Motion Designモーションデザイン~動きの音色について~
モーションの質感
いろんな映像をじっくり見ていると、モーションにはそれぞれ違った質感があることに気が付きます。それはザラザラ/ツルツル…といったグラフィック的な質感ではなく、動きそのものが持つ視覚的な質感です。
この質感は「音色」とも呼べるかもしれません。
音楽を聴いてみると、
ギター・ドラム・ピアノ…などそれぞれ違う楽器が聞こえてくるはずです。
当たり前ですが、楽器はそれぞれ違う音色/響きがあります。
これと同じ様に、動きによって違う音色があります。
動きの3つの音色
これはあくまで個人的な仮説ですが、動きの質感(音色)には大きく分けて3つに分類できるのではないかと考えます。それが以下3つです。
(もちろん3つ以上、あるいは3つ以下という方もいるでしょうか、考え方はそれぞれでいいと思います。)
この3つは視覚的に与える質感が違うと考えています。
・移動は、地と図(オブジェクトと背景)の面積比を変えず、画面内をスライドしているもの。
・点滅は、不透明度を変えるもの(この場合は100→0)
・変形は、地と図(オブジェクトと背景)の面積比と形を変えるもの。
また、少し補足させてもらうと、それぞれの質感は別の音色の性質も持ち合わせています。
ちなみにですが、「点滅」がこの3つの質感の中で一番強い性質を持ちます。
運転手に、危険(注意)をいち早く気づかせるため、道路標識が点滅するのもこのためです。
音色を組み合わせる
1つの楽器でも強弱や緩急をつけることで十分に聞き応えのある音楽にすることは可能ですが、その音色が掛け合わせると、豊かでリッチな印象に変わります。
それと同じように、動きの音色を画面の中でどのように組み込むかで、与える印象が変わります。
自分の好きな作品をじっくり観察してみてください。
おおよそ、この3つの性質をうまく利用したものはとても見応えのある作品になっていると思います。
最後に
豊かな映像表現のためには、目だけで編集するのではなく、耳での編集も同時に必要となりことがわかります。モーションデザインをする時にこのような見方は大きな助けになるはずです。
効果音をつければOK、ではなく効果音がなくても音色が感じられるようにデザインすることは、モーションデザイナーにとっては必要な力なのではないかと思います。
皆さんの制作のヒントになっていただければ嬉しいです。
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