言の葉つなぎ Vol.5 川島桂子(理事/歌い手)
日本のフラメンコ界を代表するアーティストである、理事や特別正会員によるリレーエッセイ「言の葉(ことのは)つなぎ」、第5回は、理事でカンタオーラ(フラメンコの女性の歌い手)である川島桂子さんが登場です。昨年12月から今年の1月にかけての日本フラメンコ協会 全国ツアー「フラメンコのちから」富山公演の現地担当委員を務めながら、演奏家として全国6ヶ所11公演に出演されました。
カンタオーラの川島桂子です。
私が初心者の頃に旗揚げされた「日本フラメンコ協会」は、<二年もすればつぶれてしまうだろう>という大方の予想を大きく裏切り、間もなく34周年を迎えようとしています。
第5回の新人公演で奨励賞をいただき、その後カンテ・フラメンコを生業とするようになった私は、いわば、フラメンコ協会育ち(笑)
協会との関わりも深く、一個人では到底できない経験をたくさんさせていただきながら、今日までやってきました。
前事務局長と前会長の続けざまのご逝去は、協会の活動を鈍らせる要因になって余りある出来事だったはずですが、「何しろ船を進めよう!」と新体制を立ち上げ、今日まで不眠不休で動いてくださっている事務局他、ご関係者には感謝しかありません。
そう、今、協会には新しい風が吹いています。
協会史上最大のイベント、アートキャラバン「フラメンコのちから」をはじめ、積極的なイベント企画や後進への教育・普及など…
それは、30余年で培ってきた協会の理念をそのまま守りつつ、時代に見合ったフットワークの軽さや、世代を越えた相互コミュニケーションを重視しながら、より一層エネルギッシュに社会にフラメンコを広めて行こうという意思の力です。
その風で帆を張りながら… 嵐に遭いながらも進んでいく船に、私は船員として同乗していきたいと思っています。
その一環として、窓口を勤めさせていただいたキャラバン富山公演は、現地のみなさまの多大なご協力ご努力により大成功を修めることができました(泣) 北陸のフラメンコ熱・フラメンコ愛(Oleeee!!!)をたくさんの方々に観ていただくことができ、また協会と現地との交流もできて、感動的な2日間となりました。本当にありがとうございました。
しかしそれからわずか10日後の元旦に、震災のニュース。キャラバンに関わってくださった北陸の方々の様子も判然としない中での年初は、とても心が痛かったです。
ここに、被災なさった全てのかたにお見舞いを申し上げると同時に、一日も早く平穏を取り戻されますよう、お祈りしております。またフラメンコを通じたこのご縁が、これから何かのお役に立てますよう、願ってやみません。
全国公演ツアー「フラメンコのちから」1月の徳島、大阪、館山の3カ所では、令和6年能登半島地震の被災被害を受けた方のための募金を実施しました。
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