなく選んだ言葉が、仕事の信条に

初めてメールアドレスを作ったのは、1994年。
香りにちなんだ名前をつけようと選んだのは、「flavour(フレーバー)」という英単語でした。
「香りづけをする」という意味です。

それ以来、パソコンや携帯のアドレスやWebサイトの名前として、なんとなく「flavour」を使うようになりました。

2006年に個人事業主になり、屋号を考えていた時のこと。
周りの人に相談したところ、全員からこんな反応が返ってきました。

「えっ、flavourの他に、何か屋号ってあるの?」

あまり考えもせずメールアドレスに使った言葉が、気がつけば自分の名前代わりになっていたのは、驚きでした。

「なにげない日常に香りづけをするように、心地いいデザインを」

完全に後付けですが、今はこれを「デザイン事務所flavour」の信条としています。


香りの言葉は、人生も変えてしまった

屋号がきっかけで、編集会社から声をかけられたのは2012年のこと。

「flavourなんて屋号をつけているなら、香りがお好きなんでしょう?アロマテラピーの実用書を作ろうとしているのですが、デザインを担当してみませんか?」

深く考えずにつけた香りの言葉は、どんどん一人歩きして、仕事まで連れてきてくれたのです。

もう廃版になってしまったのですが、それがこの本です。
台湾版も発行されました。

アロマテラピーは趣味で楽しんでいたのですが、この本を監修された先生方との出会いがきっかけになり、プロ資格である「AEAJ認定アロマセラピスト」を取得。

資格取得をきっかけに、アロマテラピーのワークショップやイベント企画、ハーブティーや化粧品のパッケージやカタログなどのご依頼もいただくようになりました。


アロマテラピーの勉強は、香りのことばかりではありません。
解剖生理学に割く時間が一番長く、顔面の皮膚科学、ストレスとメンタルヘルス、健康学、ホスピタリティとコミュニケーション、そして植物油を使ったアロマトリートメントの実技…。
この勉強は、今までの生き方を変えるきっかけにもなりました。

仕事最優先の人生から、まずは自分の身体と心を大切にする人生に。
エネルギーが空っぽの状態で仕事をするのではなく、まずは自分を満たして、溢れ出る部分で人を幸せにする仕事ができるように。

結果的に、何気なくメールアドレスにつけた言葉は、私の人生も変えてしまったのです。

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日本の香りと出会い、旅に目覚める

アロマテラピーを学んで知ったのは、日本の植物が持つ香りの素晴らしさ。

香りを心身の健康に役立てる「アロマテラピー(芳香療法)」という概念は、海外のものです。
でも、日本には柚子湯や菖蒲湯など、その土地の香りを使った健康法が今も続いています。

日本でアロマテラピーを広めることは、植物とともに暮らし、香りを慈しんできた日本文化への原点回帰だと思っています。

檜、柚子、ハッカ、ヒバ、ニオイコブシ、生姜、橘、クロモジ、トドマツ、月桃……。
もっと知りたくて調べ始めたのものの、まだまだ、日本の植物から作られる精油(エッセンシャルオイル)の情報は少ない。

それなら、実際に植物が生えている場所に行って、話を聞いてみよう!

そんな経緯で、2017年からデザインワークと並行しつつ、隙あらば香りを持つ植物の産地を訪ねる日々が続いています。


私のやりたいことを表す肩書きは?

香りが好きすぎて始まった旅でしたが、生産地に足を運んで実感したことがひとつ。

植物、土地、そして人。
そのどれが欠けても、天然の精油は完成しないのです。

ワインと同じで、土壌、水、収穫した年の天気、栽培方法、そして手の加え方…さまざまな条件で完成形が異なるのが、精油です。

日本には素晴らしい香りを持つ植物があり、それを育む土地があり、香りを作り出す人が各地にいる。
それをもっと大きな声で伝える人として、どんな肩書きが必要だろう?

ぼんやりと考えていた時、知りあいのセラピストにこう言われました。

「彩子さんの発想は、セラピストではなく『キュレーター』だよね」


キュレーターとは、もともと「学芸員」と訳される言葉です。

最近はWeb業界でもキュレーターという言葉が使われていますが、
「自らの視点で情報を集約し、それを発信する人」
という意味であることが多いようです。

情報を伝えるにしても「ジャーナリスト」は堅すぎるな…と考えていた時に、「キュレーター」という言葉はストンと私の中に落ちてきました。

というわけで、「アロマ(香り)の情報を、自分の視点で伝える人」という意味で「アロマキュレーター」と名乗ることにしました。


これからのこと

今年も、香りの植物の産地を訪ねる旅がスタートします。
noteは、私の旅の記録や、デザイナー&アロマキュレーターとして頭の中に浮かんだあれこれを、メモ的に書き留めていく場として使っていきます。


ここまで長々と読んでくださった方、いらっしゃるでしょうか…。
もしいらっしゃったなら、心からの感謝を!

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