第36節 ファジアーノ岡山
前節は仙台で悪夢の3失点で大敗。しかし、運が良いのか悪いのか清水も山形に敗れ、長崎が勝利を収めたため、順位は首位をキープし自力でJ1復帰を決めるチャンスが再び舞い込んできた。
今節はホームに岡山を迎える。岡山は前節でプレーオフを狙うライバルのいわきに引導を渡したものの、千葉、仙台、山形が共に勝利を収めたため、負けられない戦い続いている。
注目の今節のメンバーは、出場停止となったガブリエウに替わり拓海がスタメン。注目のベンチには杉田が飛び込んだ。
岡山は前半にエンドの変更を選択した。この変更により、横浜ゴール裏の前にはブロがやってきた。ブロは深々と一礼し笑顔を見せていた。そしてキックオフのホイッスルが鳴った。
前半18分に試合が動く。横浜がクリアしたボールを田上がカルロスから奪い取ると、1人交わしてスルーパス。そこに走り込んだ岩渕が市川を交わして流し込み岡山が先制する。
さらに、前半ラストプレーのCKから鈴木に決められ2点のビハインドで前半を終えた。
前半終了時点で、先に始まっていた長崎は勝利を収めており、後半で3点を奪わないと今節でのJ1復帰は無くなっていた。
後半から慶治朗に替えてカプリーニを投入。JPとカプを初めて揃える形になった。
しかし、2分に一美がボールを受けると、1人で4人を剥がしてキレイなミドルシュートを決められてしまい3失点目。
10分には田部井のCKから田上にベッドで決められ4失点目を喫した。
勝利を目指すなか、55分間で0-4となった最悪な雰囲気の三ツ沢で、聴こえてきたチャントは「プロのしるし」だった。
近年はイケイケムードの時に使われてきたチャントであり、今節のウォーミングアップ時に選手を迎え入れるチャントに使われたのが「プロのしるし」だった。
私が応援を始めた2006シーズンからしか分からないが、「プロのしるし」は不甲斐ない試合の時に流れるのがお決まりで、昔はあまり好きではなかった。個人的なイメージとしては「サポーターは白旗挙げたから、お前らだけでなんとかしてみろよ」というような意味合いを指しているように思っていて、実際に自身もそういった感情が芽生えた時に聴こえてきたイメージが強かった。
それが正式には覚えていないが、2017年のホーム千葉戦くらいから、大量得点などイケイケでお祭り騒ぎの状態になった時に使われ始め、近年ではポジティブ要素のみの印象が強まっていた。
ただ、この0-4という場面で数年ぶりの登場には、えも言われぬ感情が湧き上がっていた。そんな中で16分に山根が24分にカプリーニがネットを揺らしたものの反撃はここまで。ホームで2-4の敗戦となった。
今節でのJ1復帰はならず、今シーズン初の連敗となり、最多の4失点を喫した。
今節のメンバー入りをこの男が掴むと予想出来た方はいたのだろうか。個人的にはサプライズだったし、一枠を掴んだのを素直に讃えたい。この土壇場でメンバーに絡めたという面は今後の糧になるだろう。
まさかの2試合連続大量失点となってしまった。足踏みするにしてもこのようなパターンは全く想像出来なかった。
もうこれ以上足踏みすることは出来ない。しっかり次で決めてもらいたい。
試合終了後、座り込んだ福森は涙を流していた。仙台の地で誓ったことを大きく裏切ってしまった事が影響していたのだろうか。
前節は山根の態度を叱り飛ばしていたり、サポーターと真剣に向かい合って対話していた姿とは真逆の姿にあり、とても興味深い姿だった。
試合終了後はどんよりとお通夜ムードで帰路に着いたのだが、夕飯はあらかじめ近所のびっくりドンキーへ行くことにしていた。びっくりドンキーでガリバーが始まっており、勝手にお祝いでガリバー盛りを頼もうと思っていたのだ。しかし、結果はまさかの敗戦でJ1復帰は持ち越しに。こういう状況の時はもれなく食事も中止し、塞ぎ込むのが定番なのだが、普段とは大きく舵を切りびっくりドンキーへ乗り込むことにした。
一番好きな食べ物のポテトとご飯もガリバー盛りのカリーバーグを注文した。そもそもびっくりドンキーには2年前に初めて行ったレベルで、前回のガリバーではパフェを食べただけで、メインのハンバーグは未体験だった。ご飯もガリバー盛りにしたことで、ハンバーグのプレートの重量は1kgにも及んでいて、食べきるのがやっとのことだった。
普段とは真逆の行動を取ったことが、何か流れが変化する方向へ動いていくと良いのだが…
他チームの結果は、2位の清水は18位の栃木に競り勝ち、一足先に昇格を決定させた。敗れた栃木は17位の大分が秋田に勝利した影響でJ3降格が確定。勝利した3位長崎は、3位以上が確定し長崎に敗れた鹿児島はJ3降格が確定した。
これで残すは昇格1枠とプレーオフ3枠の争いとなっている。
次節、横浜は降格が確定した栃木をホームに、長崎は4位千葉とアウェイで対戦する。昇格の条件は変わらず、長崎が引き分け以下に終われば1年でのJ1復帰が達成される。
やはりJリーグ、J2リーグは一筋縄にはいかないのだ。あれだけ連勝や負け無しで進み、失点が平均0.6のチームが2試合で7失点もするリーグなのだ。余裕ある勝利で見えていたのも、本当に紙一重で勝利を掴んでいただけだったというのを改めて思い知らされる2試合だった。
「あと1つ勝てば良い」がこんなに大変なものなのかと再確認し、再びクラブに関わる者全てが「団結」をしなければならないのだ。
次節はホーム最終戦。最悪の挨拶で山口へ向かうことのないように、しっかりと決めてみせようではないか。
今度こそ三ツ沢でJ1復帰を掴み取ろう。
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