ビジネス、テクノロジー、クリエイティヴの バランスをとるには?
Line Developer Day 2019にて、「ビジネス、テクノロジー、クリエイティヴの バランスをとるには?」という発表をしました。そのスライドや補足など。
この登壇では、下記のようなことについて話させていただきました。
・ビジネス、テクノロジー、クリエイティブ視点で、経営レイヤーからどうバランスをとり連携していくか?
・定性的な判断、定量的な判断、その両者のバランスをどうとるか?
端的にいえば、この問題に銀の弾丸はありません。開発手法というよりも、地道な意識共有、価値観共有があるのみかなぁと思います。
あと現場からボトムアップするというよりは、経営者がしっかりやるべきことかなぁと。決算書の数字しか見れない経営チームというのは、あんまりよろしくないし、それを直すのは経営レイヤーの責務かなと。
売り上げだけとか、DL数だけを見ると、サービスはどんどん歪んでいきます。数年ぐらいは大丈夫でも、そのあとに手痛い代償を払う。
サービス(特にCGM)は、人体のようなエコシステムです。「血糖値だけ見る」とか「大胸筋だけ鍛える」みたいなことやったら、死ぬわけですね。「生命は一番弱い臓器が壊れたら死ぬ」というのは大事な感覚だと思います。
そして健康は「ココアを飲んだらOK」ということはなく、全体バランス。人体や日々の生活では当たり前のことなのに、ビジネスになった瞬間に単独指標に飛びついてしまうのは不思議(単独指標の最大マイナス点は、これだけ見ていれば大丈夫という、いつわりの安心感です)。
認知モデルをシンプルにする
自分の好みは、「認知モデルをできるだけシンプルにする」アプローチ。専門用語なしに共通認識が作れると、チーム全体でのコミュニケーションコストが大きく下がります。あわせて、日々の接触頻度を最大化する。
そのために、noteのミッションは耳障りだけの雰囲気ワードではなく、「コンパスとして機能する」ことを大事に設計しています。
誰のためのサービス、どうしてもらいたい、その結果どうなればいい?といったことが、ワードに織り込まれています。
普段からnoteに限らず、全クライアントに「ミッションは北極星」と言っています。ミッションがしっかり天に輝いていれば、職域も現在位置も違うメンバーどうしが、自主的に判断でそれぞれ目的地に迎えます。障害物を迂回したり、遠回りすることはあっても、マイクロマネジメントなしに少しづつ目的地に近づいていくはずです。
サービスの負の状態を共有しておく
やって恥ずかしいことを、負ロールモデルとして可視化したりもしました。これは初期の頃にやったワークショップですが、オフィスにサイネージができたので、そろそろスライドショーで再生したい所存。いっぱいあるので、見つけ次第、できるところから少しづつ直していきます。
成長モデルをシンプルにする
成長モデルも、誰でもわかるシンプルな因果関係を作り、図にしています。サービスの基本戦略を理解するのに、ロケットサイエンスは必要ありません。そんなものなくても通じるようにするのが大事。
…というように、諸々のためには「経営陣が」「しっかり下準備をする」ことが大事です。それ以外にも、スライドに色々な試みが書いてあります。
より具体的な定性と定量連携シーンについては、樫田さんとのイベント動画で語っています。
あとビジネス、テック、クリエイティブのバランスについては、Takramの田川さんの本がオススメ。