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藤田ことねとかいうアイドル

周年もまだだというのにサービス開始から様々なメディア展開と豊富な中身でドラッグマシンの如く突っ走っていくアイマス新ブランド、学園アイドルマスター
12月26日には、初期から実装されている「初」の続編となるシナリオ「N.I.A.編」が登場しました。

※以下、「N.I.A.編」のネタバレを含みます。



予告編で泣く

はい。

すでに予告のPVを見るだけで限界まで極まった熱が弾け飛んでしまい、あまりの感動に肝心のシナリオをまだプレイしてないにも関わらず泣いてしまう始末。$${\scriptsize歳取ると些細なことで涙腺緩みがち}$$

ゲームに関わらず、映画や漫画などでも予告編というのは上手に本編中のシーンを切り貼りして相手の興味を惹くことも目的ではあるので、涙するかどうかはともかく感情を揺さぶられるのはまぁ自然で当然。
予告PV中では、「N.I.A.編」のゲームシステム紹介にあわせてライバル校の極月ごくげつ学園のアイドルも顔見せされていたが、途中で初星学園アイドル達の劇中セリフも出てくる。


肝心の藤田ことねは……?

1:16のところ

藤田ことね「次のオーディションで証明してやる。アンタの見る目がないってナ~」

おっ、随分と強気な言葉が出ているな~。って感じ。
ライバルとなる極月学園のアイドル達はビジュアルで既にわかりやすく悪役の印象を与えている上、彼女たちを引き連れているのはおなじみの黒井社長こと黒井崇男たかお
勝利のために手段を選ばない男が勝負の場で何をしてくるか、皆さんおわかりですね?





$${\largeそう、なにもしないのである!}$$





N.I.A. 藤田ことね編

「N.I.A.」が実装される1ヶ月ほど前に各アイドルに10.5話が更新されていた。
「初」での10話からの流れを汲んだもので、共通項として黒井社長と極月学園のアイドル・白草四音しらくさしおんが初星潰しを企む会話が盛り込まれており、この時点で波乱を予感させる。

久しぶりに見るあのお方

$${\largeところがどっこい……}$$
$${\largeなにもしてこない……っ!!}$$
$${\large全然……! まったく……!}$$


「N.I.A.」の藤田ことねシナリオにおいては極月学園は空気中の二酸化炭素より希薄な存在であり、例えば『アイドルとしての力量が低いと嫌味ったらしくなじってくる』とか『会場で使う音源を壊される』とか『嫌がらせに悪い噂を流布して立場を悪くする』とかが何もない。

じゃあどこに主題が向けられるのかというと、
藤田ことねの抱える問題と『一番星プリマステラ』への情念である。



藤田ことねの抱える問題

1、家が貧乏
2、体調が常にバッドコンディション

藤田家は父、母、ことね、妹が3人という6人家族構成。
裕福でない貧困家庭において、長女・藤田ことねはアイドルでの一攫千金を夢見て初星学園へ入学した。
父親は借金を負ってまで彼女を中等部から初星学園に入学させたが、のちに蒸発してしまい、それが藤田ことねの心に影を落とすこととなる。

初星学園に入学したせいだと自責の念に駆られる


入学以降、学費の支払いのために自らもアルバイトをこなして借金も返済するという三重苦の状況を3年間続けており、いくら体力と気力のある若い学生でもその日暮らし同然の日常を送っていてはコンディションは下がる一方。
ことねには恵まれた容姿とダンスの才能があったものの、それを十全に発揮できぬまま中等部を過ごす要因となった。

学生が本来空いている時間をアルバイトで埋め、隙間時間にレッスンまがいのことを行い、結果として体力が回復しきれないまま日々を過ごす彼女には持ちうるスペックをパフォーマンスで披露できない状態であったのは言うまでもない。
結果として、中等部時代に負のスパイラルに囚われた藤田ことねは、成績が上がらないことで自己評価を低く見積もってしまっていた。

