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エミリー・ディキンスンとブルーベル

友人の育てている「岩シャジン」の写真を見た時、
絵本「エミリー」(マイケル・ビタード 文 バーバラ・クーニー 絵
掛川泰子 訳 ほるぷ出版)の中に出てくる絵によく似ていたので、「わぁ、良いなあ」と思っていたら、昨日たまたま行った道の駅で、みつけました!うれしいシンクロニシティ。

この絵本は、アメリカの偉大な、そしてよく親しまれている詩人、エミリー・ディキンソンのことを書いたものです。向かいの家に住む女の子の目線で書かれています。

エミリーからもらった手紙の中に、ブルーベルの繊細な押し花が入っていたのです。そのクーニーの描いたブルーベルの絵と「岩シャジン」が良く似ています。

エミリーの家で、ブルーのヒヤシンスもでてきますが、私は自分が好きなせいか、この釣鐘型の薄いブルーのブルーベルと、濃いブルーのヒヤシンスの二つの花が、とても印象に残りました。

女の子のママは、ピアニストです。エミリーが詩を書いていると知って、女の子がパパに「詩ってなあに?」と聞いた時、パパは素敵な言葉で答えます。

「ママがピアノを弾いているのをきいてごらん。同じ曲を何度も何度も練習しているうちに、あるとき、不思議なことがおこって、その曲が生きもののように呼吸しはじめる。聞いている人はぞくぞくっとする。口ではうまく説明できない、不思議な謎だ。それと同じことを言葉がする時、それを詩というんだよ」

ピアノや詩に限らず、「一途一心」に何かをする人には、「ある時、神様からのご褒美のようなことがあって、その時の自分の力では、到達できないようなところまで達することがある」というようなことを、平成の天皇陛下の執刀医をされたお医者さんが、言っているのを聞いたことがあります。

スポーツでも、芸術でも、この前のユーミンの歌でも、そういう天からの応援がくることがあるのだと思います。大きな仕事ではなくても、心をこめて一生懸命やっていれば、私たちの小さな日常にもそういうことがあると、私は信じています。

女の子は、球根から白いユリが咲いたり・・・この世の不思議をたくさん感じます。そして「人間というのも、不思議な謎なのでしょう」と思います。

「不思議な謎」と思う心が、学びのきっかけになって、それに夢中になることで、うれしい気持ちにも出会えますよね。

私もこの絵本をはじめて読んだ時、「ブルーベル」が私が思っていたのと違うことが謎でした。けれど、しばらくして、別の本を見てわかってうれしかった。
「花の妖精 英国の花たち」(シシリー・メアリー・バーカー著 井村君江 訳・監修 主婦の友社)のヘアベル Harebell の解説にこう書かれていました。
「この花の和名はイトシャジンです。・・・イトシャジンをイングランドでは「ヘアベル 野うさぎの鐘」と呼び、スコットランドでは「ブルーベル」と呼びます・・」

エミリー・ディキンソンは、このヘアベルの妖精のような人だったのでしょう。もう一度、エミリーの詩をよく読んでみたいなと思いました。

今日も、深い呼吸で自然体で過ごしていきましょう。

読んでくださって本当にありがとうございます。


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