ドラァグレースは最強のエンタメ

いま、『ルポールのドラァグレース』に絶賛どハマりしている。面白いので、もっとたくさんの人が見たらいいのに〜〜と思いつつ、1つのシーズンにつき約1時間が14話、11シーズンまであるし、どこから見ればいいのか分からない、みたいなところがあるので、ネタバレなしにオススメするぞ!!というnoteです。

『ルポールのドラァグレース』はアメリカのリアリティーショー。有名で伝説的なドラァグクイーンのルポールがホストを務め、次のドラァグスーパースターをレースで決めるという趣旨の番組だ。
(ドラァグクイーンは、ゲイ男性の女装パフォーマンスのこと。この番組には、MtFのトランスジェンダークイーンも参加している)
大体14名ほどのクイーンが参加して、毎話ごとに課題とランウェイをこなし、ルポールをはじめとする審査員のジャッジによって1人ずつ脱落して、その頂点が決まる。

リアリティーショー特有の誰が落ちるかわからなくてドキドキとか、蹴落としあいの喧嘩とか、だからこそ生まれる友情のドラマとか、努力とその達成の喜びは、この番組の魅力の一つだ。でも、他のリアリティーショーとは違うこの番組の面白さは、彼女たちを裁く評価基準にあると思う。

じゃあ、どういう基準で評価されるのか。
彼女たちに求められるのは1つの秀でた能力というより、自分の個性や技術を駆使して柔軟にいかなる時も自分を魅せ続ける能力だ。

各話は課題とランウェイで構成されている。
ランウェイではテーマに合わせたメイクアップや衣装を身につけて、美しさのみならず個性を表現しなければならない。
課題では様々な能力が試される。チームを組んでミュージカルを演じることで、キャラクターをいかに作り込んで観客を楽しませられるか、や、スナッチゲームという恒例のモノマネゲームでは著名人に扮してテレビ番組に出演し、面白い受け答えができるか、とかも見られる。

つまり、彼女たちが自分自身を表現する方法は、メイクアップや衣装デザインなどの外見のスタイルから、ダンスやコミカルな仕草と受け答えなどのパフォーマンスと多岐にわたる。

このレースが求める多彩な能力に、不満を持つクイーンも少なくない。
ミスコン系と呼ばれるビューティーを競うコンテストの常連出場者のクイーンたちは、演技やコミカルな振る舞いが不得手なことも多くて、私はこんなに美しいのに、と面白さを求める審査員に不満をぶちまけることもしばしばだ。

でも、この番組で求められるのは、芸能界で燦然と輝けるスーパースターとしての才能だ。自らをよく知り、能力の全てを駆使して自分を演出して、人を楽しませなければならない。
多様な引き出しで飽きさせず、美しさと共に親しみ深さもある、そんな究極のエンターテイナーだけが、このレースの勝者になれる。

だから、視聴者はいつも何を出場者から魅せてもらえるんだろう、とワクワクしながら観ることができるし、実際にスペシャルなパフォーマンスを観ることができるのだ。

そして何と言っても、この番組の究極のエンターテインメントは、下位2名の生き残りをかけたリップシンクバトルだ。
リップシンクとは、歌に合わせて口パクをするパフォーマンス(渡辺直美のビヨンセとか、はるな愛のエアあややのような)のことで、クイーン達の基本であり、それぞれがリップシンクに対してプライドを持っている。
この熱いパフォーマンスが、彼女達の命運を分けるということこそが、この番組を端的に表している。

そんなわけで、『ルポールのドラァグレース』の出演者は個性派ぞろいで、それぞれをいろいろな面から味わうことのできる究極のエンタメ番組ということなのだ。

シーズンを重ねるにつれて、番組のクオリティも上がっているので、シーズン5.6くらいから観ると、かなり高いレベルのものが見られてオススメ! ただし、途中のシーズンから観ると、以前のシーズンのネタバレがあるので、どうしてもネタバレが嫌な人は順番に観ることをお勧めします。

ドラァグクイーン特有のカルチャーとかを知れる面白さもあるので是非ご覧くださいませ!!

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