人は恋をする、何があっても #38
お風呂は露天風呂。お湯に入れば心地よい。彼女は向かい側にこっちを向いて入っていた。かけ湯をして体を洗って湯船に入る。彼女のむかいだ。
「チカちゃん、お風呂気持ちいいね」
「礼ちゃん、温度丁度いいよ。リラックスできそう。ワイン回り始めたけど」
「ほんのり赤くなってるわね」
「あまり君は赤くならないね。体質かな」
「そうかもしれない。でもあまりたくさん飲まなかったのよ。そっち行くから」
「オケ。ウェールカム!」
ふたりならんで湯船に入る。肩に手を回してみた。嫌がらない。
「ここまで長かったね。でもすごく幸せ」
「そうだね。でもすごく気持ちいいんだ」
「こうしてお風呂に一緒に入ってるなんて、最初の頃考えてた?」
「全然考えてなかったよ。だから意外ともいえるけど。今が大事だと思うんだよ」
彼女が腕を組んできた。なんというかエロさがない。自然なスキンシップ。
「愛してるよ」
「わたしも。チカちゃん愛してる」
手を繋いで自然とキスをした。
恋人以上、夫婦未満な関係は始まったばかり。