地に足がついた人 ターシャ・テューダー
写真の絵本は、アメリカの絵本作家 ターシャ・テューダーの「パンプキン・ムーンシャイン(メディアファクトリー)です。彼女が23歳の時に描いたデビュー作。
畑からとってきたランタンを作るための大きなかぼちゃ。ラストシーンで、そのかぼちゃの種をまくところが好きです♡
ターシャ・テューダーは、アメリカ バーモント州の山の中で広大な庭と動物に囲まれ、1830年代の暮らしを守り続けた人です。2008年6月18日、92歳で亡くなるまで、自分らしく生きた人。しなやかに強くそして優雅な素晴らしい女性だと思います。
日常生活のほとんどを、自分の手で作りながら暮らし続けたのです。
あの青い可憐な花を咲かせるフラックス(亜麻)から麻糸を紡ぎ、毛糸を染め、布を織る。ろうそく、石けん、化粧品も手作り。私が以前の記事で何度か紹介している絵本「満月をまって」にも出てくるトネリコの樹皮でかごを編み、収穫したりんごでジュースをしぼる。やぎの乳でチーズやバターも作る。鶏の卵は料理にもそして、装飾にも使う。レースやニットを編み、ほろほろ鳥の羽もひろって、ぬいぐるみ作りに使う。・・・・・・
もうとにかく想像を超えた勤勉さですよね!
そして何より、すばらしいと思うのは、彼女が人生の選択を世間の常識に流されずに「自分」で決めてきているということ。そして自分の強い「意志」でその暮らしを守り、楽しんだということです。
こういう人のことを、地に足が着いているというのだと思います。
本当に地に足が着いています(笑)正にグラウンディングができている人。
今から30年以上前、たまたま洋書展で小公女の英語版を買いました。その頃私はまだターシャ―・テューダーのことは知りませんでした。その表紙や挿絵が偶然彼女の絵だったんです!
これに気づいた時、喜びとともに、彼女が本当にたくさんの仕事をしてきたことを感じました。
人里離れた場所に住み、文明の利器や携帯電話を持たず、1日に2回やぎのミルクを搾り、家畜小屋の掃除をし、そして4人の子ともを育て、一生懸命に絵本や挿絵を描く仕事をしながら、お金の心配をし、40代で離婚もしています。息子さんのセス・テューダーさんの言葉から、困難を乗り越え自分に誠実に生き続けた彼女のしなやかで美しい芯の強さを感じます。
「ターシャ―・テューダー 最後のことば」(白泉社)の中の一言一言が心に沁みます。少しだけご紹介します。
「たとえ、退屈でつまらない時があるとしても、暮らしに喜びを見出そうとすれば、きっと暮らしはより良いものになるはずですよ」
「自分の手で何かをつくりだすことから、素晴らしい喜びが生まれると私は強く思っています。
「大切なのは、それを成し遂げるという意志です。本当に何かをしたいと望めば、きっとうまくいくはずですよ」
あなたの暮らしに喜びがあふれますように♡
読んでくださってありがとうございます。
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