これをすくい上げたのがプロデューサーである。

初期段階からことねの問題点が抜き出されていた



「初」~「N.I.A」まで

藤田ことねは才能を見抜いたプロデューサーに高等部へ上がってからスカウトされる。
この時点でプロデューサーの所感として「ダンスの才能がある」ことと「本調子ではない」ことが記されており、レッスンの様子を覗き見していた彼に自信の無さから逆ギレに近い形で不安を吐露したことねに対して「せっかく見つけた逸材」だと堂々言い放った。

こう見るとネコを被るのは早々にかなぐり捨てている


プロデューサーは奨学金制度などで金銭面の負担緩和を図り、更に彼女に休養を言い渡して本来の実力を発揮できるよう体制を整えていく。
学園を通したアイドルの糧となる仕事を積ませて評価を上げつつ、これまでの疲労負債とでも言うべき代物を徐々に返済していった藤田ことねは才覚を現すことになった。

心身ともに回復


N.I.A.では、当初の金銭問題をさらに解決に近い形に持っていくために専門家まで連れて藤田家の家計に介入。借金の利息をチャラにして、ことねの心労が大きく減少。
これによってほぼ憂いの無くなったことねが次に直面したのが、『プロデューサーの不在』。

まるで死亡フラグ

なんとN.I.A.をこれから制覇しようという矢先に、とある事情からプロデューサーが出張へ向かうことになってしまう。

ではその間ことねは……?

集中線による迫真の入室


初星学園生徒会長にして学園最高のアイドル、『一番星プリマステラ』十王星南がプロデュース業を補佐することになる。
星南はアイドルの能力値を見ることができる眼を持っており、前々からことねの潜在能力を見抜き声を掛け続けていた。
この辺はサポカや「初」の十王星南シナリオでも時折両者の絡みが見られる。

「奇遇ね、ことね」

残念ながら星南のスカウト手法があまりにも常識を逸脱していたため、ことね本人には「生徒会長が冗談でちょっかいをかけてきている」くらいにしか思われておらず、それによって常に距離を取られる有様。

が、今回の出張にあたってプロデューサーによってその不幸な誤解を解かれ、無事にプロデュースを助ける立場に立つことになった。
星南シナリオで特に語られる内容だが、彼女は自身の能力限界を察してプロデューサーを目指しており、それも要因となってことねを託す形になったのだと思われる。

当初、プロデューサーから掲げられた方針である「N.I.A.を足掛かりに成長してH.I.F.で一番星プリマステラを獲る」ことに対し星南から見解を尋ねられたことねは、自分が十王星南の最古参ファンであり星南が自分にとってのスターであると告白。
昔からの憧憬の対象である人物を前に、躊躇いつつも「倒す」ときっちり宣告してみせた。

宣戦布告


物語中盤で出張からプロデューサーは戻ってくるが、出張の成果があったことが示唆されるも内容には触れられない。

居ない間も電話しろと言っていました
台詞に全部濁点付く勢いで飛びつく生徒会長
きょうこうです。よろしくおねがいします。


そうこうしている内に、「N.I.A.」の覇者が決まる最終オーディション『FINALE』まで歩を進めたことねの相手となるのが、既に海外で活躍中だった極月学園のアイドル・白草月花。Next Idol Auditionとは……

おそらく黒井社長も寝耳に水


星南「今の彼女はせいぜい自分と同程度」

流石にたじろぐことねに、星南は自分が身に着けられなかった力を持つことねには勝算があると言います…………が。

この時点でことねには火が入りました。


星南としては、「N.I.A.」でのプロデュースを通じて見出していたアイドルが自分を追い越して昇っていく様を見通して、次代の一番星プリマステラは藤田ことねだろうという確信を得たのでしょう。
そんな考えを見透かされた星南は、闘う前から自分との勝負を降りたも同然の姿に辛抱堪らなくなったことねから冒頭の台詞をぶつけられます。

