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「腰痛にいいブレンド」について考えてみました

(※2019年3月21日のアメブロ記事に、加筆修正しています)

先日、わが夫が「腰が痛い」と訴えていたので、その対策に精油をブレンドしてアロマクラフトを作りました。

…という話をTwitterでつぶやいたところ、アロマ初心者の方から

「腰痛にいい精油のブレンドって、何ですか?」

という質問をいただきました。

文字数制限がない形でお返事した方が良いように感じたので、ちょっと長いですが、お付き合いください。

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いきなり結論です。

「腰痛対策にどのブレンドがいいかは、相手と状況によります」

……これだと話が終わってしまうので、もう少し丁寧に書きますね。


まずその腰痛は、慢性のものか急性のものか。
立っていられないほど辛いのか、一日休めばどうにかなりそうか。

お風呂に入ったら楽になりそうな痛みなのか、
それではおさまらないような痛みなのか。


今回、わが夫の場合は、

・慢性的に腰が疲れているが、今日の痛みは普段と違う感じがする
・ぎっくり腰にもなったことがあるが、それとも違う感じがする
・一晩寝てもまだ痛くて起きるのが辛い

と言っていたので、

「すぐ病院に行ってください」と言いました。


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大前提として、

日本では、アロマセラピストは診断や治療をしてはいけません。

そして、

相手の方が、医師の診断を受ける機会を奪ってはいけません。


アロマセラピストが行うのは、cure(治療)ではなくて、careです。

つまり、様々な苦痛を取り除いて、相手の方が心地よく過ごせる状態にすることが、アロマセラピストにできることです。

こう書くと
「なんだかフワッとしたことを言っているなあ」
と思われるかもしれません。

でも、医師の診断を踏まえた上で、アロマセラピストが腰痛の人にできることは色々あります。

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今回、夫は病院でレントゲンを撮り、

「腰椎の椎間板がすり減っていることによる痛みです。
痛み止めを出すので、安静にしていてください」

と言われたそうです。

つまり、
「治療の余地なし」
ということですね。

しかし本人は、寝っ転がりながらも痛みで辛そうです。


こんなとき、アロマセラピストにできることは何でしょう?


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私が考えたのは、

「痛みがある腰には直接触らない代わり、周囲の硬くなっている筋肉の緊張をゆるめる」

という対策でした。


アロマセラピストは、筋肉の仕組みについても学びます。

解剖学的観点から、腰痛の引き金になっていると考えられる筋肉の緊張を緩めてあげることも、

間接的に
「腰痛が楽になる」
状態を作れるのです。


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方針が決まったら、それに合わせた手技と精油を含めた素材を考えます。


まず、行うのがアロマトリートメントだとしたら
全身に?それとも局所に行う?

それによって、精油の濃度も変わってきます。


狙いに沿った精油のブレンドを作る上でも、

相手の年齢は?
体格や筋肉量は?
皮膚の状態は?
精油の香りには慣れている?
アレルギーの有無は?
他の病気はある?

さらに、精油を希釈するのに使う基材は植物油?
それともクリーム?ジェル?


などなど、考えるポイントは山のようにあるのです。

一番大切なのは、「何のためにこのセラピーを行うのか」
「なんとなく」ではなく、狙いを持って行うことが大切です。



結論が長くなりましたが、

「腰痛にいい精油のブレンドって、何ですか?」

という問いに対しては、

「アロマテラピーのブレンドは全て
相手の状態に合わせたオーダーメイドです。

セラピストの狙いや方針によっても
ブレンドは大きく異なるので、
腰痛対策のブレンドも『相手と状況によります』」

が、私の答えです。


今回使ったレシピを書くと、方針や考え方を全く無視した状態で、結論だけ真似する人がいるといけないので、敢えて書かないでおきます。


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私は医療従事者ではありませんが、
人の身体や心に触れるからには、様々な角度から人を見て考えることが必要だと思っています。

「腰痛」そのものを見るのではなく、
見るべきは、腰痛を持っているその人自身。

その人を取り巻く仕事や環境も踏まえて、アロマセラピストである自分に何ができるのかを考えるようにしています。

その「考える力」を養う土台になるのが、
アロマセラピストが資格を取る際に行う勉強だと思っています。


誰でも使える、アロマテラピーの精油。

でも、掘り下げれば掘り下げるほど、使い方は奥深くて楽しいですよ。

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