Digipediが第4世代を通して描く「若者」の姿
K-POPを楽しむにおいて重要な役割を担っているミュージックビデオ(以下MV)。そのMVを制作するチームは韓国に多く存在し、それぞれが特色のある作品を手がけ私たちに届けてくれます。そんな中でも一際独自の路線を貫いているのは2007年から映像制作を行っているDigipedi(以下デジペディ)ではないでしょうか。
彼らの作品の魅力はたくさんありますが、ひとつ挙げるとすれば「若者たち」の姿を美しく映す点だと思います。
そこで今回はK-POP第4世代のボーイズグループで彼らによって多くの作品が制作されているTOMORROW X TOGETHER、P1Harmony、ATEEZに焦点を当て、デジペディの描く「若者」の姿を見ていきたいと思います。
TOMORROW X TOGETHER
2019年にデビューし、第4世代を牽引する存在であるTOMORROW X TOGETHER(以下TXT)とデジペディはデビューアルバム収録の「Nap of a star」からタッグを組んでいます。
「Nap of a star」を含む、TXTがデビュー当時から紡いできた若者の成長の物語である「+U(TU、TXT Universe)」のMVは全てデジペディが制作しています。
特に今回ご紹介したいデジペディ作品は、2020年5月にリリースされたミニアルバム『The Dream Chapter: ETERNITY』のコンセプトトレーラーです。
登場するのは円形のテーブルと5人のみ。たった5分にも満たない映像の中に若者が抱える「孤独」「絶望」といった感情が凝縮されています。TXTが描く若者の姿には、ほのかに香る「ダーク」で「陰湿」な要素が不可欠です。その部分を最大限に引き出してくれるのがデジペディです。
ちなみに最近のTXTにおけるデジペディ作品はなんと日本語曲で見ることができます。オリジナルとは一味違う印象を受ける日本語版のMVを世界中のファンが楽しんでいます。
特に2021年11月に公開された「0X1=LOVESONG (I Know I Love You) feat. 幾田りら [Japanese Ver.]」はどこか日本のアニメーション映画に近い印象を受ける場面が多いです。映像自体の美しさに感動するのはもちろん、「若者」が苦しみ、もがいている姿がMVではダイレクトに映し出されており、観た後には胸が熱くなります。
↓デジペディの総監督のインスタグラムには「2021年私が一番好みだったK-POPの曲のMVを制作しました。この歌本当に良い。」との投稿が。
P1Harmony
2020年にデビューした6人組ボーイズグループです。デビュー当初から歌、ダンス、ラップの高いクオリティーはもちろん壮大な世界観でも注目を集めています。彼らもデジペディとデビュー当初からタッグを組んでいます。
今回取り上げたいのは今年1月にリリースされたミニアルバム『DISHARMONY : FIND OUT』のタイトル曲「Do It Like This」のMVです。
デジペディの映像美は海外ロケでより一層際立ちます。LAで撮影された今作では、現地のダンサー、スケーターを交えたパフォーマンスはもちろん、BTS「Black Swan」のMVでも使用されたロサンゼルス・シアターの厳かな雰囲気と、ヒップホップスタイルで激しく踊る彼らという一見正反対のものから生み出される美しさに惹かれます。歌詞の持つポジティブなメッセージがそのまま反映されたこのMVには若者たちの生きる喜びが描かれています。
★デジペディによるスケッチ★
このカムバックでは全曲のトラックビデオが公開されており、アメリカの壮大な景色や先ほどのロサンゼルス・シアターで踊るメンバーたちの映像もとにかく美しいです。
ATEEZ
2018年デビューの8人組ボーイズグループです。緻密に計画されたコンセプトの面白さや全員のハイレベルなパフォーマンスから、韓国ではもちろん海外でも絶大なる人気を誇っています。
そんな彼らは2021年末に衝撃的なMVを公開し話題になりました。
これは元々、昨年彼らが出演したMnetの番組「KINGDOM : LEGENDARY WAR」のファイナルでパフォーマンスした楽曲で、『ZERO:FEVER EPILOGUE』に収録されています。日本の不良高校生モノの作品にこれまで慣れ親しんできた方はきっと親近感を抱くMVです。真面目にふざけるとはこれほどまでにカッコいいんだと改めて思わせてくれるタッチのMVで、ファンにとってはATEEZと一緒に駆け抜けてきた2021年を締めくくるのにピッタリの作品だったのではないでしょうか。このMVではメンバーはもちろん、大勢登場するキャストの表情までもが生き生きと映されていて、「青春」を謳歌する「若者」たちの姿が存分に表現されたMVだと思います。
★デジペディによるスケッチ★
デジペディのこれから
いかがでしたでしょうか。それぞれのグループが持つ世界観は全く異なっていますが、その世界観を活かしながら「等身大」の若者の姿を美しく残してくれるデジペディの作品にファンが多いのも納得です。最近ではTXT所属のHYBEが主催するオーディション番組「&AUDITION」のシグナルソングのMVも手がけ、夢に向かって挑戦する若者たちの表情が生き生きと映し出された美しい映像に仕上がっています。またP1Harmony、ATEEZは7月にカムバック予定で、今回もデジペディとタッグを組んでいるので非常に楽しみです。このように今後もデジペディ作品は目白押しですのでご興味を持たれた方はぜひ公式サイトやSNSをチェックしてみてください!最後まで読んでくださりありがとうございました!