人は恋をする、何があっても #28
「チカちゃん、和食食べたいんだけど、この間の池袋のお店に行かない?」
彼女からSNSがやってきた。うひゃうひゃ、とかいう感じはないね。ああ、話したいのかな、スケ調整しなきゃ、という自然な思考。高揚しないけど嬉しい柔らかい気持になる。
「礼ちゃん、いつ行こうか。ご予定はいかが」
「明日。これは冗談、ははは。ウソウソ。週末のハナキン、どうなん?」
「ああ、いいよ。予約入れておくよ。なんであそこなのさ。オッサン臭の居酒屋やんか」
「汚いないけど居心地いいのよ。お願い。オサレなところもいいけど、ちゃんとしないといけないから疲れちゃうの。美味しいもの食べて、少しお酒飲んで、だらだらっとゆっくり落ち着きたいのよ」
「よしよし。わかったよん。のんびりしよう」
早速、松風に電話電話っと。運よく空いている。いいね、幸先。彼女は着かれているようだね。お互い合えば気がまぎれるならそれがいいことだと思う。
しかし、この時は知る由もない、運命の松風、であったのだ!