NACサプリメントの知られざる副作用: 無快楽症と感情の平坦化の危険性
免疫力を高める抗酸化物質として知られるNアセチルシステイン(NAC)ですが、実は気分の落ち込みや無快楽症と呼ばれる症状を引き起こす可能性があることをご存知でしょうか。この動画では、NACが気分を悪化させたり、興奮剤の効果を弱めてしまう危険性について解説します。
NACは、強力な抗酸化物質グルタチオンの材料となるアセチルシステインのことを指します。長年にわたり、肺の粘り気のある粘液を取り除いたり、アセトミノフェンの過剰摂取による害を和らげる目的で使用されてきました。その一方で、免疫機能の活性化、ウイルス増殖の抑制、炎症の軽減など、様々な健康効果も報告されています。
ウイルスが流行する時期にNACを利用する人は多く、服用後に健康状態の改善を実感する方も少なくありません。しかし今回は、オンラインではあまり取り上げられることのない、NACの副作用について注目してみたいと思います。
その前に、NACのもたらす主なメリットを簡単に復習しておきましょう。NACは、肺疾患、肝臓病、アセトミノフェン中毒、心血管疾患、精神疾患、腎臓病、感染症、がんなど、実に幅広い病気の治療に役立つことが分かっています。それだけ、人体に対する恩恵が大きいということの表れだといえるでしょう。
では、NACはどのようなメカニズムで作用するのでしょうか。第一に、NACそのものに抗酸化作用があり、活性酸素の一部を直接的に中和することができます。また、NF-κBの活性化を阻害し、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1、IL-6など)の産生を抑えることで、抗炎症効果も発揮します。
粘液の主成分であるムチンのジスルフィド結合を切断して粘性を下げる働きもあります。つまり、強力な粘液溶解剤としての性質を持っているのです。
NACはシステインの原料にもなるため、体内のグルタチオンレベルを上昇させる経路でも抗酸化力を高めることができます。システインはグルタチオン合成の律速段階を担う重要なアミノ酸です。さらに、NACは重金属のキレート作用も持っています。
水銀、ヒ素、鉛、カドミウムといった有害重金属と結合して不活性な錯体を作り、体外への排出を促進することで、重金属中毒のリスクを下げる効果が期待できるのです。
NACの副作用について、ここで大きな疑問が浮上します。NACはどのようにして感情の平坦化を引き起こすのでしょうか。この点に関して、「NAC がアンフェタミン媒介性ドパミン放出に及ぼす影響を、RRA 脳 STD スライスにおけるイオンペア逆相高速液体クロマトグラフィーで調べた」という興味深い研究があります。この研究では、基本的に、強力な興奮剤の投与後のドパミン放出に対して、NAC が鈍化作用を持つことが明らかになりました。
この研究を取り上げた理由は、アンフェタミンが非常に強力な薬物であることは明らかですが、多くの人が日常的に使用しているコーヒーやニコチンなどの興奮剤もドパミンを増加させることで作用するからです。つまり、NACがカフェインの効果を鈍らせること、カフェインの興奮作用をブロックすること、カフェインの多幸感をブロックすることがオンラインで報告されているのです。
NACの副作用について解説します。
NACを服用した人の中には、無快楽症と呼ばれる副作用を経験する人がいます。ある人は、NACを服用した後、友人と出かけたり、バンドのショーに行ったりしても、全く喜びを感じられなかったと報告しています。コーヒーやビール、ニコチン、コカインを摂取しても、快感を感じることができなかったそうです。
また、別のユーザーは、NACを服用することで不安や社会不安が減り、睡眠の質が向上し、体重減少にも役立ったと感じていますが、同時に以前のように物事に興奮しなくなったと報告しています。子供たちが寝た後のテレビタイムや金曜日を楽しみにするといった小さな喜びを感じられなくなったそうです。
さらに、NACがアンフェタミンの効果を無効にしてしまうという報告もあります。ADHDの治療薬であるアデロールを服用しても、NACを同時に服用していると全く効果がなかったというユーザーもいます。
NACがこのような効果を引き起こす仕組みについては、いくつかの理論があります。一つは、NACが神経細胞のグルタミン酸レベルを低下させることです。これは、NACの抗中毒性の要素の一つであり、コカイン中毒やOCD(強迫性障害)の克服にも使われています。
以上のように、NACには免疫力を高めるという大きなメリットがある一方で、無快楽症という副作用も報告されています。NACを服用する際は、これらの副作用について理解し、自分に合った使用法を見つけることが重要です。
NACはグループ2代謝型グルタミン酸受容体を刺激し、それがグルタミン酸のシナプス放出の阻害につながります。また、NACはシステイングルタミン酸アンチポーターの活性を高めますが、これは特に報酬に関連する側坐核でグルタミン酸レベルを調節します。
興奮剤は脳の大部分でグルタミン酸レベルを上昇させるため、NACによる報酬効果の低下は驚くべきことではありません。
実際、NACはグルタミン酸を強力に調節するので、メタンフェタミンの高用量に対しても効果を発揮することができます。NACは、非常に必要とされ、非常に稀少なアミノ酸であるシステインを、システイングルタミン酸交換体に供与することでこれを行います。食物から吸収するのは容易ではなく、少量でも長持ちしません。
さらに、NACは過剰な興奮時にグルタミン酸を抑制するだけでなく、興奮剤中毒者が禁断症状に苦しんでいるときのようにグルタミン酸レベルが低いときには、それを増強します。NACは、グルタミン酸レベルを通常の設定点まで調節し直すのです。
したがって、NACは興奮剤中毒者にとって本当に神の贈り物と言えます。
ここでは、いくつかの重要なポイントを紹介します。
1. 麻痺効果や感情の鈍化、興奮や喜びに敏感な場合は、NACサプリメントの用量を減らすことを検討してください。
2. NACを夜間に、興奮剤から離れて使用することをお勧めします。NACによって引き起こされる負の感情の平坦化や無快楽症は、部分的にはストレスによるドパミン放出に対抗すること、および/またはグルタミン酸レベルを下げることによって媒介されているかもしれません。
この動画が、NACによる無快楽症に苦しんでいる人々の目に留まることを願っています。これは、NACサプリメントを完全に中止すべきだと言っている動画ではありません。NACサプリメントは、さまざまな状態や問題、疾患に非常に有益です。しかし、これはあなたが知っておく必要のある厄介な副作用であり、オンラインではあまり話題にならないものなのです。
NACサプリメント：
参考：
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