【神保町美食行記】#1『食堂みさち屋』
夜の神保町にて。
8月9日、夜。すずらん通りのとある食堂で、『ふらっと神保町』のミーティングが行われた。食堂の名前は、『食堂みさち屋』。居酒屋でもあり、ランチもできる。メンバーの行きつけであるこの店を、私はふらっと神保町の連絡網で知った。私が前回参加したミーティングでも、お店の候補として上がっていたのである。
その「前回参加したミーティング」というのが、私の個人noteで書いた、これ。
このお店も、神保町にある。
「神保町のグルメを紹介することも、神保町の魅力を発信するということになるのでは?」と思い立った私は、『みさち屋』の感想を記事にしてみることにした。
豊富なメニュー。
まず驚いたのが、そのメニューの多さである。サラダに炒め物、一品料理、〆ものなど、A4のパウチされたメニューいっぱいに、様々な品目が所狭しと並んでいる。それから、別の紙には豊洲市場直送の刺身なんかも載っていて、全ての居酒屋料理を網羅しているといった様子であった。
さて、何を注文したものか。迷った私は、とりあえず中野代表におすすめを訊いてみることにした。
梅きゅう
いちばんはじめに届いたのが、この梅きゅう。
小さめのお皿に風情ある感じで盛られてやってきた梅きゅう。個人的なことであるが、私は梅きゅうに目がない。ジョッキいっぱいの飲み物(緑茶)で乾杯をしてすぐ、私は梅きゅうに一番乗りで箸を伸ばした。
これこれ! これだよ!
私の好きな梅きゅう!
みずみずしいきゅうりと、梅の酸味。それだけでなく、舌を楽しませる鰹節の旨味。そうそう、これこれ。私は「そういう梅きゅう」が本当に好きなのである。ボウルいっぱい食べたいくらいに。みさち屋に来て一口目、満足度が既に天元突破した。
次の料理への期待値が上がる。そうした中で運ばれてきたのは、みさち屋随一の人気メニューである、『煮込み』であった。
煮込み
食事メニューのいちばん最初に載っているのが、この『煮込み』。相当人気なようで、いつもすぐに売り切れてしまうそうですが、今日は奇跡的にゲットできた。
何の煮込みかというと、牛スジと大根。とてもお洒落なお皿に盛られて登場したので、皆のテンションも上昇。数人分に取り分け、七味を少量ふりかけていただいた。
こ……これは……
こんなことは初めてである。口の中で泡沫のようにふわふわととろける牛スジ。この食感で肉なのか。どれだけ煮込んだらそうなるのか。七味もかけて正解だった。唐辛子の辛さが、よい差し色になっている。
みさち屋、いいかも……!
そう思っていると、注文した料理が続々とテーブルに届いた。
ミックスサラダ
次に届いたのはミックスサラダ。野菜に加え、ポテトサラダはもちろん、ハムまでついている豪華ぶりである。
トマトは甘く、ポテトサラダとマヨネーズかはシーザーサラダ感もする美味しいサラダ。これから沢山食べることを考えると、ボルテージを緩やかに上げてくれるサラダはありがたい。見ての通りかなり大盛りのサラダであるが、おいしさに加え、参加メンバーが6人もいることで、すぐになくなってしまった。もう少し食べたかった思いがあるので、次来たときはもっと沢山いただこうと思う。
肉野菜炒め(ハーフ)
肉野菜炒めと豚キムチ炒めが同時に届いた。この店ではハーフ&ハーフができるのである。
オーソドックスな肉野菜炒めである。しょっぱすぎず薄すぎない味付けが良い。もやしもしなしなにならずしっかりと噛みごたえを残した固さになっており、ごはんにのせて食べるのも美味しそうである。
この店は、ハーフができるのも魅力のひとつだと思う。どれにしようか迷ったとき、あまり食欲がないときなども、気負わずに利用できる。楽しく食べられるのが一番だなと思う。
豚キムチ炒め(ハーフ)
何気に物凄く楽しみにしていた豚キムチ炒め。何を隠そう、私はキムチが大好きなのである。
