秋という季節(下ネタ注意)
金木犀の香りが混じった風。
涼しいを少し通り抜けてちょっと肌寒い風。
湿度も心地よく、空気がなんの負荷もなく肺に入ってくる。
道ゆく人々の格好はパーカーだったり薄手のジャケットだったり。
夕方17時には日が陰り、18時には夜がやってくる。
ハロウィンカボチャをぶら下げて母親と手を繋ぐ少女。
魔女の宅急便のキキの格好をしている。
秋だ。
あの忌々しい季節は完全に去った。
まごうことなき秋が来たのだ。
昨日行った居酒屋では秋刀魚の刺身と秋刀魚の塩焼き。
今シーズン何匹秋刀魚を食べただろう?8匹くらい食べてるのかも。
秋の空気を感じ、秋の服装を楽しみ、
秋の味覚を堪能し、秋の日本酒を味わう。
私の季節がやってきたのだ。
来月頭は私の43歳の誕生日、秋ど真ん中に私は生まれたのだ。
秋は私の季節なのだ。
水を得た魚とでも言おう、秋は私を元気にさせる。
居酒屋に行っては
「なるほどね、なし崩し的なセックスの方が燃えるんだね」
キャバクラに行っては
「キャー!猫ちゃんコスプレ可愛いニャー!」
バーに行っては
「最近どうなのよあなた、マッチングしてらっしゃるの?」
カラオケに行っては
「出たよモンパチ!何万回聴かせられんだよコレ!」
元気な私がそこにある。
でもね、やはり何か物悲しい。
あの忌々しい季節、太陽から容赦無く熱せられたあの季節。
凄まじい熱量、莫大なカロリーが木々に活力をもたらし、水は清らかな生命力を放つ。
けたたましく鳴く蝉の声、
人々もそれに煽られたかのように活発に動き出す。
全てが躍動した季節。
それが気が付かぬ間に冷静となり、
まるで何事もなかったように静寂が訪れる。
やはり何かプラスだったものがなくなると寂しいものなのだ。
別にマイナスになったわけではない。
プラスだったものがゼロに変わるだけだ。
ならばさびしくないはず。
そのはず。
そのはずなのだが、私は今日もさびしくない場所へ一時避難する。
「VIO脱毛してる?やっぱある人とない人だったらない人の方がいい?」
「たまに面白い感じのカップルいるけどさ、どんなセックスしてんのか気になるよね、どっちが主導か、とか」
「俺のジャケット羽織ってたけど、中は結構攻めたコスプレだったんだよね、アレなんだろう、最高だったよね」
「最近、NTRの良さに気がついたよ」
「もうね、おっぱいが大きいとか小さいとかどうでもいい、
そこにいてくれればそれでいい」
「直接的な下ネタは品がないよ、やっぱオシャレに思わせるような下ネタ言わないと。だから本を読んで文学能力を磨いてるんだよね」
「やっぱ最終的にはケツかぁ…」
「ちんこってさぁ…」
「そう、同時に…」
「それ気持ちいの?…」
秋の夜が更ける。
やはり秋はさびしいのである。
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