アメージングビュー デビュー
長崎戦の翌日、当初はカルドウェルが中京で出走予定とされており、中京へ行く手筈だったものの、カルドウェルは出走を取り止めとなってしまった。
新幹線のチケットを取る前で事なきを得たが、行き場を失ってしまった。
同日にアメージングビューのデビューも決まっていたが、場所は金沢競馬場という事で、費用面を含む諸々で行くことは厳しいと感じていた。
とりあえず新幹線の状況を見ると、見事に満席ばかりで断念すると同時に、金沢へも扉は閉じたと思った。
出走3日前まで迫っていたため、とりあえず飛行機の様子もと思い、ダメ元でANAのサイトを見てみると、まさかの光景が広がっていた。
行きのチケットが16,000円、帰りのチケットが13,000円という価格だったのだ。
新幹線とほぼ変わりない価格で目を丸くしたのと同時に、すぐさまチケットを抑え金沢へ向かうことに決めた。
アメージングビューに関しては、2ヶ月ほど前に順調にデビューすると信じて、最初の2歳重賞である石川テレビ杯の日に金沢競馬場へ行くことが確定していたが、その日に出走する保証はないため、やっぱりデビュー戦へという気持ちも働いていた。
小松空港へ到着し、小松駅へ出るためにバスに乗車したのだが、ここで人生初体験が訪れた。それは、このバスが自動運転のバスだったのだ。
車内モニターには周囲の道路状況が反映されており、車線に走る車両が映し出されていた。こんな所で最先端の技術に触れるとは思わなかったが、とても楽しい移動となった。
小松駅に到着し北陸新幹線で金沢へ移動した。
北陸新幹線は金沢までは乗車済で、金沢から先は初体験だった。金沢駅からファンバスに乗り20分、5年振りにやってきたのは金沢競馬場だ。
アメージングビューのレースの前に、まずは腹ごしらえとしよう。
立ち寄ったのはたこ勝。お好み焼きと焼きそばが一緒に盛られたペアを注文。これが500円という価格設定なのが驚きだ。
いよいよアメージングビューとご対面の時がやってきた。
このレースでまさかの口取りがあるという事もあり、パドック周りにはスーツの方もチラホラといた。
もれなく口取りは当選しており、スーツで金沢競馬場へ乗り込んでいた。
パドックでは落ち着きない時もあったが、十分やれそうな雰囲気はあった。
松戸騎手が登場すると、金沢競馬ではほとんど見られないと思われるスーツの集団に、驚きを見せている様子だった。
松戸騎手の性格がよく分かるパドックの周回を見ただけでも、金沢競馬場へ来た甲斐があったと思った。
コースへ出ると多少暴れたところもあったが、すぐに落ち着いて周回していた。
投票締切になり2番人気となったアメージングビュー。
そしていよいよ時間となった。
ファンファーレが鳴りゲートが開くと、真っ直ぐ飛び出すことが出来て、先頭集団にとりつくことに成功した。
2コーナーを周るあたりで1番人気馬のミヤギロードをマークしながら2番手で追走。
そして3コーナーを周るところで一気に抜け出しを計ると、1番人気馬のミヤギロード引き離して最後の直線へ入った。
このまま突き抜けるかと思っていると、手応えが怪しくなってきているように見え、後方から能検で大差をつけられたナックジュエルが猛然と追い込んできた。
誰もがやられたと思った次の瞬間、凄まじい勝負根性を見せてもう一度伸び返したアメージングビューは、ナックジュエルの猛追を凌いで先頭でゴール板を駆け抜けた。
ガッツポーズと共に5年振りの口取りが叶った瞬間にもなった。
地元の方や、遠方からの方を含め8名の同士が集まり、和やかな雰囲気で装鞍所横のスペースへ通された。
歓談していると、厩務員さんと井樋調教師がいらっしゃり、全員とがっちり握手を交わして祝福ムードに。
そして、厩務員さんからはXにあげている投稿のウラ話を教えて頂けた。
「例え勝てなくても出資して良かったと思えるように」と発信してくれていたようで、こんなに素晴らしい厩舎はあるのだろうかと感動した。
「本音を言うと毎日の投稿は大変で少し休みが欲しい」と笑って話されていた。
そしていよいよ口取りへ移ることに。
久々の瞬間となり、やっぱり口取りは最高だという事を改めて思うことができた。
松戸騎手から出資者へ祝福の言葉を頂き、再び嬉しさがこみ上げてきた。
その後はゼッケンを持って写真撮影も行い、夏休みに最高の思い出が出来たのだった。
次走はどうなるか分からないが、中1週で2歳重賞の石川テレビ杯が予定されている。
奇跡を願ってあらかじめ予約していたが、これで現実感も出てきた。
金沢の新たな女傑候補になれるかは分からないが、怪我なく次のレースを迎えてほしい。
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