豚とキムチの他に、にらと、玉ねぎが炒めてある。この玉ねぎがよくて、炒め玉ねぎの甘みが、キムチの痺れるような辛さをまろやかにしてくれているのである。キムチだけだとかなり辛い方に感じられたのであるが、このバランスのお陰で、山盛り食べたくなる最高の味わいになっているのである。
食べ盛り(産まれてからずっとでは?)の私には嬉しすぎる逸品である。
さて、これを食べ終わったところで、一旦全ての皿が空になった。私は飲み物のお代わりを頼み、『ふらっと神保町』の現状についての話を中野代表から聞きながら、それをちびちび飲んでいた。
おかかおにぎり(ハーフ)
「おにぎり頼む?」と中野代表が言った。聞けば、代表はいつもこの店で巨大なおにぎりを食べているらしい。「お腹いっぱいになってしまうのでは?」と思った私であったが、どうやらハーフサイズもあるようなので、注文してみることにした。
おにぎりの種類は、鮭、明太子、じゃこ、おかかの全部で4種類。私はおかかを注文しました。中野代表の話を聞きながら、おにぎりを貪る私。付け合わせの高菜も美味しく夢中になり、結構豪快な食べ方をしてしまいました。
さて、いよいよミーティングも後半戦。そんな中、私たちの前に現れたのは、予想の斜め上を行く、豪快すぎる魚料理であった。
アジ刺し
──何だこれは。
届いて、即、撮影。自分の目を疑った。いくらなんでも絵面がすごすぎる。衝撃的なビジュアルである。
アジの頭。ツマを挟んで、串刺しにされた中骨。並べられた輝くばかりの刺身。水揚げされた直後の跳ね回るアジのような、大漁を祝う何らかの儀式のような、躍動感溢れるビジュアル。
こうして記事を書いている私だけでなく、その場にいた皆が撮った。
まあ、撮るのはいい。肝心なのは味である。わさび醤油を作ったら、アジ2切れと、大根を少し摘まんで、よく絡めて食べる。
美味しい~~!
あっさり陥落。新鮮で臭みもなく、少し弾力があって食べやすい。わさび醤油と絡めたときの、大根の辛みと、アジのおいしさ。全てにおいて見事で、最高のできばえである。みさち屋最高!
この時、記事執筆を歓迎してくれたお店の方にも感謝である。ありがとうみさち屋。
焼きナス
その衝撃的なアジ刺しと一緒に来たのが、この焼きナスである。
ナスを丸々2本使用した、満足度の高い煮浸し。付け合わせにはたっぷりのネギと、生姜がついている。皆で取り分けるためにこのなすはナイフとフォークで切り分けられ、それから醤油をかけられる。例に漏れずナスも好きな私は、ねぎと一緒にそのなすを頬張った。
ここまでで1時間半ほどの時間が経った。次の料理で最後かな、と思ったその時届いたのは、最後を飾るに相応しい、温かい豆腐料理であった。
揚げだし豆腐
さて、最後を飾るのは、とろとろしたあんのかかった、揚げだし豆腐である。
私が撮影に失敗したので取り分けられた姿でお送りするが、温かな豆腐の上に、玉子色のあんがやさしくかけられているのである。いわゆる湯豆腐のような味を想像しながら食べると、口の中に、あんの繊細でまろやかな味が広がった。
雰囲気としては、風邪引いたときに食べると体調がよくなりそうな感じ。家では揚げだし豆腐が出たことは多分無いのだけども、存在しない『おふくろの味』の記憶が蘇ってきた。
総括
全ての皿が空になり、互いの大学のことなどを話しながら、私たちはみさち屋を後にした。話し合いは上手くまとまったし、何より、料理がとてもおいしかった。
どうしようもなく飲みたいとき。お腹いっぱい食べたいとき。食堂みさち屋は、あなたの渇望を満たしてくれるだろう。すずらん通りでお腹がすいたら、迷わずみさち屋に飛び込むことをお勧めする。
(透人)
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