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【トランジション】~マッチカット(Match Cut)~

映像表現の技術である「マッチカット」とは、前のシーンの要素を利用して、視聴者を次のシーンへ、スムーズに導く場面転換の方法です。
2つのシーン(画面や音など)を意図的につなげることで、通常のカットとは異なる意味合いを表現することがきでます。

マッチカット 3つの種類

マッチカットには大きく3つの種類があります。

・グラフィックマッチカット
・アクションマッチカット
・オーディオマッチカット

一つずつ例を挙げながら見ていきます。

グラフィックマッチカット

グラフィックマッチカットは、前後の画像の形状が一致するカットです。
シーン内の画像の感情的な意味合いを結合させることで、何かのシンボルとして強調させることができます。

時間の経過を表すシーンなどでもよく使われていますし、ロゴアニメーションなどでも効果的に使われています。
別々のイメージを重ね合わせることで、視聴者はそのシンボルが意図することを考えざるを得なくなります。


地球と目の図形を一致させた例
時間の経過や、場所の変化などを表すことで、よく使われてる。


アクションマッチカット

アクションマッチカットは、動きを一致させたものです。
2つのシーンの物理的/時間的なつながりを強調し、映像にダイナミックな印象を与えることができます。
特にアニメーション/モーショングラフィック等においては、この技法が多く使われます。例えばモチーフの形を瞬時に切り変えて次のシーンに移ったり、キャラクター自体の動き、またはズームイン/アウトなどの表現の時にもよく使われています。


AEでのアクションマッチカットの制作方法は、難しくはありません。
以下の様に、スピードが最高点に達したタイミングで画像を切り替えます。


サウンドマッチカット(サウンドブリッジ)

最後のオーディオマッチカットは、効果音や、会話、BGMなどを前後で一致させつつ、画面を切り替えることを言います。

ミュージックビデオやリズミカルなモーショングラフィックスでは、音が主体となるため、サウンドブリッジで表現されているシーンが多いはずです。

ストーリー的な映像で言うと、例えば別々の場所にいる男女が、同じ音楽を聞いている様に見せることで、2人の(もしくはその音楽自体の)特別なつながりや親和性のようなものを表現することができるのではないかと思います。

※GIF動画なので音はありませんが、一例として。

同じ音楽が流れながら、別のシーンに映ると、
何か特別な(重要な)音楽なのかもしれない、とも捉えられる。


最後に

このようにマッチカットは、通常の”カット”とは視聴者に与える印象が違うため、効果的に使うことで、より強いメッセージを与えることができます。
アニメーション/モーショングラフィックスにおいては頻繁に使われる技法で、紹介した3つの方法などが複雑に掛け合わさりながら、表現されています。

図形のつながりを強調したい場合 / 動きのつながりを強調したい場合 / 音のつながりを強調したい場合…などの目的を持っているときは、このトランジションが役に立つのかもしれませんね。

以上、今回はトランジションの一つ、マッチカットについてご紹介しました。
皆さんの制作の参考になってもらえれば、嬉しいです!


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