魂の叫び


$${\largeそれ星南への台詞だったのかよ!}$$


そ……ッッ そうきたかァ~~~~~~ッッッ
と某海王みたいなリアクションが素で出て二重に驚きましたね、ええ。
てっきり極月学園のアイドルとか黒井社長から「お前のプロデューサー能力無いわ」とか言われて、じゃあプロデュースされてるわたしが勝って能力証明してやるよオラァン!!って感じだと思ってたからまさかの不意打ち。



一番星プリマステラへの情念

ことねは小さいころから自分よりわずかに年上の星南が活躍するのを見てきました。
家庭の金銭問題もあれど、星南もことねが初星学園へ進学するきっかけの一つとなったことは想像に難くありません。
はるか昔から憧れの対象だった人が、自分には手に届かないくらい眩しい人が、「自分には無理だけどお前にはできるから任せた」と急にバトンを渡して来たらどういう気持ちになるか。
希望を託すという意味では両者同じですが、星南には一番星プリマステラという明確な肩書があります。

一番を掲げる人なら一番に輝いていて欲しい────

ことねは、突然星南から見上げられた気持ちだったでしょう。
追いかけていた人が隣に並ぶどころか一番になれと背中を押してくる。こんな梯子外しはありません。
だからこそ、ことねは半ば謙遜として捨てかけていたはずの劣等生という自虐を拾い上げ、自分に負けるような奴が自分の推しと同格なわけないだろとブチ切れて宣言。
藤田ことねにとって十王星南がどれだけ大きい存在かを叩きつけて『FINALE』に向かうのでした。



とまぁ啖呵を切って出てきたものの、そこはやはり藤田ことね。冷静になったのかデカい口叩いたかもとプロデューサーに申し訳なさそうに報告。「今の藤田さんなら」と思いのほか強気のプロデューサーに、所詮わたしだと再び自虐スイッチの入りそうになる。

借金問題は頭の痛い部分が解決。
今ではアルバイトで過労になるようなこともない。

────後は?

絶句


$${\largeスパダリが過ぎるだろ!!}$$


本当にあらゆる問題が解決してしまい後顧の憂いも無くなった。
ここでさらにもう一つ、藤田ことね一世一代の決意が飛び出す。


$${\large結婚しろ!!!!!!!!!!!!}$$


そして、無事に『FINALE』で勝利を飾ったことね。
彼女に焚きつけられ熱を取り戻した星南は、「H.I.F.にて待つ」と告げます。
夏の甲子園ばりに熱い展開が待ってそうな予感。



親愛度20

さて、こうしてゲームとしては『FINALE』で勝利して「N.I.A.編」TRUE ENDを迎えます。
藤田ことね最後の問題であった父親は、稼ぐために少々危険な仕事に手をつけていたらしく、子どもに心配を掛けないようにと失踪という形を取っていただけでした。

どういう理由にせよ、父親がいなくなったのは思春期のことねにはかなりつらかったでしょう。
母親にまで連絡先と居場所を伏せていた徹底ぶりでしたが、まさかことねを担当しているプロデューサーが家計から自分にたどり着くとは夢にも思わなかったはず……。なんなんだよ、こいつ。

そりゃ帳簿外の収入は気づくかもしれないが……

感極まることねに、当初から想定していた理想のプロデュースで送り出せたと感化されたように涙目になるプロデューサー。
2人は星南にすら引かれたいつものやりとりをしつつ一層の決意を固めましたとさ。


春から夏までの期間に身辺の問題を一挙に解決してしまった藤田ことねは、ここからがようやくアイドル活動としての『本番』に来たと言えるはずである。
心身清らかにして意気軒昂の彼女がこれから卒業までどのようなアイドルとして花開いていくのか、決して目が離せない。


$${\Large目指せ大金持ちぃ!!}$$







終わりに

これ藤田ことねNIA編まとめただけやんけ。
ことねが時々発する「~ナァ」とか「ネ♡」とか「サァ!」の部分で生きてます。
↑これが言いたかった。



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