いりとり
「いりとり」という煮物が好物なのです。
いろいろ入っている芋の煮っころがし、みたいなものかな。地方によって呼び方は違うのかも。私にとってはオフクロの味として、まず思い浮かぶのは、コレなのです。
嫁ぐ前は、ほとんど料理をしなかったので、母から料理をあまり習わなかった。私の料理は結婚してから、本やネットで調べて作ってきた。「いりとり」も、いくつかの似たレシピを見て作ってみたけれど、どうも、ウチの味とは違うんだよね。
実家に帰った時に母にリクエストしてみたら、味付けが思いきって濃いことがわかった。甘辛い芋と肉と白飯、、、最強ですね。最強にして最怖。
美味しいものは糖と肉と油で出来ている。
子供の頃、「いりとり」に入った里芋が大好きだった。
私の食いつきっぷりがよかったのだろう。母は、自分のお皿の里芋も、私のお皿にわけてくれた。
こんなに美味しい里芋を、どうして譲ってくれるんだろう、と子供心に思った私は
お母さんは里芋、好きじゃないの?
と聞いてみた事がある。母の返事は、そんな事もないけど、里芋、美味しいよね。みたいな感じだったかな。
今となっては、わかる。
里芋ごときで、そんなにあなたが喜んでくれるのなら、私だって娘に譲ります(笑)
*
このお正月は、両親と姉の家族とで、実家近くの温泉付きのシティホテルに泊まった。
チェックインして、じゃあ、大風呂に行こうか、と言うと、母は、湯冷めするから夕飯食べて寝る前に部屋のお風呂に入る、と言う。
せっかく、大風呂があるのに、気持ちいいのに、と思ったけど、大きな荷物を持って慣れない乗り換えをしてホテルまで来たら、疲れちゃったんだろう、きっと。
ゆっくり夕飯を食べて、コーヒーも飲んで落ち着いてから
明日の朝は、大風呂に行ってみる?慣れない水栓とかお風呂の段差とか、ちゃんと連れて行くから。
と言うと
そうね、せっかくだから、行ってみようかな
と。
翌朝、穏やかな朝日の光の中でつかる湯船は、とても気持ち良かった。
もう母(もうすぐ83歳)は、すっかりおばあちゃんになった。
もう全部、譲ってもらったんだなあ。
と、一緒のお風呂に入りながら思う。
こうして、少しづつ答え合わせをしながら、母の後を追いかけていくのだろう、と思う。
83才の答え合わせは、どんなくらべっこになるのかな、と楽しみにしておこう。(生きていたらねー)
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ほっこり
って何だっけ?
と、考えはじめるとわからなくなりますが。
コチラの企画に参加しました。
みんなでほっこり。
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