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『全経簿記上級』本当の難易度
第209回の試験で合格した
総合得点290点程で合格したのでレビューを書きます。
結論:難関
難関資格です。後程詳しく比較しますが、問題の難易度はトータルで考えると日商1級と遜色ありません。一般的に日商1級よりも簡単と言われている意味は、日商1級よりも"合格"はしやすいという意味だと思います。
試験内容
・商業簿記
残高試算表の作成、その他
・会計学
まるバツ理論問題、その他
・工業簿記
色々
・原価計算
色々
で構成されています。特徴的なのは理論問題です。理論問題は会計学のみならず、工業簿記でも出題されます。
この理論問題は会計学のまるバツ以外は難易度が高いです。私もほとんど回答することができませんでした。
また、問題の量が多いです。税理士試験並みとは言いませんが、時間内に全て解ききるのは難しいです。
不可解な採点
各科目100点満点で合計280点以上で合格です。ただし、一科目でも40点未満の科目があれば足切りとなります。
と公表されていますが、実際には点数調整を行う相対評価と絶対評価のハイブリッド型採点かと思います。
実際私は自己採点こそ面倒でやっていませんが、普通に採点を行うと、280点は取れていなかったと思います。原価計算に至っては問1は計算方法を間違えたので壊滅的だったと思います。足切りもありえます。しかし、なぜか60点程得点できていたので、問1に点数調整が入ったと考えられます。
日商1級との比較
・商業簿記
簡単です。勘定科目や社債の処理方法が少し異なりますが、慣れると日商に比べると楽勝です。
・会計学
難しいです。理論問題が多く、記述での回答が求められるため、独学者は答えられない方が多いかと思います。私も理論問題はまるバツ以外はほとんど回答できませんでした。一方で計算問題は非常に簡単なので、正解する必要があります。
・工業簿記、原価計算
難しいです。日商簿記1級と問題の傾向が異なる為、日商簿記1級の勉強しかしていなかった私は苦戦しました。全経上級は問題数が多いのが特徴ですが、工原は特にその特徴を感じます。とにかくやることが多く、問題の優先順位を決めて取り組む必要があります。
まとめ
全経上級に特化した勉強をすればまた意見が変わるかもしれませんが、私は日商より全経の方が嫌いです。ただし、合格率は全経の方が高く、各教科100点満点で採点箇所が多いため、合格のみを考えると全経上級の方が、努力が報われやすいと思います。