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【気になるデバイス】透過有機ELディスプレイ
「Experience×Technology(体験×技術)」の出井です。
今回は画面がガラスのように透ける「透過有機ELディスプレイ」を紹介します。
透明なモニターの種類
近未来的なイメージのある透明なモニターは10年以上前から登場しはじめました。代表的な透明なディスプレイには、透過液晶ディスプレイと透過有機ELディスプレイがあります。透過する色は映像のブラックになります。
<透過液晶ディスプレイ>
液晶自体は発光しないので、バックライトが必要になります。発表されてからそれほど普及することもなく、現在は一部の中小企業が製造しています。サイズは最大90インチ程度まで対応できます。バックライトが必要なために後方のスペースが必要になりますが、製造コストは透過有機ELより比較的安くなります。
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<透過有機ELディスプレイ>
有機EL自体が発光するため、薄いガラス状のディスプレイのように見えます。
サイズも現状は55インチのみになります。透過液晶より高価になります。
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透過有機ELディスプレイの種類
透過有機ELディスプレイで現在発売されているものは下記のようなものがあります。
LG:55EW5G-V
輝度 :400 cd/m²
透過率 : 38%
Panasonic:TP-55ZT110/ TP-55ZT100
輝度 :400 cd/m²
透過率 : 28%/43%
透過率は多少違いますが、奥に置かれたモノははっきりと見えます。
ごく薄く黒のスモークがかかったような感じになります。
価格は、通常の有機ELディスプレイの数倍以上かかります。
受注海外生産になるので、通常3か月程度の納期が必要です。
ディスプレイ部分は厚さ1cm程度しかなく、固定方法と電源ボックスが
別パーツとしてあるので、設置方法も慎重な設計が必要です。
透過有機ELディスプレイの利用アイデア
利用シーンとしては、透過ディスプレイの向こう側に展示物をおいて、その解説をオーバーラップして表示するような使い方が基本です。センサーを追加して、タッチでのインタラクティブも可能です。
6台を組み合わせて、クルマの解説をしている事例もあります。
また、コロナ禍のような状況の中では、受付での対面のガイダンスにも役立ちます。
レイヤー状に複数枚を重ねることにより不思議な映像表現もできます。
サイズは55インチのみなので、もう少しバリエーションがほしいところです。
個人的には、家庭に1台ほしいところですが、まだ生産量が少なくかなり高価です。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後も気になるデジタルツールや関連イベントなどをご紹介します。
今回のツールは、生産量が増加すれば一般社会に広まると思います。
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執筆者:出 井
株式会社フラッグ コミュニケーションデザイン部プロデューサー
長年、デジタル体験とリアル体験の融合をテーマに、ショールーム・体験施設や展示会・イベント・ウェブまで幅広く企画・システム設計・空間設計からプロジェクト管理までトータルで担当。