農業用ドローンの導入を目指して
2023年4月より魚沼市地域おこし協力隊に着任し、福山新田という小さな集落で活動しています。
さて。そろそろ活動報告でも書かねば!
ということで…
これから5回くらいは2023年前期に行った活動について、
ざっくりとした活動報告をさせていただきます。
1.今年度の目標
1.スマート農業と SDGs を目指した取り組みを行うこと
2.将来的な移住促進に向けた取り組みを行うこと
3.地域農産物の販売体制を構築すること
4.地域の方に存在や活動を知っていただくこと
5.自身が福山新田での生活を理解し慣れること
持続可能な地域を目指す上での第一歩として、上記の5つを今年度の目標としています。(何故この目標設定になったかも、どこかのタイミングでお話しできればいいな)
中でもスマート農業は自身が最も力を入れるべき活動だと思っています。
地域が過疎・高齢化に向かう中で今の生産方法では手間がかかりすぎて維持できない部分について、ITの力を使って賢く農業をすることで、少ない人数でも地域の主産業である農業を維持したい、というのが活動の趣旨です。
新潟県でも平野部では農業のスマート化が進んでいるのですが、福山新田のような中山間地域では費用対効果やオペレーター不足の面でなかなか難しいという現状があります。圃場面積が狭かろうと、高齢者が多かろうと、みんなが気軽に最新のIT技術を使えるような社会だったら面白いのにな、という気持ち。コスパも考えつつ、「昔ながらの自然豊かな暮らしと最新技術のいいところ取り」を目指したいです。
2.農業用ドローン導入に向けた検討
スマート農業といっても様々な機器がある中で、最もスマート農業らしく、かつ実際に作業の省力化に寄与できるものとして、まずは「農業用ドローン」の導入検討から始めることにしました。
結論から申しますと、来年度から農薬や肥料散布が行える農業用ドローンの導入ができるようになりました!
使用するドローンはクボタ社のT10Kになる予定で、価格は200万円ちょっと。ドローンを購入してしまうと私が使える協力隊の年間活動経費では足りないため、リースでの契約を行う予定です。
来年度は主に水稲の除草剤、殺虫殺菌剤、肥料の散布テストをして効果を確かめ、協力隊の任期後に散布の請負業を始めたいと思っています。
元々空撮用のドローンは複数扱った経験があり最低限の知識はあったのですが、
補助金やクラファンの利用、中古、自作機体など様々な選択肢を考えうる限り全て検討し、候補に上がった機械をデモフライト等で見せていただき、メーカーや散布の請負業をされている方に話を聞き、クボタ社のドローン教習も受講したおかげで、かなり幅広い知識が身に付いたと思います。
「ドローンをやりたい!」といってからすぐに声をかけて下さった方、散布の見学依頼を快く引き受けて下さった方など、様々な方の助けを得て実現できそうです( ;∀;) カンシャ。
現在は契約の打ち合わせもひと段落して、来年度からの散布テストに向けて協力してくれる地域の方を募っているところです。
協力隊の任期中に実務経験を積んで、任期後に散布の請負業を始められたら理想だなと思っています。
(もし新潟県内の農業者の方で、農業用ドローンを試してみたいよ、という方がいらっしゃればぜひお声掛けください!)
3.ドローン直播
今年は実は失敗してしまったのですが、ドローンを使って稲の種籾を直播する実験を行いました。
散布は今年は請負業者の方に依頼をしましたが、来年度は自分のドローンでリベンジする予定です。
そもそも直播とは、本来4~5月に行う苗作りをすっ飛ばし直接圃場に種籾を撒いてしまうことで、成功すればとてつもない省力化ができる、という栽培方法です。苗作りで必要なビニールハウス建て、土入れ、種まき、苗箱運び、水やり等の作業がすべて必要なくなります。
デメリットとしては、苗立ちの不安定さ(=収量の不安定さ)があります。苗立ち前に鳥害や雑草でやられてしまうほか、散布時の土の固さや天候によっても苗立ち率が変わるため、経験値や運が必要な栽培方法のようです。また、苗立ちの安定化のため種籾を専用のコーティング剤で覆うのが一般的で、今年はカルパーというコーティング剤を使いました。
失敗の原因はスズメの被害の多さと水管理の悪さによる雑草の繁茂だと思いますが、どれがどのくらい悪かったのかは分かりませんでした。
今年は来年度は経験者にアドバイスをもらうこと、鳥害対策をすること、コーティング剤を複数試すこと、の3つをして様子を見ようと思っています。
4.さいごに
以上、ドローン絡みのざっくりとした活動報告でした!
農業用ドローンについては気が向いたときにもう少し詳しくまとめたいな。。
スマート農業関連で、もう1つ始めた取り組みがありますので次の記事ではそれを書く予定です。
ジャンルとしてはIoTの活用の話で、人によっては少し難しい内容になるかもしれない点、ご容赦ください。エンジニアの方にとってはぬるいかも( ;∀;)
それでは!