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【ふわっと便りvol.6】ビブリオバトル

こんにちは。はじめましての方はどうぞよろしくお願いいたします。フラットおおたのライトユーザー、柏木(仮名)です。主に土曜日に利用させていただいています。

こうして文章で書かれた記事を読んでくださっているということは、文字やことばに親和性のある方なのだろうな、と漠然と想像しています。
 
ひょっとしたら、あなたは今の状況から恐るおそる一歩を踏み出そうとされているのかもしれません。もしそうなのだとしたら、小脇にお気に入りの本を抱えてみるのはいかがでしょうか。
時にあなたを勇気づけてくれるような、そっと励ましてくれるような、そんな〝ことば〟を持ち歩いてみるのです。


10月12日 ビブリオバトル

10月12日、フラットおおたで文化祭がありました。その催しの一環として開催された「ビブリオバトル」。そちらに参加させていただきましたので、レポートしたいと思います。

文化祭ビブリオバトルの様子

 「ビブリオバトル」とは、京都大学が発祥の〝本のプレゼン大会〟のことだそうです。各自が一押しの本を思い思いにプレゼンし、「読んでみたい」と思った人がもっとも多い本が優勝となります。

 今回のビブリオバトルでは、スタッフの方も含め合計5名の方が参加しました。プレゼンされた本は以下の5冊です。

『世界史の発明』(タミム・アンサーリー 著、 花田知恵 訳/河出書房新社)
『歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる』(遠藤雅司 著/柏書房)
『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む~走れメロス・一房の葡萄・杜子春・本棚』(かまど著、 みくのしん 著/大和書房)
『嫌われる勇気』(岸見一郎 著、 古賀史健 著/ダイヤモンド社)
『マンガでわかる「続ける」習慣』(古川武士 著、みつく 漫画/日本実業出版社)

みなさんの独自のこだわりや思い入れが披露され、がぜん本に対する興味が湧きます。

「本」が重圧になることもある

「本」というものは、ただ物質として私たちの目の前にあるときは、場合によっては精神的な重圧となることがあります。

それはたとえ活字が好きな方でも同様ではないでしょうか。
私はどちらかというと文字が好きな部類の人間とは思いますが、それでも疲労時やストレスフルな状況にいるときなど、本の存在に負担感を覚えるときがあります。

なにか「読まなくてはならない」、「すべてを正確に理解しなくてはならない」という無言のプレッシャーを感じるのです。

世間では本を読むことが知的な営みの象徴であり、広く「よいこと」と捉えられていることもよけいに拍車をかけているように思えます。
本来私たちを自由にしてくれる存在であるはずの本が、重苦しい足かせのようにのしかかってきているかのように感じられるのです。

ですが今回のビブリオバトル参加をとおして、私は純粋に〝読んでみたい〟という知的好奇心を感じました。

「本」にはタイミングも重要

それはふだん同じ利用者として、仲間として接している方々がときに情熱的に、ときにつたないながらも純粋におすすめしてくれた本の数々に親近感を持ち、興味が湧いたのだろうと思います。

利用者の方やスタッフの方々がおすすめしてくれた本は、私の記憶にしっかりと残っています。

今すぐ、即時本を手に入れて読む必要はないのです。
人とセットで記憶された今回の本は、おそらくですが、しかるべきタイミングで私の前に立ち現れてくるのではないでしょうか。

図書館で偶然巡り合うかもしれませんし、ひょっとしたら大型書店をなんとなくぶらついているときに突如よみがえった記憶とともに目につき、衝動的に購入するかもしれません。

案外、本には〝タイミング〟も重要である気がしてなりません。

焦燥感に駆られて早急にすべてを読む必要はないのかもしれません。「気が向いた」タイミングで、あくまで気軽に、どこまでも自由に、思うような方法で本を読んでみる。

今回ビブリオバトルを通して知った本たちも、出合った際はそのように接してみたいと考えています。

話題の本

本の投票のために設けられたシンキングタイムを利用して、担当スタッフさんから「話題の本」の紹介がありました。そちらもご紹介します。

『百年の孤独』(ガブリエル・ガルシア=マルケス 著/新潮文庫)
『灯台へ』(ヴァージニア・ウルフ 著、鴻巣友季子 訳新潮文庫)

わかったのは、どちらの本もおそらくは〝きわめて難解〟であろうということです。

「マジックリアリズム」とか、「意識の流れ」という聞きなれない言葉が紹介されました。どうやら今の文学に多大な影響を与えた表現技法のようです。難しい。難しすぎる。

ですがスタッフの方から本の現物を交えて紹介されると、「読んでみようかな」と思えるから不思議です。

ちなみにこのような難しい本が文庫になり、売れ行きが良いということが出版界で話題になっているとのお話でした。

同じ本を読んでいるひとがどこかに存在する

読書とはある種孤独な営みです。
出版されている以上、世界のどこかに同じ〝読者〟としての仲間はいるのでしょうが、通常巡り会うことはありません。

ともすればこの本と格闘しているのは世界に自分ひとりだけなのではないか、といった錯覚に陥りそうになります。

ですがほかにも読者はいて、こうして現実に存在するのです。ましてや目の前にいて、その本の魅力を切々と語ってくださっている。ビブリオバトルとはいいものだなあ、としみじみ思いました。

それはフラットおおたにも同じことが言えます。
孤独感を感じているのは、生きづらさに悩んでいるのは、決してあなたひとりではないのです。

頭ではわかっていても、実際にひとりで苦しんでいると理解が追いつかないかもしれません。
ですが恐るおそるフラットおおたに足を運んでみてくださったなら、間違いなく利用者さんとしての〝仲間〟が、迎え入れて下さるスタッフの方々がいます。

それは実際に利用している私が保証します。

少々長くなってしまいました。ビブリオバトルとフラットおおたの共通点を発見したところで、締めくくらせていただきたいと思います。
またお会いしましょう。




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