【グラフィックデザイン】~ストック素材で画面を作る時に気をつけたい事~

アニメーションを始めた方のほとんどは、ストック素材を使用してポートフォリオを作られる方も多く見受けられます。

ストック素材は、時間も節約でき自分では作りきれないような素材もある程度自由に使えるので、とても重宝されます。

ただし、ストック素材をそのままの状態で使うと、統一感がなく見栄えの悪い映像作品になってしまいます。

今回は、ストック素材を使う際に、デザイン面注意すべきポイントについて、書かせて頂こうと思います。



質を下げるストック素材の使い方

ストック素材を使う際、必ずしも理想のものがあるとは限りません。
例えばキャラクターのポーズや表情など、イメージと合うものを見つけることは困難です。

違う作者が制作した素材をダウンロードして、同時に使う必要も出てきます。
そこで出てくる問題として「トンマナに統一性がなくなる」ということです。
トンマナが統一されていないと、視聴者の不安を煽り、信頼感を失う画面になってしまうことになりかねません。

では、トンマナを合わせるにはどのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。いくつかピックアップしてみます。


素材を集めて、組み合わせた配置しただけの例

ストック素材を上手に使うには?

カラートーンを統一する。

こちらは言うまでもありませんが、色が与える影響は大きいので、全体を通して統一感を持たせなければいけません。

全体を通して配色を揃えたり、色温度を一定にしたりと、トーンを揃えて置く必要があります。

寒色系でまとめてみる例


アウトラインの太さ/細さ

ストック素材を使った作品の場合、アウトラインの太さが統一されていない作品は、多く見受けられます。
例えば、画面の中の4つのアイコンの中も、アウトラインが太いものと細いものが混同していたりします。アウトラインの強弱によって、印象が左右されるので、統一性を持たせた方がまとまります。

アイコンの線の太さを揃えた例

少し厄介なのが、ストック素材ではアウトラインもパス化されていることも多いため、自分で作ってしまった方が早い場合もあります。

アウトラインが付いている素材を使う場合には、ご自身である程度調整する必要はあるかもしれませんね。

情報量/ディティールの描き込み具合

モチーフごとに、情報量=描写の量が大きく違う場合は、違和感につながることがあります。

例えば、キャラクターAではシンプルな服装で表現しているのに、キャラクターBには細かい縫い目などディティールまで描いてある、など。

情報量を整えてあげることも、統一感のある画面作りには重要です。

ルールを統一させたほうが良いところを書き出してみる。
最初よりは統一感が出たのでは?

その他、画面のルールを明確に!

アニメーションでは、当然何枚もの画面を作ります。
カット毎に印象がコロコロ変わらないようにするためには、事前にルール作りが必要です。
例えば、

・キャラクターには目鼻口はなくして使う
・フォルムは少しだけ丸みをおびたものを探す
・色数は少なく使ってあるものを中心に選ぶ

など。

ルールが無いと言うことは、秩序が保たれていない世界観を生み出し、視聴者に伝えるメッセージも弱まってしまいます。そうならないためにも、なるべく調整を加えながら、ルールを揃えていきましょう。

最後に

ストック素材を使って、ポートフォリや自主作品を作る際は、以上のポインを微調整しながら使用されることをお勧めします。

※なお、ストック素材の作者やサイトによっては加工禁止などもあり得ますので、十分確認をしてください。

全てストック素材を使って、完璧に統一を揃えることは難しいかもしれません。
なので、「統一感を出す」とうより「悪目立ちさせない」ように使う心がけると良いかと思います。

皆さんの制作のお役に立てれば嬉しいです!


最後まで読んでいただきありがとうございます。
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