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AIが言葉と香りを結び、嗅覚を深める!?「KAORIUM」
こんにちは、「Experience×Technology(体験×技術)」の岡田です。
早速ですが「心地よい香り」と聞いてどのような香りを思い浮かべますか?
優しい花の香り、爽やかな果物の香り、落ち着いた森の香り、などなど。
一口に「心地よい香り」といっても人によってイメージは変わるもの。
嗅覚にはいまだ未知の領域が多いそうで、近年の研究でようやく解明が進んできたとはいえ、視覚・聴覚に比べてサービス開発が進んでいません。
だからこそ期待の高まる分野です。
今回はそんな嗅覚にまつわるユニークなシステムをご紹介します。
五感の中でもっとも原始的で本能的で、曖昧
ざっくりいうと嗅覚刺激は五感の中でもっとも速く直接的に大脳の奥に届くため、香りを感じた瞬間に記憶や感情に結びつきます。「人の深く本能的な部分に強く働きかける力」があるものの、形のない感覚的な要素のため曖昧で、感じかたにも個人差があり、ラベリングしにくいという面があります。
それをAIでうまく橋渡ししてくれるのが、香りと言葉の変換システム「KAORIUM」です。
パネル上に並んだボトルから好きな香りを選んでコースターに置く
↓選んだボトルのまわりに、その香りを表現した言葉の相関図が展開し、
そこから言葉を一つ選ぶと、さらに紐づく香りのボトルが示される
↓香りと言葉の選択を繰り返して3つのボトルを選ぶとAIが総合的に嗜好を解析し、最終的に情景に喩えて教えてくれる(”新緑のせせらぎ”など)
と、ぼんやりした香りの好み・イメージを言葉から可視化してくれるシステムなんです。
嗅覚×ITというテーマは珍しいですよね。
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「なんとなく」でも導いてくれる
なかでも注目していただきたいポイントが2つあります。
1つめは、キモであるAIによるデータベース学習と解析。
どんどん蓄積される膨大なデータから、感覚に惑わされない分析で即座に最適を判断できる、AIの強みが活かされています。
この「うまく言葉にできないけどなんかいいかんじのものを探したい」をサポートしてくれる機能の応用として、好みのお酒を探してくれるソムリエアプリとしても活躍してくれるそうです。新たなお酒の楽しみかたを体験できるかもしれませんよ。
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体験を深めるUI
2つめは、UXデザインに基づいたUI。
香りを選択するのも言葉を選択するのも、タッチパネルで選択ボタンを表示すれば事足りてしまいます。そこをあえて、手でボトルを選び、置くという行為によって「吟味する・向き合う」という感覚が増し、体験を深めることにつながっているのではないでしょうか。
選んだボトルに紐づく言葉を表示する仕組みについては、
おそらくRFIDを活用しているのかな、と推測できます。
RFID(Radio Frequency Identification)は
電波を用いて非接触でタグの情報を読み書きするシステムで、わかりやすい例はSuicaなどの交通系ICカードです。
改札にピッとかざすと瞬時に情報を読み取り、運賃を計算してゲートを通してくれますよね。
このタグをボトルのフタに、リーダー(読み取り機)をコースターに仕込むことで、選択されたボトルを判別しているのではないかと思われます。
言葉の表示のしかたにもデザインが効いています。
文字の大小でメリハリがつけられたり、ただのランダムではなく分布軸(横:穏やか〜華やか / 縦:軽め〜重めなど)に沿ってマッピングされることで、言葉の関連性や印象を掴みやすく設計されています。
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嗅覚×テクノロジーにワクワク
漠然としたものも、言葉にできると一気に捉えやすくなります。
自分では表現しにくかった香りの印象がクリアになることで、感性もより豊かになるかもしれません。
切り拓き、試す楽しさがまだたくさん眠っていそうな嗅覚の世界。
デジタルなテクノロジーやデザインが絡むとどんな展開があるのか、これからも楽しみです。
以上
今後もワクワクできる「体験×技術」をご紹介していければと思いますので、どうぞよろしくお願いします!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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Experience×Technology(体験×技術)
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執筆者:岡田
エクスペリエンステクノロジー部にて主にUIデザインを担当。
趣味は、ねこと遊ぶこと、花いけ。