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僕ヤバの深読み【Karte.56 僕は探られた】僕の心のヤバイやつ

山田が市川の事を深く知る回

初詣実家訪問エピソードは総じて、山田が市川を深く知る話と要約して良い。
市川の素性が次々に露わになる山田の衝撃を、読者は追体験する。

 山田が市川の男を認識する

今回のヤマややはりここ。
市川が山田を押し倒す。(語弊)

司書の先生からチョコを隠す為に市川が山田の手を握って以来の迫真の行動。
動機が違うとはいえ市川を「好き」となったあの瞬間に似たシチュエーションを突きつけられた山田は、あの時と同じように黙りこくってしまう。

普段見ることの無い「市川を見上げる」という構図。
男性の象徴の一つ、喉仏が強調される。

そして直前に見つけたCiEL(山田が専属モデルの雑誌)の存在から
「市川も他の男性ファンと同じように、自分の雑誌を買っている」
という事実。

もちろん、山田が一般男性から同じことをされても特に何も感じない
むしろキモいだけだ。

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けど相手は市川。
普段は山田が猫かわいがりしてからかっている、あの気弱で優しく面と向かって可愛いと一言も言ってくれない素っ気ない市川
「CiELを大切にしていて」
「ベッドの上で覆いかぶさってきて」
「喉仏を見上げさせて」
……と立て続けに突きつけてくる。

偶然ながら市川から受けた男性的なアプローチ

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そりゃこの顔にもなるよね……ていう。

 山田は市川の過去に含みがあることを知った

林間学校の話題の時と同じ表情を、山田は見せた。

前回

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今回

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スプラッタ趣味に触れた山田は、自分に対して普通に喋るようになった市川が珍しく言い淀む様子に困惑する。

山田は特にスプラッタ趣味に対して抵抗は無いと思う。
市川に対して気を使ったフォローで「すご」と言うようなキャラではないと思う。
文化祭準備エピソードでこういうシチュもあったし。

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本心で「すご」と思っているんだけど、言い淀んだ市川の様子が不安で一瞬の間を作ってしまったといった感じ。

一見、ぶっきらぼうにグイグイ来るように見える山田も市川の事をよく見ているのが解るシーン。やっぱり大人だな、と。

前回と含めて山田は市川の過去に何かあったことを何となく察していると思う。むやみに詮索しないあたりも山田は優しいのだ。

 山田はもっと自分を知って欲しい

山田「私の心の中はわかるかな?」

市川はいつも自己開示せず、山田から質問を受けてばかり。
山田のことを知ろうとしない市川にやきもきしている山田はもっと自分のことを知って欲しいと常日頃感じている。

市川がスプラッタ趣味であること、市川の過去に"何か"あったこと、市川も男であること――

実家訪問で市川のことを深く知った(そして知らないことがまだまだあることも知った)山田は自分のことをもっと知って欲しいという気持ちが今までより一層強くなった。

大人が撮影した雑誌が見せる、秋野杏奈のアルバム(雑誌)」
ではなく

山田「今度は私が――… 私の…アルバム見せるね」

という約束で締めくくり。熱い。

他の深読み

 山田は高校受験をしない?

市川「…(友達は)2人とも私立行ったから」
山田「あ――…」
山田「私立… 市川は…」
山田「…………

三点リーダー4つという激深シチュ。
セリフの続きは「市川はなんで一緒に私立に行かなかったの?」ではないだろう。
でなければ最初に「私立…」と前置かない。
市川は高校どうするの?
だと思う。

市川が進学校に行くのは成績からすると明らかだろうが、山田は自分も行けるだろうか、という不安ではなく自分は高校に行かないから(モデルに専念するから)という理由で言葉を詰まらせたのではないか。

一緒にいられるのはあと一年という変え難い未来が、山田の頭をよぎって直視できず逡巡するコマ? だとしたら寂しい。

 ちょっとした信頼

ベッドで市川が山田の隣に座る時のちょっとしたシーン。
特にセリフは無いんだけど、山田が隣に誘うのと市川が隣に近付くのが同時で、
市川(隣に座っても……いいよな)
山田(隣に座ってくれるでしょ?)

が言外に交わされている感じ。
お互い赤面してるけど、「このくらいはいいよね」というちょっとした心の隙間というか、ほんのちょっとだけ気の置ける仲になっていることが表現されてる。可愛い……


今回でスプラッタ趣味と「過去の栄光」に何かあったことは明らかなので、いよいよ次回迫真の市川過去編か!?と今からドキがムネムネ。

言いたいことが多くて乱文になってしまいましたが、ツイヤバからもお互いの距離感が変わっていくことがすでに描かれているので、市川の過去と二人の距離の変化がどう結びつくのか今から楽しみですね。


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