洗練された後ろ姿の人たち
もう、10年くらい前のことですが、ある地方行きの空港の出発ロビーに
行った時のことです。
その日は、人が多くて、一番後ろの席がかろうじて空いていたので、私は
そこに座りました。
ふと、前を見ると、若い人たちが多く、ちょっと今まで感じたことのない
雰囲気がそこにあったのです。
それは、たくさんの若い人たちの後ろ姿でした。
特別に贅沢なものや、きらきらしたものを、身に着けているわけではなく、ごくごく普通の髪型で、ごくごく普通の恰好をした若者たちが、
それぞれにくつろいで座っている。
ただ、それだけなのですが、何かが違うのです!
簡単に言うと、後ろ姿が美しい。洗練されているとでも言ったらいいのか、
とにかく、美しくて、何かキラキラした空気がそこにはありました。
不思議な空気感だったのです。
私は、その地域の若者は、なぜ、皆が皆こんなに、きれいな人たち
ばかりなのか?と考えて、なんだか腑に落ちない気持ちでいました。
自然体でありながら、非常に洗練された美しい背中でした。
そして、飛行機に乗り、到着してから、その理由がわかったのです。
到着したら、そこに、「○○バレエ団御一行様」という立札を持っている人がいたのです。
あ~そういうことだったのね!と納得しました。
私はバレエの舞台は一度しか観たことはありませんし、詳しくはありませんが、
この人たちは、舞台に立つ前から、既に、その「体」が芸術作品として、
出来上がっているのだ!と思って感動してしました。
仮に一日に3時間の練習を、約10年間続けると、だいたい一万時間になりますね。膨大な時間です。
才能がある人も、ない人も、またどんな分野であっても、一万時間の練習をすれば、多くの人の心を動かすことのできる力がつくと、
聞いたことがあります。
(もちろん、良い指導者に恵まれるということなど、必要な条件はあるでしょうが)
あの人たちは、その一万時間以上の練習をしている!
そう確信しました。
10年以上経った今でも、あの美しい後ろ姿の人たちの空気を忘れることが
できません。
衣装ではなく、「体」、その動きが、本当に美しかった!
またいつか、バレエの舞台も観に行きたいなと思っています。
写真は、 kin.iro.hitode.Marinaさんのラッピングペーパーです。
上は「ジゼル」、下は、「紫陽花とパ・ド・カトル」
きんいろひとでさんの、バレエ柄は、その一万時間の練習をしてきた
バレリーナの方々への尊敬の気持ちがこもっている感じがしますし、
美しくて、私はとても惹かれます。
読んでくださってありがとうございます。
良い日になりますように♥