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言の葉つなぎ Vol.8 有田圭輔(理事/歌い手)

日本のフラメンコ界を代表するアーティストである、理事や特別正会員によるリレーエッセイ「言の葉(ことのは)つなぎ」、第8回は、理事で歌い手(カンタオール)の有田圭輔さんが登場です。昨年12月から今年の1月にかけての日本フラメンコ協会 全国ツアー「フラメンコのちから」の実行委員会のメンバーとして徳島公演の担当委員を務めながら、歌手として全国5ヶ所10公演に出演されました。


有田圭輔です。今回のアートキャラバンで徳島公演の担当理事として活動しました。

協会理事となってから、僕の大きな願いの一つに、"協会事業の全国での展開"ということがありました。なにか具体的な考えがあるわけでもなく、ぼんやりと頭で描く程度で、理事となって10年ほど経ちますが理事会に出席して、少し口にすることはあったものの、なかなかこれといったアイデアも浮かばないまま過ごしていました。

協会の事業は、「新人公演」をはじめ、そのほとんどが東京で行われてきたので、やはり地方の皆さんに浸透なり、参加なりしていただくのがなかなか難しく、会員であることのメリットも享受しづらい現状がありました。

事務局長の瀬戸ちゃんが、一昨年に「FLAMENCO GALA 東京」と「FLAMENCO GALA 大阪」を企画して、初めて大阪で協会主催の公演が行われたことは、大きな一歩を踏み出したと実感することができました。そこからの、アニフェリアでの理事総出の作品を佐藤浩希理事の下で完成させて、その後ものすごいスピードと作業量で、瀬戸ちゃんが文化庁の支援を取り付けてくれて、このアートキャラバンが実行されました。

高知出身の僕は四国のフラメンコの友人も多かったので迷わず担当理事になると立候補して、出演依頼を地元の皆さんにお願いしました。特に徳島は小島章司先生の故郷でもあり、徳島小島塾出身の踊り手も数多く居るので僕の中では特別な意味を持つ公演だと感じてました。
 
地元の皆さんのチカラをたくさんいただきました。古くから四国でのライブを共に歩んできた仲間たち。初めてお目にかかる四国のフラメンカのみなさん。四国にもこんなにもたくさんのフラメンコが息づいてると実感して、とても嬉しかったです。
 
とにかく初めてのことだらけで、至らなかった点も多々ありましたが、公演を終えたあと、地元の出演者の皆さんから数多くのうれしい声が聞かれ、実現できて本当によかったと感じてます。また、最後まで出演を考えてくれて、叶わなかった仲間たちにも感謝しています。本気でたくさん考えてくれたこと、ぜひ次の事業で実現できればと感じてます。
 
これは協会の新たな一歩です。アートキャラバンが終わった後、理事会では真剣な討議が行われ、細かく反省点、改善点を話し合いました。この大きな経験を足がかりに、また全国の皆さんに喜んでもらえる、参加してもらえる公演や事業を提供していきたいと、ひしひしと実感してます。

有田圭輔

徳島公演でのカンテソロ  ギターは福嶋隆児氏




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