東京都立大学MBA入学体験記(振り返り② 1年後)

早いものでMBAを修了してから1年が経ちました。私の近況を申し上げますと、修了後にいろいろ思うところがあり、新しいチャレンジに向けて長年勤めた会社を辞めて転職をしました。現在は新しい環境にも少しずつ適用してきましたが、私にとってはまさに激動の一年だったと実感しています。

修了1年後の良い節目なので、以下3つの観点でMBAでの学びを振り返りたいと思います。
-実務で活きているMBAでの学び
-転職活動で感じたMBAへの評価
-改めて考えるMBAの意義

実務で活きているMBAでの学び
1年が経過して授業で学んだ知識も少しずつ記憶から薄れてきているのを感じています。といっても組織行動や組織論など重点的に学んだ内容はもちろんですが、ケーススタディやグループワークで学んだ濃密な知識については明確に思い出すことができますし、それ以外の内容についても、本で例えると本の中に書いてあることまでは明確に思い出せないものの、目次ははっきり覚えているという状態ですので、必要に応じて復習を行えば、学んだ当時と同じ程度まで知識を再現できるように思います。

MBAで学んだ経営学の知識がどれくらい実務に活かせるかという問いに関しては、職種や立場にもよるので一概には言えませんが、私の場合は組織行動・統計学・事業戦略あたりは実際に知識を実務で活用する機会がありました。

ですが、やはり修士論文執筆のための一連の経験がMBAで得た科目ごとの知識よりも遥かに実務に活かせている実感があります。PCで例えると科目単位の知識はアプリケーション、修士論文の経験はOSという位置づけだと思いますが、このOSの部分をアップデートできたことは実務においても成果に明確に繋がる学びであったと感じています。

特定の領域について調査をして、リサーチクエスチョンや仮説を立て、調査方法を検討し、仮説を検証していくという経験は、業界や職種による違いはあるにせよ、あらゆるビジネスパーソンにとって非常に有意義なものだと改めて思います。

以前の記事でも述べましたが、私がMBAで学ぶ目的は修士論文執筆を通して、本質的な思考力を獲得することでしたので、この目的は一定程度果たせたのではないかと考えています。

転職活動で感じたMBAへの評価
私は修了後に3か月ほど転職活動を行いまして、良いご縁にも恵まれて最終的には4社から内定を頂くことができました。書類応募は10社程度でそのうち面接に進んだのは6社でした。国内MBA取得に対する企業側からの加点については正直あまり期待していなかったのですが、意外にも(?)面接をおこなった6社のうち2社からはMBAに関して、かなり踏み込んだ質問があり、非常にポジティブに評価をして頂きました。2社とも日系の誰もが知る大企業でしたが、逆に外資ではMBAについて全く触れられなかったので、ここは私の想像と逆で面白かった点です。

改めて考えるMBAの意義
この1年を振り返って改めて考えたときに上述した「本質的な思考力」以外では、「学習する習慣」と「学友や先生との交流を通じた自身の相対化」がMBAの意義なのではないかと思います。

前者については、2年間、働きながら毎日4~5時間は授業や課題をやっていましたので、在学中も今後習慣化していくだろうとは思っていましたが、いざMBAが終わって学習する対象がなくなると、自分が成長できずに立ち止まってしまっているという焦りにも似た感情や、もっと成長したいという気持ちが想像していた以上に強くなりました。単純に一時的なロス体験なのかもしれませんが、結果として、修了後もかなりの量の本を読みましたし、今後もそうしていくだろうと感じています。

後者に関しては、学友との相対比較によって自身の知識や経験、能力の強みや弱みがわかったという点が大きかったと感じています。今まで自分が本当に狭い世界で生きてきたということを痛烈に実感しましたし、これは転職を真剣に考えるきっかけになりました。

以上、あくまで現時点で感じていることを、心のままに記載しましたので、雑駁な内容になってしまいましたが、国内MBA受験を検討している方の参考になれば幸いです。

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