220716キエフバレエガラ
しがない会社員の給料をはたいて行ってきたので、一介のバレエファンの感想を書き散らす。
ゴパック
縁あって民族舞踊的なものが非常に好きなので、本場ものを観られたのは僥倖だった。フォークダンス系の舞踊団にはさすがに飛距離で劣るが、あの赤い衣装あの笑顔あの勢い、好き。
シルフィードPDD
ひらひらふわふわ、ほんものの妖精がいた。シルフィードの曲も好きだし、ジェイムズのバリエーションの曲がすごくかっこいい。そのうち全幕で観たい作品。出鼻に一瞬バランスを崩したが、後半はそんなこと忘れていた。
ディアナとアクティオンPDD
男女ともコンクールで有名なやつね、くらいしか分かっていなかった。アンナ・ムロムツェワ笑顔かわいーー衣装かわいーー!ところでなんであの衣装はパンツが赤じゃないんだろう。背景的な理由があるのかどうかいつも気になる。
海賊より花園の場
青い衣装のメドゥーラって個人的にはなんだか意外で面白かった。コールドが見事に揃っていてすごい。オシポワ&ワッシーのPDD動画は幾度となく観ているが、これも全幕は知らないのだ…
ひまわり
児童舞踊をやっていた影響か、コンテが苦手なのでよく分からず…
サタネラPDD
まず衣装。マクシム・バラマルチュークのお坊ちゃんみたいなベストの衣装が可愛いし、カテリーナ・ミクルーハのシックなきらきらが最高。あのチュチュにはアレルキナーダみもやや感じて、途中でサタネラかと思い出した。動画なんかで眺めていてもちょっと面白味のないPDDだなーとか思ってたが、実際観ると、何だこの楽しいやつは!踊るのも楽しそう。
瀕死の白鳥
このガラの本丸と言っても過言ではない。エレーナ・フィリピエワの瀕死の白鳥。昔、白鳥の衣装で踊ったことがあるために(とは言っても当時の先生オリジナルの振付で曲はチャイコフスキーの方だった)、こと思い入れの強い白鳥。名だたるダンサーが踊り継いでいる白鳥、自分の目の前の舞台で死んでいく白鳥、息をするのを忘れて観た。散り際は美しい。足音ひとつなく腕を柔らかく使って踊る様に、羽根を揺らめかせて静かに斃れる白鳥が見えたように思う。
バヤデルカ2幕
大好きなラ・バヤデール、の中でもそれはもうお気に入りのガムザッティ無双シーン。これをフィナーレに持ってくるセンス最高では⁇パ・ダクシオンは綺麗に揃っているし、ソロルはよく飛ぶし、ガムザッティは強そう、イタリアンフェッテ終わった後のドヤ顔がとてもとても気持ち良かった。衣装も大道具も派手であの音楽に負けない。ああー好き。
結び
引くほど良かった。勢いでチケット取って何とか2階席に滑り込んだが、あれは良い判断だった。舞台で笑う彼女たちの思いは到底計り知れないし、推し量るのも烏滸がましいくらいで、正直娯楽のひとつである観劇に行くことも躊躇っていた。正解は分からない、というか正解はないと思うが、美しい彼女たちに、芸術に拍手を送れたことは、生涯後悔しない。