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この際だから春夏秋冬に文句をぶちまけてみる
何がこの際だ、お前は常日頃から文句ばっかたれてるじゃないか。
起きて顔がむくんでると文句を言い、歯磨き洗顔が面倒だと文句を言う。
タクシーが捕まらないだのレジが長いだの、絵を描きたくないだの、
飼い猫がうるさいだの
四六時中文句を言う。
だからこの際だから文句を言おうと思う。
今回の対象は四季だ。春夏秋冬だ。
まぁ一応?それぞれの季節にそれぞれの美しい思い出や好きな部分ももちろんあります。でもそんな昔話の美談を書いたって何が面白いんだ。
毒を吐いてこそ私の文学だ。
よし! まず、「春」
春! お前 花粉どうにかしろよ!! 芽吹くな!咲き乱れるな!
しんどいんだよ! 何をそんなに撒き散らすかね?
雄蕊から雌蕊へまっしぐらってか? エロいんだよ!!
あとあの変な気圧?フワフワするあの感覚。
自律神経死んでんだよ!
変な人いっぱい出てきちゃってるじゃん。
あれってアレなんだってね、自律神経死ぬことによってその人の元々の変質的な部分が露出してしまうんだってね。
そんなことはどうでもいいんだよ!
たまに俺も変な感じになっちゃうんだよ!
猥褻物陳列罪とかで逮捕されたらお前のせいだかんな!
あと桜ももっと広いスパンで咲けよ、お前短けーんだよ。
花見行こうとしてもまだ早いとかもう遅いとかなんでそんなにピンポイントなんだ? 結局花見なんて行けたためしねーよ!
駿府公園で花見してる人々見ると羨ましくてしょーがねーんだよ!
次、「夏」
お前はもう言わずもがな暑い。ほんとそれ。
しかも暑さ更新してない? 何になりたいの?
梅雨のだるさからの夏の猛暑。
そのいやらしいコンボやめろ。
そして寒い。
あのな、お前がそんなに暑いからエアコン使わざるを得ないんだよ。
こちとらな、室内で仕事してんだよ。
仕事終わる頃に抜ける言葉は「寒い」だぞ?なんか狂ってない?
店内死ぬほど寒い居酒屋とかあるし、
エアコンの設定温度でどれだけの人々がモメてるか知らねーだろ?
暑い寒い暑い寒いの繰り返しでまた自律神経死ぬんだよ、
二季にわたって殺しにくるな!
あとテレビで水着ギャルとか映すな! なんか切なくなる。
フェスもやるな! なんか寂しくなる。
花火大会も中止しろ! なんか泣きたくなる。
そういうイベントごとでこちらの精神力を削ろうとするな!
え?それはお前が参加しないから悪い?
うるせー!めんどくせーんだよ!
「秋」
お前はまぁ、そうだな、文句言うところはあまりないかな?
飯も美味いし、気温もちょうどいいしな。
秋刀魚の塩焼きと日本酒なんて最高だな。
秋の夜長に、なんて言葉も好きだぞ。
金木犀の香りも好きだぞ。
そして何だろうあの何とも言えない切ない気持ち、エモいとでもいうのだろうか。 なんか良いよ。
そだね、ちょっと短いかな?もうちょい長くてもいいんだぞ?
うん、まぁ、よし。
行ってよし!
最後「冬」
まぁ、お前も実はこれといって文句言う部分もないんだけどな、強いて言わせてもらおう、
お前忙しいんだよ!!!
クリスマスとか辞めちまえ!!やれプレゼントだのデートだの、
ただでさえ忙しいのに面倒くせえイベント仕掛けてくんな!
ああ、俺はそんなイベント無いからいいんだけど。
そして年末! 貴方なんでそんなに忙しいのかね?
あのさ、もっと日々のタスクを満遍なく配置出来ないかね?
仕事から大掃除から帰省ラッシュからクラブイベントまでもう、
なんで年末にどさっとやろうとすんの? 夏休みの宿題じゃねーぞ?
だから正月に風邪引くんだよボケ!
そして正月! 暇なんだよ!俺は!
年末までアホほど忙しかったのに何なんだ正月!
やることねーだろ!
店はやってないわ神社は大混雑だわ、どないせいちゅーねん!
暇だけどお年玉は持ってかれるんだよなぁ、、
不思議ですよね。
ふぅ…。
さて、散々ぱら文句をぶちまけましたが、ある気づきが一つ。
私はやはり弱い人間だ。と。
負け惜しみから僻みから嫉妬まで、ネガティブな自分自身がその文句に内包されてるではないか。
体調管理ができてないから気温に負け、
スケジュール管理ができてないから忙しさに負け、
行動力を起こさないからイベントごとに負け、
勇気を持たないからロマンスに負ける。
文句を言うという行為はその人の渇望と弱さを露呈する行為と等しい。
赤裸々なのである。私はこんな弱い人間です!と大声で叫んでいるのだ。
しかしこの世は文句に溢れている。
そう。みんな弱くて赤裸々で何かを望んでいる。
そして、その手に入れられないものに対しての欲望はまだ死ねない理由である。
来年はしっかりとした生活をして、花見に行き、花火大会に行き、
美味しいものを好きな人と食べ、忙しい年末を乗り越えて正月はゆっくりしよう。 そんな希望を。
それがあるから生きて行けるのである。
そして来年もそれを手にいれることができずに再来年を迎える。
それがないから生きていけるのである。