始めるのに遅すぎることはない
70代から絵を描き始めたというアメリカの有名な画家 アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(グランマ・モーゼス)。1986年の画集の最後に、彼女のことを書いた言葉があります。
「小学校を終えることができなくても、経済的に恵まれていなくても、年をとっていても、指が不自由でも、子供達や夫に先立たれても、人は自らが創るものになり得る」
「本当の意味で自己に誠実、人生に誠実な人間であるならば、誰でも秘めているかもしれない可能性、それを精一杯にのばしたのが、彼女の人生だったのではないでしょうか」
本当にその通り、素晴らしい人生ですよね。
そして、写真のもう一冊の画集は、グランマモーゼスよりも、40年後1900年に、イギリスのランカシャーで生まれた、ヘレン・ブラッドレイ。
この女性も孫に見せるために、60歳になって、自分が子供の頃の様子を描き始めたそうです。表紙の絵のタイトルは「冬の公園」日本の提灯も灯っています。
そして、なんと日本にも、このお二人のような素敵な女性がいたのです!
一昨日、本棚の整理をしていたら、20年前の雑誌が出てきて・・感動しました。
その方は88歳で豆紙人形作家として、デビューされたマサコ・ムトーさんという女性です。
マサコさんは、大正2年生まれ。この雑誌に載った当時は89歳でした。69歳で右目の光を失い、左目の視力も衰えていたばかりか、右足は空襲の時に、子供を背負って転んだのが原因で曲がらない。
それでも、ご主人亡き後、70歳になって、体がかくれてしまいそうな大きな画材を肩に、嬉々としてパステル画の教室に通ったそうです。
そしてその後、豆紙人形を作り始め、88歳で専門家から人形作家として認められたというから驚きです。
「70歳から人生を輝かせた、精神力、情熱、プラス思考」娘さんの言葉に説得力があります。
その後マサコさんは、93歳まで300点以上の作品を創作して亡くなられたようです。
本当に「何かを始めるのに、遅すぎるということはないんです」という言葉が深く心に響きました。
若い頃から、一つのことに、一途一心に取り組んでいる人も素晴らしい。でもそれと同じように、年を重ねてから自分を生かした人の人生に、こころ惹かれます。
ジャンルや有名かそうでないかを問わず、絵や人形を残しても、残さなくても、自分よりも年上の人が、その人の持ち味を生かし、自分を生かし、自分の人生に誠実に生きている。
その姿を見させていただくだけでも、「人生は素晴らしい」と思えるし、自分の中に希望の光が輝きます。
私も、自分よりも年下の人にそう思ってもらえるようになりたい。
自分をごまかさず、自分の人生に誠実な人になりたい。
世の中には素晴らしいお手本がいっぱい!
さあ今日も、なりたい方へ意識を向けて、今あるものを数え感謝し、口角を上げて過ごしていきましょう。
読んでくださってありがとうございます。