『騎士団長殺し』感想②

長い旅から戻った「私」

さまざまに、
いわくつきの人物と出会い
いわくつきの、ヘンなものが現れ
いわくつきの、ヘンな場所に引き込まれ

そして、戻ります。

そして、戻って一見なんの脈絡もなく
妻に電話をして話をしようと思うのです。

内側に向かいきったベクトルを、
外に向ける一歩。

そのキッカケを表す2つのセリフ

「騎士団長は本当にいたんだよ」
「きみはそれを、信じた方がいい」

書かれているのはきっと、信じる力。

起きてしまったことは、無かった事にはならないし、表に顔を出さなくても、それは、そこに在ることに変わりはない。

折れ曲がった心を修復するのではなく、その上に、この先を築いていこうとすること。

その事が気持ちに降りてきて、泣けました。

「信じる力」

哲学だな…。

おしまい。

#村上春樹 #騎士団長殺し